【スタッフコラム】「いつもの味」の思い出
編集スタッフ 奥村
年末年始。おせちやお雑煮のほかに、みなさんは何を食べたでしょうか?
先日スタッフ数人でお昼を食べたときのこと。ちょうど年末だったこともあり、それぞれの帰省の話をしていました。
中でも盛り上がったのが「実家に帰ると食べたくなる料理」について。
たとえば九州出身のスタッフは、具だくさんのちらしずし。関西出身のスタッフは、鱧の炊き込みごはんを家族で囲むのが楽しみなのだそう。
はて、私は? 思えばとりわけて話せるような「故郷の味」はなくて、ふつうの料理ばかりが頭に浮かぶのでした。
「帰郷」にあこがれて
東京の西のほうで生まれ育ち、今もそのあたりに住んでいるわたしの帰省は、電車で15分。
ふだんの暮らしの延長に実家があるから、自分の故郷にもいまいち輪郭を持てていず。
里帰りのシーズンには、新幹線や飛行機のチケットをとる心なしかワクワクした友人たちの顔を見ては「帰郷」の特別感にあこがれたものです。(ないものねだり、ですね)
「故郷の味」についてもそう。小さい頃から食べていたという、その地ならではの味にはいつも興味津々で、うらやましく思っていました。
「故郷の味」はないけれど。
この年末、実家に帰ったときのこと。
姉夫婦も集まりちょっぴり特別な日のごはんは、食卓のまんなかにどーんと置かれた鉄板いっぱいのギョウザ。久しぶりに大人数で囲むそれに、なんだか急になつかしさがこみあげました。
わが家で「ギョウザ」といえば、これ一品が食事のメイン。ギョウザだけを思う存分に食べるのが定番でした。
それだからか、しっかり栄養もとれるように、野菜7割、肉3割と野菜が多めのあっさりしたタネ。この味が当たり前ではないと知ったのは実家を出てからで、驚いたものです。
「ふつうの味」の思い出
思えばほかにも、そんな思い出の料理が。
プチトマトやキャベツ、野菜がたっぷり入って和風ポトフのような見た目だったわが家のおでん。肉よりもゴボウのささがきがたっぷり入っていた、食べごたえ満点のハンバーグ。
特別なことなんてなにもないふつうのメニューだけれど、そんな「ふつう」の中にわたしの故郷の味はあったんだなと、ふと思ったのでした。
今までは、その地ならではの味の話を聞くのが好きだったけれど。今はいろんな人の、「ふつうの味」の思い出が聞いてみたいこの頃です。
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