【あの人のバッグ】つかの間のひとり時間を、心地よく過ごすためのマイバッグ

編集スタッフ 寿山

リップに手帳、お財布、ポーチ。名前をみるだけで心おどる、そんなアイテムたちが一堂にあつめられた「バッグの中身」には、そこかしこに 「その人らしさ」 が詰まっているのかもしれません。

特集「あの人のバッグ」は、気になるあの人のバッグやポーチの中身を、あれこれ聞いてみる連載シリーズ。

今回のバッグの持ち主は、金工作家としてカトラリーやトレイや食卓の道具など、おもに食にまつわる作品を作りながら、「カワチ製菓」という屋号でお菓子屋の活動もしている川地(かわち)あや香さんです。

 


ーバッグとその中身ー

気分転換のドライブを
快適に過ごすためのマイバッグ


左手前から時計まわりに
・あずま袋/自作
・ステンレスのナッツ入れ/found muji
・蜜蝋ラップ(おむすび入れ)/aco wrap
・ウォーターボトル(300ml)/KINTO
・ワイヤレスイヤホン/ブランド不明
・財布/COMME des GARCONS
・ハンカチ/Lino e Lina
・アルミ六角ボールペン/無印良品
・書類入れA5/ネーエ

川地さん:
「うちは田舎でほとんどが車移動の生活なので、バッグの中身=“ 車に持ち込むセット ”という感じです。

家も好きですが、買出しも兼ねたドライブが好きで、ひと仕事終えたお昼ごろに1人で気分転換に出かけます。パソコンやノート、ときに本をかばんに入れて車に乗り、町のカフェでコーヒーを飲みながら考え事することもしばしば。

どこでも食べられる玄米おにぎりやナッツなどのおやつも一緒に持ち出したりと、ドライブを快適に過ごすためのセットです」

川地さん:
「バッグは、洋服を作るときに半端に余った生地で作ったもの。色も各種あるので、その時の服に合わせてコーディネートを楽しんでいます。

財布は『COMME des GARCONS 』の CLASSIC PLAIN Lジップウォレットで、とてもシンプルなつくり。薄くコンパクトでカードも数枚しか入らないので、自然とカードやレシートは頻繁に整理するようになり、かれこれ15年ほど愛用しています」

▲チャックが壊れても付け替えて愛用中

川地さん
「書類入れのなかには無印良品のA5サイズのノートが入っていて、スケジュール帳・アイデア張・日記を兼ねた手帳がわりのノートとしてもう何年も使っています。

薄いので2〜3か月で使い切りますが、ずしっとした手帳を持ち歩くより、この薄さのノートを季節ごとに新しくしていく方が性に合っているようです。A5サイズは持ち歩くにもかさばらず、しかもアイディアを広げるにも小さすぎない大きさなので重宝しています」

 

自分に合う素材やサイズがわかってスッキリ

川地さん:
「血行や体の巡りをよくするためにも水をこまめに飲もうと、以前は500mlの水筒を持ち歩いていました。ただ、重いのでバッグの底の方にいたり、取り出すのが億劫で結局飲むのを忘れることもよくあって……。

300mlのウォーターボトルにしたら気軽に取り出せるし、残すことなく飲み切れるようになりました。

持ち手があって取り出しやすいですし、カラビナなどをつけてリュックやバッグの持ち手に吊るせば、こまめに水を飲もうと思えます」

▲蜜蝋からつくられたacowrap(アコラップ)を愛用中。蜜蝋チップと布とアイロンがあれば簡単に作ることもできるそう

川地さん:
「昼食がわりにおにぎりを持ち歩くことが多いのですが、ラップを使い捨てし過ぎていることが気になっていて。1年前から繰り返し使える蜜蝋ラップを使い始めたら、台所のゴミがぐっと減りました。

使用後はサッと洗うのですが、面倒なようで慣れてしまえばそうでもないですし、持ち歩ける「布の器」のような感覚もあって便利。野菜の切り口に巻いたり、食材が残ったお皿のフタとしても使えますし、最後は土に還るところも気に入っています」

 


ーポーチの中身ー

お守りのような
外出時の備えをつめこんで


左上から時計まわりに
・絆創膏入れ/無印良品
・頭痛薬
・耳栓
・つげの櫛/ブランド不明
・熊よけの鈴/モンベル
・リップクリーム/自作、ケースは無印良品
・小分けのヘアワックス/john masters organics
・蓮根生姜飴/オーサワ
・ワセリン入れ/mana.ORGANIC LIVING
・マイ塩/海の精

川地さん:
「ポーチの中身は、何かあった時のためのお守りのような備えのアイテムで、車に常備しています。

ケアアイテムはどれも、小分けの容器に入れ替えるのが好きです。こまめに洗えるし、中身もリフレッシュできていいなと思っています。

マイ塩は、例えば作ってきたおにぎりの塩気がちょっと弱すぎたな、というときに使います。ちょうどいいと感じる塩気も、体調や季節によって変わりますから。夏は家でとれたきゅうりを持ちだして、外出しながら塩をかけてスナックのように食べたりしてました」

 

お気に入りのアクセサリーは?

川地さん:
「アクセサリーはあまり日常的には身につけないのですが、仕事のときに髪の毛は必ず束ねるので、髪留めは毎日つけています。自作した真鍮のもので、同じく真鍮のマフラーピンやブローチもよく使っています。

その他に北海道の『スイノカゴ』オリジナルの白樺のブローチと、頂き物のシンプルな金のピアスをすることもあります。

私の場合このくらいシンプルなものが程よいアクセントになり使いやすいです」

 

普段づかいにぴったり!働き者の布バッグ

川地さん:
「布バッグを作るときは、綿の帆布や麻など、薄いけれど丈夫な生地を選び、パソコンを持ち歩けるよう大きめのサイズにします。

布ならガシガシと洗えるし、使いながらもうちょっと持ち手をしっかりさせるといいかなと直したりもできますから。働き者のバッグたちという感じで、普段づかいにちょうどいいです」

▲自分用と息子さんの服も作っている

***

川地さんらしさがそこかしこに垣間見えるバッグとポーチでした。

さて、次回はどなたのバッグが登場するのでしょう。お楽しみに。

「あの人のバッグ」
そのほかの記事はこちら

 

川地あや香

金工作家、兼お菓子作家。大学で金工を学んだあと、飲食店勤務を経て山形県へ移住。シンプルで温かみのある金工作品を制作しながら、時おり「カワチ製菓」として素朴なお菓子も制作している。2021年より古民家を改装、山暮らしの日々を発信中。著書に「おやつとスプーン」がある。kawachiayaka.com


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