【スタッフのお宅訪問】制約があっても自分らしい住まいに。工夫しながら「好きな風景」を作る日々
ライター 嶌陽子
家をもっと心地よい場所にするには?
ここ数年、家で過ごす時間が増えたという人も多くなってきました。あらためて家をもっと好きになりたい、住まいや暮らしをもっと心地よくしたいという気持ちは高まっているようです。
でも住まいを心地よく整えるには一体どうしたらいいんだろう?考えるほどに迷いも出てきます。
そこで今回、これまで数々の家づくりを手掛けてきた積水ハウスと一緒に、「心地よい住まい」について考えてみることに。
度々引越しをする中、どの住まいも自分らしく、心地よく整えてきた当店のスタッフ宅を訪ねて、じっくり話を聞いてみました。
(この記事は、積水ハウスの提供でお届けする広告コンテンツです)
子どもが成長し、広さが必要に。2年前に引っ越した賃貸マンション
▲築26年の2LDK、78㎡の賃貸マンション
スタッフの齋藤は、夫と8歳の息子、6歳の娘との4人家族。2年ほど前に、現在暮らす賃貸マンションに引っ越してきました。
齋藤:
「子どもたちが成長し、前の住まいが少し手狭になってきたなと感じていました。前の家の近くで探していたものの、なかなか見つからず、少し範囲を広げてみた時に今のマンションの物件情報を見つけて。
内見してみたら、周りの環境含めて気に入ったので引越しを決めました」
齋藤:
「暮らしてみると、あらためて周りの環境の良さも実感。子どもの成長に応じて部屋の使い方を変えていきながら、なるべく長く住み続けたいなと思っています」
▲「朝、身支度を済ませて洗面所を出た時に見えるこの風景が好き。窓から朝の光が入ってすごくいいなあと思います」
住まいが変わっても「わが家」と思える理由
結婚してから、3度住まいを変えたという齋藤。その時々のライフスタイルに合わせながら、新しい土地や家を楽しんできました。一方、家具や道具は住まいが変わっても変わらず長く使い続けているものが多いといいます。
齋藤:
「夫と私、それぞれの実家から持ってきたものもあります。目にするたびに、離れている実家の家族ともつながっている感覚になるんです」
▲実家から譲り受けたかご。「母親が昔からかご好き。これは実家の冷蔵庫の上に置いてあって、タオルが入っていたのを覚えています。今はおやつなどを入れています」
▲夫が実家から持ってきたガラスの器は「夫の祖父の代から使っていたもの。そうめんを食べる時に使っていたようなのですが、今、わが家でも同じ使い方をしています」
齋藤:
「家具や日用品は一気に揃えず、一緒に暮らし始めた頃から少しずつ増やしていきました。住まいが変わっても、愛用しているものを置いた途端に自分の家らしくなる気がします。
どれもが “わが家の仲間” という感覚で、家の中にあると安心します」
▲椅子も一気に揃えず、結婚以来少しずつ買い足していった。「古道具店などでいいなと思ったものを迎え入れていきました」
▲結婚前、夫と一緒に旅先の古道具店で見つけて気に入ったガラスの戸棚。「大学の研究室で使われていたものみたいです」
同じ家具でも、ずっと飽きずに使い続けられます
齋藤:
「引っ越すたびに置く場所はもちろん、中に入れるものを変えている家具もあります。
この家ではどうやって使おうか、と考えるのが好きなんです。昔の写真を見て、この家具を前はこんな使い方をしてたんだ、などと懐かしくなることも」
▲結婚した時から使っている本棚に、今は2人の子どもたちもそれぞれの好きなものを自由に飾っている。「昔の写真を見ると、本棚の上が全く違う風景で、時の経過を感じます」
2人暮らしから3人暮らし、そして4人暮らしに。時を重ねるにつれ、愛用の家具や道具にも家族の思い出が層のように重なって行きました。
齋藤:
「ずっと使っているダイニングテーブルにもコップの輪ジミができたり、天板の裏側に子どもが落書きしたり。そういう思い出が積み重なっていけばいくほど、愛着も増していっているような気がします。
自分が好きなものは昔から基本的には変わっていません。でも生活の変化に伴って新しい使い方や楽しみ方が加わり、好きという気持ちがより分厚くなったり、家族と “好き” を共有したり。そうやって枝葉が育っていくような感覚ですね」
齋藤:
「もちろん、いいと思って手に入れたものの結局あまり使わなかったものや、人が使っていて良さそうだったので買ったけれど自分には合っていなかった、といった失敗もたくさんあります。
でも失敗することで、自分の好きなのはこういうもの、とあらためて確認できることもある。そういう意味では失敗も悪いことじゃないのかも、と思っているんです」
賃貸の制約や、多忙な毎日。不自由を感じた時は?
結婚以来、ずっと賃貸暮らしを続けている齋藤。住まいを整える上で、制約や不便さを感じることはないのでしょうか。
齋藤:
「ここにもっと収納があったらいいのに、などと感じることは度々あります。
そんな時は棚やテーブル、かごなどを使って、ちょうどいい場所に収納を作ったり、家具の配置を変えてみたりと、自分なりに少しでも暮らしやすくするための工夫をしてきました。
今も季節やその時の暮らしによってちょこちょこ部屋の中を変えています。『今のベストはこれかな』などと、あれこれ考えながら整えるのも楽しいです」
齋藤:
「子どもたちがもっと小さい頃は、いかに暮らしをまわしていくかで精一杯で、住まいや自分の好きなものになかなか目が向きませんでした。何かを新しく買うという気も起きず、『今はいいや』が口癖になっていた気がします。
そんな中でも、かごの中身を入れ替えてみたり、テーブルの位置を少し変えたりはしていました。それが小さな気分転換になっていましたね。
齋藤:
「ここに引っ越してきた頃から子どもたちも前より手がかからなくなって、インテリアをもっと楽しみたいと思うように。
もちろん今もままならないことは色々あるけれど、その中でどうやって最大限心地よい状態にするか、楽しく考えていけたらと思います」
自分が「好き」と思える風景を少しずつ積み重ねて
ゆっくり、じっくり、住まいや暮らしを自分らしく整えてきた齋藤。その姿勢に共感しつつ、「自分らしさ」を見つけて形にしていくのは案外難しい気もします。
齋藤:
「私もまだ『これでいいのかな』と試行錯誤している途中。周りからどう見られるかが気になってしまうこともあります。
でも結局のところ一番楽しいのは、『このお皿が好きだから、毎朝パンをのせて食べる』とか『大好きな花瓶を置いているこの棚が好き』とか、自分にとってのうれしい風景が一つでも増えることなんじゃないかな、って思うんです」
▲最近、世田谷区羽根木のフラワーショップ「malta」で買ったという花瓶。「素敵な花瓶がほしいなとずっと思っていたんです」
齋藤:
「子どもたちが小さくて余裕がなかった頃も、棚の一角だけは自分の好きなものを置いたり、お気に入りのマグカップを使ったりして、少しでも好きな風景を作るようにしていました。
ものじゃなくても、『今日のこの夕焼けが最高』みたいなことでもいいのかも。そういう暮らしの中の風景が積み重なっていけば、大がかりなことをしなくても、毎日がより楽しくなるような気がします」
「住まいを心地よくする」と聞くと、家やインテリア全体を整えるというイメージが先行して、なんだか難しそうに感じていました。
でも今回、齋藤の話を聞いて思ったのは、まずは身の回りのものを見つめ直したい、ということ。
広い家でなくても、立派な家具がなくてもいい。時には工夫しながら自分がうれしいと思える風景、好きな風景を少しでも多く積み重ねていけば、住まいや暮らしは心地よくなっていくのかもしれません。
私が好きと思える風景ってなんだろう。それを探す行為もまた、毎日をもっと楽しくしてくれそうです。
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