【スタッフコラム】また会いたい、人と家のはなし。
編集スタッフ 田中
4月になり、毎年なんとなく訪れていた出会いの季節がやってきました。
今年、私にとっては “再会” の春でした。
3年ぶりに連絡をとった間柄もあれば、数ヶ月ぶりに会えた間柄もあり。どちらも “現在” の姿にドキドキと緊張を孕みながら、昔話に花を咲かせました。
「あんなことあったよね」
「あの時さ、実はさ……」
「え、今そうなんだ」
お互いの、変わらない部分と変わりゆく部分をゆっくりとキャッチボールするようで。
以前の家がとっても好きでした。近所に好きなお店があって、仲良くしてくれるご近所さんが住んでいて。
人気のパン屋さんがいくつかあったその土地は、休みの日には朝早くからパン目当てにやってくる親子や、カップルや、ランニングついでのお一人様が行列をなしていて。
その人たちに混ざって歩くと、徒歩 5分圏内のその街に、私も休みに足を伸ばしてでかけたような気になって。それはそれは心地のよい居場所だったように思います。
別の土地へ引っ越して、数ヶ月が経とうとしています。周りの様子もがらっと変わり、時世もあって、まだ近所に馴染めていない私。
もう少し仲良くなりたいけれど、まずは家の中で好きな場所を増やしてみようといつも部屋を見回しています。
自分で決められるとなると、ずいぶんと優柔不断になるのが悪いクセ。
素敵なインテリアの写真をみて、ちょっとだけ想像を膨らませて、ショッピングサイトを転々と見漁って、また目の前の現実を見つめます。
妄想の海は広く泳ぎ回れるのに、腰についた重りが邪魔をして、実際にはゆっくりしか歩を進めさせてくれません。
それでも、家の中は以前よりずっと好きになってきています。引っ越しを機に、いくつか欲しかった家具を買い、少しずつ仲良くなっている途中です。
家で夫の帰りを待っていると、「お土産どうする?」と連絡が。
プリンが大好きな私は、「プリン!」と元気よく答えます。
プリンがやってくると思うと、少しやる気になる自分がいて。プリンを迎え入れるために、あとでやろうと思っていた洗濯物をたたみ、食器を洗い、お風呂を洗って湯船にお湯をためます。
毎日ではないけれど、こんなことがこの数ヶ月に何度もあったなと思い出しました。
すっきりした気持ちで食べるプリンは格別で。プリンを食べながら、家の中を見回すと、それだけでちょっと好きになれました。
いくつかの “再会” と出会った今年の春。
“また会ってる” のに、「また会いたい」と思いながら家路につきました。
なんでこんなに好きだと思うんだろう、何がそんなに居心地がいいんだろう。
その謎は解けないままだけど、人も家も同じ好きがあると思うのです。
以前からある好きな雑貨と、新しく仲間入りしたこれからもっと好きになる雑貨が、この家に大集合しているのが嬉しくて。
人も、以前から知っているその人の一面と、知らなかった一面が、会うたび見え隠れするのが嬉しくて。
だから何度でも会いたい、また会いたい。
毎日過ごす家にだって、いつも会いに帰ってきている、そんな気分なのかもしれません。
***
こんな取り止めのないことを、食卓から家の中を見回しながら考えていました。
そうだ、この食卓でこれからもプリンを食べよう。
「お土産どうする?」今日もその連絡を待っています。
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