【花と緑を我が家に】04:上手な花の飾り方は?初心者向けのグリーンは?植物に関するQ&A

ライター 嶌陽子

世田谷にある花と緑のアトリエ「malta」店主の布山瞳(ふやま ひとみ)さんの自宅を訪れ、植物を自宅で楽しむコツを教えてもらう特集。

観葉植物の置き方やお手入れ法などについて紹介した第1話、切り花の取り入れ方を教わった第2話、ハーブやドライフラワーの楽しみ方を紹介した第3話に続き、最終話の今回は植物やそのお手入れに関するQ&Aです。

実際に花やグリーンと暮らす中でよく生じる疑問を布山さんにぶつけてみました。
第1話から読む

 

▲ゴムの木の一種であるフィカス トライアンギュラリスは三角形の葉の形が特徴

初心者にも扱いやすいグリーンは何ですか?

布山さん:
「ゴムの木やイモ科の木はどんどん新しい葉が出てくるなど、姿かたちの変化を感じやすいので観葉植物は初めてという人にとっても育てがいがあると思います。

また水が足りなくなったら土が乾いてきたり葉っぱがしおれてきたりするなど、弱っている時のサインや水やりのタイミングも分かりやすいんです」

▲葉の色や形がきれいなサトイモ科のフィロデンドロンは比較的育てやすい。

布山さん:
「強そうなイメージのあるサボテンや多肉植物は案外変化が見えにくいので、水やりのタイミングが難しいのですが、それに比べるとゴムの木やイモ科の木はお世話も比較的しやすいと思いますよ」

葉っぱにほこりがたまりがち。
ラクなお掃除方法は?

布山さん:
「私は普段、湿った布で葉っぱのほこりをふき取っています。ただ、案外手間がかかるので、シャワーで葉っぱ全体を洗い流すことも。

水やりのついでに手軽にできます。庭やベランダに出してシャワーホースで洗い流してもいいですし、ない場合はキッチンのシンクに置いて水をかけると便利です」

お花をどうしてもうまく生けられません

布山さん:
「一般的に口が細くて底が広がっている花瓶は生けやすいです。ピッチャー型は注ぎ口の部分に花を固定できるので生けやすく、バランスも取りやすいのでおすすめです。

口が広すぎると花の位置を固定しづらく、少しテクニックが必要になってきます。

ただいずれにせよ、数種類の花を一つの花瓶にバランスよく生けるのは、実は案外難しいんです。無理に一つにまとめようとせず、複数の花瓶に生けて並べて置く方が生けやすいと思います。

花瓶を前後に並べて奥行きを出してあげると絵になりやすいですよ」

花瓶の収納場所に悩みます

布山さん:
「形も大きさもバラバラの花瓶を収納するのはなかなか大変ですよね。あえてしまいこまず、好きな形の花瓶を集めて飾る収納にするのはどうでしょう。

特にピッチャーは花が入っていない時でも姿がきれいですよね。

花瓶を目につくところに並べて飾っておくといつでもさっと手に取れるので、花がもっと身近になるかもしれませんね」

ハサミやジョウロ……
おすすめの道具と収納法は?

布山さん:
「我が家で使っているハサミは “クラフトチョキ” というもの。クラフト用の万能バサミで、軽くて扱いやすいのが魅力です。

霧吹きはイタリアのエポカ社の加圧式噴霧器。プラスチック製で手軽に扱えます。

水やりはじょうろの代わりに雑貨店で買った古いオイル用ポットを使っています。注ぎ口が長いじょうろだと、案外狙ったところに水を注げなくて。用途に限らず、自分が使いやすいと思うものを愛用しています」

▲スチールバケツの外側に取り付けたマグネットフックをハサミの収納場所に

布山さん:
「道具はしまい込むとその都度出し入れするのが面倒なので、横長のバケツに入れて植木のすぐそばに置いています。

好きなデザインや色のものだと外に出しておいても気になりません」

 

難しく考えすぎず、気楽に植物と付き合ってみよう

布山さん:
「植物がある暮らしの良さは、何といっても日々の変化を楽しめること。グリーンを育てている中で新しい葉っぱが出てくると嬉しいし、花を飾っても季節を感じられます。

また、植物を飾ったりお世話をしたりするたびに元気をもらえます。今週は水換えができてお花が長持ちしたな、とか小さな達成感や満足感を味わえるのも魅力なんだと思います」

布山さん:
「無機質な空間に生気があるものを置くだけで自然と気も休まりますよね。植物がそばにあることは、気づかないうちに心や暮らしのうるおいにつながっているんだなと感じます。

あまり決まりごとや手順にとらわれず、難しく考えすぎず、気楽に植物と付き合ってみてくださいね」

全4回にわたって布山さんに植物の飾り方やお世話の仕方、楽しみ方を教えてもらいました。

「無理をしないことが大切」「失敗してもいいんです」。取材中、そう度々口にしていた布山さん。肩の力を抜いて植物との暮らしを楽しんでみてという気持ちが伝わってきました。

頭で考えてばかりで、自分でハードルを高くしていたけれど、まずは目の前のグリーンや花をじっくり味わい、愛でることから始めてみよう。取材を終えた今、さまざまな植物と暮らしたいという欲が高まっています。

 

【写真】メグミ

 

もくじ

 

布山瞳(ふやま ひとみ)

フローリスト。花と緑のアトリエ『malta』店主。撮影、店舗装飾、ウェディング装飾なども手掛ける。季節感や色彩、素材の調和を大切に、暮らしを豊かにする提案をしている。Instagram:@maisonmalta


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