【スタッフコラム】旅するような気持ちでいたい。
編集スタッフ 奥村
なんだか身軽になりたい。唐突にそう思ったのが今年の夏のこと。
そのまま勢いにまかせてチケットを予約し、パリへひとり旅に行ってきました。
行き先をパリにしたのは、蚤の市に行ってみたかったから。でも、さすがパリ。調べてみるとやりたいことや行きたいところが他にもたくさん出てきます。下調べを重ねるにつれて期待は膨らむばかり。
せっかく行くなら思い残すことなく堪能したい!と過密すぎる旅程を書き込んだノートを手に、飛行機に乗り込みました。
到着初日から、時差ぼけなんてお構いなしにハイペースで街巡り。午前中は蚤の市、お昼は人気のあの店へ、混みそうだから11時には到着したい。最短で着けるのはどのルートだろう?
予定を遂行することに一心で、頭は常にフル回転。右手にはスマホのグーグルマップ、左手にはガイドブックを持って、パリの街を小走りで駆け抜けながら3日が経ちました。
私、なんでこんなに急いでるんだっけ?
4日目の朝、眠い目をこすりつつ今日の目的地へ向かっていたときのこと。歩いていた一本道の先には、一組の親子の姿が。
朝の8時頃だったので、幼稚園へ行く途中でしょうか。大きな声で歌を歌いながら、あっちへこっちへ飛び跳ねて、なかなかちゃんと歩こうとしない男の子。手を引くお母さんも、男の子に合わせてのんびりペースで進んでいます。
早歩きをしていたから、2人に追いついてしまったわたし。
一方通行がやっとの道で「横をすり抜けられそうかな、なんて声を掛けようか」という想いがちらついたとき、「なんでこんなに急いでるんだっけ?」とふと我に返って。
身軽になりたいと出た旅のはずなのに、ここでもまた、することや時間に追われてカリカリしてる。そんな自分に気づいたら、ちょっと笑えて力が抜けました。
私を重くしていたのは、私自身だったのかも
空を見れば清々しいほどいい天気。なんだか急にこれからの予定がどうなっても良いと思えて、その日はするはずだった沢山のことを諦めてみようと決めました。
ルーブル美術館に行く予定も、紅葉がきれいだったから、外の景色を見ていたくなってパス。
めぼしいレストランをたくさん調べてきたけど、今夜は疲れたから、ホテルに戻りたくなってパス。
そうして過ごした4日目は、旅程はまるきり果たせなかったけど、不思議なことに軽やかな気分で終えられて。
うまく言葉にできないけれど、わたしが旅で感じたかったのは、こんな気持ちだったのかもしれないと思ったのです。
▲その日ふらりと入ったお店のコーヒーが、本当においしかったです
クレジットカードを落としたり、 ホテルのシャワーが故障していたり、メトロが動かなくなったり。
思えば旅で起きる出来事って、ほとんどが予定外なものばかり。
でも、「思い通り」に固執するのをやめてみたら、そんな予定外もイライラの種じゃなく、「ちょっと笑えるできごと」だと思えるようになるから不思議なもの。
そのスタンスは、なにも旅の間だけじゃなく、どこでだってできるものなんだと気づきました。
旅から戻っていつもの毎日へ。
ひとり旅を経て何か変われたかといえばそうはいかず、思い通りにいかないことに、ピリピリするときだってもちろんあります。
でも、そんな自分にがんじがらめになったときは、旅で感じたあの気持ちをちょっとでも思い出してみたい。
そうやって心を軽くする術を知っておくことが、わたしにとっては「旅するように暮らす」ことなのかもしれません。
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