【スタッフコラム】ノープラン、下準備なし、土地勘ゼロの松本ひとり旅。
商品プランナー 斉木
見知らぬ土地に行ったとき、何を食べるかと、どこに行くか。そこさえ押さえていれば、その旅は「もらった」も同然。そんなふうに思っています。
わたしのいつものパターンは、「絶対行きたい!」というお店や食事処を1日につき1箇所見つけ、それ以外は喫茶店で本を読んだり、ひたすら宿に引きこもったり(そもそも旅館やホテルが目的地ということも)。旅先でも安定のインドアスタイルです。
そんなわたし、先日とある取材で長野県・松本市に行く機会がありました。
松本といえば、当店のスタッフからもよく話をきく、気になる街。どうせなら1日休みをとって、久々のひとり旅をして帰ろうと、先輩スタッフ・田中からおすすめの旅館を聞き、予約したまではよかったのですが。
バタバタと日々は過ぎて行き、気づけば取材当日。まったくのノープラン、下準備なし、土地勘ゼロというないない尽くしで特急電車に揺られていました。
取材先さん →「peg」店主・菅沼さんへ
取材を終え、「今日の夜は、まるも旅館に泊まるんです〜」と取材先の方に話すと、「ワインは好き? じゃあまるもの隣のpeg(ペグ)に行くといいよ!」とのこと。
旅館にチェックインしたあと、さっそく言われるがままにお隣のワインバー・pegへ。2年前に東京から地元・長野に戻り念願の店を開いたと話す店主の菅沼さん。ワインの味や産地についてていねいに説明してもらいながら楽しむ食事は、いつもより深く味わえるような気がして。
さらに「明日の予定は未定です」と漏らすと、次々出てくる、菅沼さんの “松本いいとこリスト” 。あわててiPhoneにメモをとり、お礼を言って帰路に着いたのでした。
▲不思議と落ち着く店内と、店主の菅沼さんご夫婦
「peg」店主・菅沼さん→「monbus」店主・山田さんへ
翌日は朝から、菅沼さんのリストを片手に、民芸品店・陶片木(とうへんぼく)や、ジャム屋さん・Chez momo(シェ モモ)へ。仕事の荷物とお土産で両手がふさがってきた頃、最後に行き着いたのがセレクトショップ・monbus(モンバス)でした。
fog linen workで働いていたという店主の山田さんは、アウトドア好きが高じて、2年前に松本へのIターンを決意されたそう。当店のことを知っていてくださり、仕事の話、雑貨や洋服の話に花が咲きます。
そうそう、山田さんにも、次回ぜひ!という “松本いいとこリスト” をたくさんもらいました。
▲「無事に家まで持ち帰れるだろうか……」と思いながらも、ガマンできなかったヴィンテージのカップ&ソーサー。
誰かの「好き」に触れる旅。
▲東京にもほしい!と思った本屋・喫茶店「栞日」
気づけばノープランだった旅も、出会った方の好きなお店を数珠つなぎすることで、わたしにしては珍しいほどにアクティブな旅になりました。
帰り道、流れる景色を見つめながら、いい刺激をもらったなあと、しみじみ感じていて。それはきっと、誰かの「好き」を自分なりに咀嚼しようとして得た刺激だったのだと思います。
▲松本は食べものもとにかくおいしくて! これは食堂「アルプスごはん」の日替わりランチ。
いつもは、自分の好きという基準だけで選んでいるお店や、あらゆる行動を、誰かにまるっと委ねてみる。
それは、自分の好みという安全圏からほんの少しだけ飛び出すことで、もしかしたら合わないかもしれない、という緊張感もはらんでいます。
楽しめるだろうか、浮かないだろうか、あの人みたいに私も、そこを好きだと思えるだろうか。
扉を開く直前まで、心配が消えることはありません。だからこそ、「あの人はどうしてここが好きなんだろう?」「どうして私にここを勧めたんだろう?」と考えながらその場を一生懸命味わうのだと思います。
それは、普段とは違うメガネを通して世の中を見るような感覚で。
不安になって、つい “いつもの” 安心を選びたくなるけれど、たまには丸腰で流れに身を任せてみよう。そんなことを教えてくれた松本ひとり旅でした。
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