【春のからだを労おう】前編:頭ぼんやり、鼻づまり。今すぐできるカンタン対処法
編集スタッフ 岡本
分厚いコートの出番も減り、お花屋さんには色とりどりの花々が咲き誇っていますね。
春うららな陽気に気分も上向く季節ですが、どうにもスッキリ過ごせないことが続いている、ここ数年。
なんだかずっと、ぼんやりしていて頭が冴えないのです。花粉症のせいか、はたまたちゃんと眠れていないのか……。
これといった原因は分からないけれど、気持ちが前向きな季節だからこそ、体も健やかに過ごせたら。
この特集では、春ならではの不調とうまく付き合う方法を前後編でお届けします。
教えていただいたのは、整体師の松下るなさん。
松下さん:
「寒い冬を終え、さまざまな植物が芽吹く春は、人にとっても一年のなかでもっとも体に変化が起きやすい季節です。
でもそれは気温や湿度など、いろいろな原因から起こる、自然なこと。あまり重く考えすぎず、自分にあった方法で上手に付き合っていければと思います」
春の不調は「腰のゆるみ」が原因?
松下さん:
「梅雨には梅雨の、夏には夏の、と季節に順応するように体は知らず知らずのうちに変化しています。
春はとくに『腰』の変化が著しく、体の土台である腰のゆるみが頭のぼんやりや眠気など、あらゆる不調に繋がっている可能性があるんです。
これは重力のある世界において二足歩行で行動する人間であるがゆえに、避けるのが難しいところ。
ポイントは、腰のゆるみをサポートするために強張ってしまう上体を、適度にほぐしてあげることです」
なんと、ぼんやりの原因が腰からきているかもしれないなんて。
でも、腰をかばうことで背中や肩に力が入り、上体が硬くなっていき……と聞くと、改めて体は全部繋がっていることを実感します。
ということでさっそく、実際に不調を感じたときの対処法を教えてもらいました。
「頭がぼんやり……」そんなときは
1. 手のひらをハの字に開き、人差し指をこめかみに当てる
2. 耳の上あたりに沿って親指を後頭部へなぞらせる
3. 小さな溝を感じたらその辺りでストップ
4. ヒジを開き顔を上に向けて、頭の重さで後頭部の溝を押す
5. 心地よいと感じる秒数で、3回ほど繰り返す
松下さん:
「腰のゆるみが後頭部のゆるみにも繋がり、頭がぼんやりする原因に。ゆるんだ後頭部の骨を親指で締めていくイメージです。
指でぎゅうっと押し頭皮の表面が動くのではなく、ヒジを開く動作と頭の重さで刺激しましょう」
松下さん:
「眼精疲労の軽減にも、同じツボが効きますよ。目の奥の方へ指を入れるイメージで、そのままさらに顔を上に向けてみてください」
「鼻づまり」への応急処置は
1. 鼻骨のすぐ下に指をあて、やさしく押し上げる
2. 息は止めずに、心地よいと感じる間続ける
松下さん:
「鼻づまりが起きているときは、鼻の内側が腫れていることが多いんです。その腫れを和らげるツボを刺激しています」
「首肩のコリ」には、蒸しタオルが万能です
1. 600wの電子レンジで1分30秒ほど温める
2. 体温より冷たくなる前に外す→2〜3回繰り返す
✔︎point
・厚みのあるフェイスタオルが冷めにくく最適
・肌がピンク色になるくらいの熱さがベスト
・熱さが持続しすぎない蒸しタオルがおすすめ
松下さん:
「首肩のコリの原因は個人差がはげしく、また脳から直結している場所なので、自分でツボを押すのが難しいとされています。
また指で押すなどして一時的にほぐすと、体が持つ『戻ろう』とする反応のせいで、さらに硬くなってしまうことも。
一方で、温めるという方法は、副作用がなくほとんどの原因の軽減に繋がるので安心しておすすめできます。
コツは、『温める』と『冷める』をセットで行うこと。
筋肉は『熱い』という刺激を受けて、一旦緊張します(=硬くなる)が、冷めていく過程で、コリとなった部分も含めてゆるまっていくんです」
ぐんと暖かいと、体は混乱してしまうんです
松下さん:
「春は昔から三寒四温といって、寒い日と暖かい日が交互に訪れ徐々に季節が変わっていく時期ですよね。
十数年前を振り返ると、日ごとの温度差は、人間の体が順応できる2〜5℃程度でした。
でも今は、前日と比べて10℃以上の差があることも。これでは三寒四温というより、季節がガラリと変わっているのと同じくらいの温度変化になってしまいます」
松下さん:
「人間の体は大きく分けると、温めるカラダと汗を出すカラダの2パターンに分かれるのですが、これは本来短いスパンで切り変わるものではないんです。
冬の寒さに慣れ、温めるカラダになっている状態からいきなり10℃以上暖かくなると、すぐには汗をかくモードに切り替えられず、体は混乱します。
否が応でも体に負担がかかる時代だからこそ、体のメンテナンスが必須になってきているのかもしれませんね」
・・・
春はぼんやりする季節だもの、とどこか割り切っていたけれど、その不調のもとを辿ってみると日々自分の体がどれだけ頑張っているか、知るきっかけにもなりました。
もう少し、習慣的に体を労ってあげたい。
そこで次回は、松下さんが日頃行っている体をゆるめる習慣についてお届けします。
(つづく)
【写真】鍵岡龍門
もくじ
松下るな
2002年に井本整体に入門。門下生として修行を積み、現在、東京都・世田谷区に整体院を構える。人体美学の整体・操法により、多くの女性のこころとからだの不調を整えるサポートをしている。
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