【スタッフコラム】美人になりたい、と夫が言った
編集スタッフ 小林
おもしろいひとが好きだ。単純な「おもしろい」という言葉では、上手に説明ができないのだけれど、他にうまい言葉も思いつかない。
冗談がうまいとか、ものすごく知識を持っているということに限らず、おもしろいひとは、おもしろい。
自分とは思考回路が違いすぎて予想もつかない行動をしていたり、とんでもなく素直すぎて心配になるほどであったり、不器用故になんだか愛おしいなぁと思えたり。
味わいがある、とでも言うのだろうか。実にそのひとらしいなあ、というところを見るのが好きなのだ。いいねぇいいねぇ、といった心持ちで、なんだかこちらが勝手に笑顔になってしまう。
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ちなみに身内のことにはなるが、うちの夫は大変おもしろいひとである。
彼は最近、スキンケアに注力している。本人曰く「美人になりたい」とのこと。確かに、美人という言葉に性別は関係ない。し、よくわかる。私も美人になりたい。同じ気持ちだ。
最初は、私の使っていた化粧水類を使うところからはじまった。その次は、どんな製品を買うか話し合って決め、両者が納得したものを、共有して使うようになった。
しかし2ヶ月ほど前、やはり肌質が違うので次はそれぞれ別で買おうか、という話に。
どうやら彼も気になるブランドがあったようで、その後郵送でできる簡易的な肌診断を受けたのち、いまは自分に合った化粧水(オイル入り)でお手入れをしている。
戻ってきた肌診断の結果で、油分が多い肌質、毛穴汚れに注意、的な文言があったようで、毛穴の黒ずみ対策はどうしたらいいだろうか、と相談も受けた。
そこで一緒に店に行き、あれこれとスキンケア製品の特徴や考え得る使い心地を説明し(人生で読んだ数々の女性誌の知識がここで役に立った)、「最終的に失敗しようが成功しようが、自分が使ってみたいものを使うのが今後のことを考えると良いと思う(経験則)」と伝えたところ、迷いながらも、ちょっといいクレイ入りの洗顔料と泡立てネットを自分で選んで買っていた。それから毎日、丁寧に洗顔をしている。
昨夜は「この洗顔料で顔を洗うと、洗い上がりがなんかツルッとする気がするんだよ〜」とニコニコ嬉しそうに話していた。
確かに気づけば毛穴はかなり小さくなり、肌はもちもち。顔色がワントーン明るくなった上に、吹き出物もできにくくなっているような。
嬉しいよね、わかるわかる。ものすごーく、わかるよ〜。
時折「どう?美人?」と聞かれるようにはなったが、本人が毎日楽しそうなので、本当によかったね、という気持ちになる。
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彼は、周りの目を一切気にしない。
いや、一切気にしない、というのは語弊があるかもしれない。とても素直な性格で人の影響も受けやすいのだけど、自分で自分のことを元気づけられる、というか、ものすごくマイペースに物事を進められる。ポジティブさと頑固さを兼ね備えたタイプの、素直な人間なのだ。
男性のスキンケア、というと、かなり風向きが変わってきてはいるものの、まだまだ揶揄されかねない環境もあると思う(実際悪意なく揶揄されることはある)。
けれど本人は周りから何を言われても変わらず楽しそうで、自分の道を信じているというか、全くもって無邪気なままなのである。
その好奇心は衰えず、ツヤツヤになった自分の素肌に自信を持ち、目標に対して着実に歩を進めている。そんな背景から出てくる、満足げな表情をしている。
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最初に「美人になりたい」と言われたときは、私としても、まあそれなりに驚いた。そしていまだ彼の思う「美人」とは一体何なのか、詳しいところはよくわかっていないと思う。
けれど、自分自身から出てきた大切な言葉を、そのまま素直なかたちで持ち続けることができる人は、果たしてどのくらいいるだろうか。
私は「美人になりたい」と思っていても、そのまま口にすることができない。きっと多少なりとも捻ってしまう。
だから羨ましい。
そんな自分とは全く違う部分が、とてもおもしろくて、尊いと思う。
そして今日もついつい、鏡の前で真面目に毛穴チェックをする彼の姿に、笑みがこぼれてしまうのである。いいぞいいぞ、どんどんやれ〜、と思いながら。
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