【海辺に暮らして】第1話:理想の暮らしを手に入れたい。葉山に移住した、とある一家の話
編集スタッフ 寿山
いつか海や山がある、自然に囲まれ場所で暮らしたい。そんな憧れを抱く人は多いでしょうか。
今回訪ねたのは、長い東京生活を手放し1年半前に神奈川県・葉山町に移住した、フリーランスのライター・編集者である仁田(にった)ときこさん。
海のある街で暮らしはじめてから、どんな変化があったのでしょうか。4話にわたって、詳しく伺っていきます。
移住を決めたきっかけ
仁田さんは、夫と10歳の長男、7歳の次男の4人家族。現在は週2回くらいのペースで都内に出勤しつつ、葉山での暮らしも楽しんでいます。
仁田さん:
「自分も田舎で育ったからか、出産してからは、のびのびとした環境で子育てをしたいという思いがずっとあったんです。それで、2年くらい前から都内もふくめてそういう場所を探していました。
緑の多い街を中心に探していたのですが、たまたま葉山にちょうどいい物件があって。内見したら子ども達が海や海沿いの神社とか、この界隈をすごく気に入った様子で、新宿まで1本で通える逗子駅の近くならと移住を決意して、2019年の年末に越してきました」
都内で暮らしていたときは、夫の単身赴任と2人目の出産が重なり、四苦八苦していたそう。無理をして体調を崩したことも、暮らしを見直す大きなきっかけになったといいます。
海の見える一軒家をリノベして
仁田さんご夫婦の本来の希望は、更地を購入して平屋を建てることでした。
ところが、理想通りの空き地を探すのが困難で、とりあえずは中古物件を購入して、住みながら土地探しをしようという選択に落ち着きました。家を購入しても、売って住み替えるという選択肢も持っておく、という考えが印象的です。
暮らしやすくリノベーションされた住まいは、仕切りがあまりなく、オープンな造り。2階のリビングキッチンには、窓から自然光がたっぷりと注ぎ込み、裏手には森が広がっています。
春先にはタケノコが採れたので、近所の友達といっしょに収穫して、タケノコ料理を楽しんだそう。
森を抜けた先にある畑を借りていて、毎週のように野菜を収穫し、親子でごはんを作るという新しい習慣もできました。
家族そろって自然と触れ合う機会がぐっと増えたといいます。
ベランダから屋上へ上がると、葉山の海が見える、開放的な空間が。ここで毎朝コーヒーを飲んでから仕事をスタートするのも、葉山の暮らしで始めた新しい習慣です。
人の助けを借りてもいいんだと、ようやく思えるようになった
仁田さん:
「小学校までは徒歩10分くらいで、放課後は海に行ったり、森にある寺子屋のような施設で地域の子どもたちとワークショップをやったり。とにかく自然に触れ合う時間が増えました。
土地柄なのか、近所の方々もすごくオープンで、何かあったら子どもをみてるからと、声をかけてくれます。そのおかげか少しずつ他人の手を借りてもいいんだと思えてきて。子育ても、近隣の方とのコミュニケーションもラクになった気がしています」
前は子どもを遊ばせるために頻繁にキャンプに行っていたけれど、葉山に越してきて、キャンプに行かずとも近所で思いっきり遊べる環境に、親子ともども助けられているといいます。
海があるだけで、こんなに気持ちが違うもの?
もう一つ、仁田さんの暮らしを大きく変えたのが海の存在。海岸まで徒歩10分ほどということもあり、時間さえあれば、登校前に朝の海へ行ったり、放課後に夕陽を見に海へ行ったり。仕事に行き詰まったときも、リフレッシュするために水筒を持って海辺へ向かうこともあるのだとか。
仁田さん:
「海に行きたいから、その時間を捻出するために、仕事や家事をより効率的に回せるようにもなった気がしています。
海にボードを浮かべて、オールで漕ぎ進めるサップというスポーツがあるのですが、家族でサップも始めました。サップしながら見る海や富士山に癒されながら、日々暮らしています」
海のある街で暮らして、あらゆるストレスから解放されたと話す仁田さんの清々しい表情が印象的でした。さて、次回は紫外線の強い海辺の街で、どう日差し対策をしているか詳しく伺います。
【写真】鍵岡龍門
もくじ
仁田ときこ
フリーランスの編集ライター。「&Premium」「リンネル」「LaLa Begin」「SKYWARD」など、衣食住をテーマにさまざまな媒体で執筆。昨年、住み慣れた東京から山と海に囲まれた葉山へ家族4人で移住。毎日子どもたちと海や山で遊びながら、週半分は都内や地方で取材撮影する暮らしにシフトチェンジ。最近は漢方や薬膳を勉強中。www.instagram.com/tokikonitta/
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