【夏の疲れを取る、ながら手当て】第2話:エアコンでぐったりしたら、「冷え取り」でリカバリー。

ライター 長谷川未緒

暑い日が続き、息苦しさから呼吸が浅くなったり、寝苦しくて睡眠不足になったりしていませんか。そろそろ溜まってきた夏の疲れをセルフケアで癒し、健やかな毎日を送りたいものです。

そこで、整体ボディワーカーとして、不調を和らげるための手当ての講座を日本各地で行なっている山上亮(やまかみ りょう)さんに、ほんの数分でリフレッシュできる方法を教わりました。

第1回は、呼吸を深くして血行を促進する整体的お手当てについて聞きました。

最終回は、実は夏こそ必要という冷房冷え対策について、伺います。

第1話:夏の息苦しさを和らげる手当て

 

暑くても、意外と冷えている

外は蒸し風呂のような暑さなのに、室内は冷房が効いていて震えるほど寒い、ということも少なくない夏。体温調節もままならずに、ぐったりしてしまいます。

山上さん:
「夏の不調は暑さによるものと考えがちですが、実は冷房による冷えの影響も少なくありません。

汗をかいたあとに涼しい部屋に入ると、汗が引っ込みますよね。これを整体では『汗の内攻』といって、さまざまな体調不良につながると考えます。

ですから汗をかいたらこまめに拭いたり、可能なら着替えましょう。これからご紹介する『冷えとり』も、ぜひ試してみてください」

 

 


夏の冷えを改善する
ながら手当て2つ


 


足の冷えの急所を
押さえる

ひとつめは、足の指の冷え取りポイントをツボを押すように刺激します。

足の中指と薬指の間が、冷えの手当てのポイント。ここを親指を重ねて20〜30秒押さえる。反対側も同様に行う。

山上さん:
親指から数えて3本目の中指と、4本目の薬指の間なので、『三、四指間(さんよんしかん)』といいます。

左右どちらから行ってもかまいませんが、より冷えているほうの三、四指間は、指を当てると狭まっているように感じ、押したときに痛いかもしれません。

無理をせず、じわーっと感覚を味わうように、刺激してみてください。だんだんと足先の血の巡りがよくなり、温かくなってくると思います」

▲モデルを努めてくれた山上さんの奥様は、「シルクふぁみりぃ」の冷え取り靴下も活用。重ねばきする際見分けやすくするため、自分で草木染めしている。

痛気持ちいい強さで押すこと20秒。冷たかった足先に血が通ってくるのを感じました。

これだけでも冷え取り効果はありますが、さらに次にご紹介する足湯もすれば完璧です。

 


整体的足湯で
体の内側からぽかぽかに

足湯はいろいろなやり方がありますが、ここでは山上さんおすすめの整体ならではの方法を紹介します。

 

1.両足を6分

お風呂よりやや熱めくらいの43、4度のお湯に、くるぶしの上まで浸かる。冷めてくるので差し湯をしながら、6分ほど。

 

2.冷えている足だけ、もう2分

左右の足のうち赤みが少ないほう、もしくは足の三、四指間を押さえたときに狭まっていたほうだけ、追加で2分。差し湯をしながら足湯する。

山上さん:
「湯の適温は目安です。足がすごく冷えていれば、43、4度では熱いと感じるかもしれません。熱すぎず、じわーと汗をかくぐらいの温度で、試してみてください。

足湯をして温まった血液が循環すると内臓が温まるので、体の内側からぽかぽかするのを実感できると思います」

▲冷え取りには温湿布もおすすめ。お腹や背中をじんわり温めて。

 

無理なく自分なりに続けていれば、健やかに暮らせます

今回、山上さんが教えてくれたのは、野口晴哉(1911〜1976 )さんという人が始めた整体法です。

山上さん:
「野口整体は治療というよりは、体育て。自分の体の不調に自分で気づいて、手当てしながら健やかに暮らす方法です。

たとえば動物が傷ついたところをぺろぺろなめるように、私たち人間も具合が悪いと自然とその場所に手を当てますよね。これを意識してやり、活用していこうという考え方です」

山上さん:
「今回ご紹介した手当ては、夏疲れだけでなく、日頃の疲れを取るのにもおすすめです。体の声を聞き、不調を整えるのに役立てていただければうれしいですね。

がんばらなくていいし、無理をする必要もありません。やり方も自分なりで大丈夫ですから、体が喜ぶからやる、というふうに、楽しみながら習慣化してみてください

仕事や家事の合間に、毎日ちょこちょこと行えそうなお手当てばかり。やってみると体がぽかぽかしてきてリラックスできるなど、すぐに効果を実感できるのもうれしいポイントでした。

こうして自分の体に向き合いセルフケアを続けることで、毎日を元気に過ごす手助けになりそうです。

 

(おわり)

 

【写真】鈴木静華

 

もくじ

 

山上亮

整体ボディワーカー。野口整体とシュタイナー教育をベースに日本各地でさまざまな講座を行なっている。著書に『子どものこころに触れる整体的子育て』(クレヨンハウス)など。


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