【フィットする暮らし】第3話:物を手放すだけではない「断捨離」の方法
編集スタッフ 塩川
写真 木村文平
シリーズ「フィットする暮らしのつくり方」Vol.12は、イラストレーター&アートディレクターの兎村彩野(うさむら あやの)さんにお話を伺っています。
第2話での大反省会を経て、今のご主人に出会った兎村さん。まっさらになった状態から、二人の暮らしを作っていきます。
そしてこの家に引っ越してから、兎村さんは「断捨離」をはじめました。それはまず物事の本質を理解するところからスタートします。
第3話
物を手放すだけではない「断捨離」の方法
1話目でご紹介した「働きながら暮らす」を実践する兎村さんのご自宅は、すっきり整理整頓されています。
しかし、この部屋に引っ越す3年前までは「物があふれて床の見えない、映画のセットのような部屋で暮らしていた」と話します。そして一方ご主人は、物が少なくすっきりとした生活をしていました。
物が多いから探し物が見つからない。掃除をするのに手間取ってしまい、時間や心が消耗してしまう。そんな暮らしに兎村さんは「正直しんどいなあ」と感じていたそうです。
「嫌だったら辞めていいから、一回やってみたら?やってみたらわかると思うよ」とご主人の言葉を素直に受け入れ「断捨離」をはじめました。
断捨離は「欲ばり」を捨てるところから
兎村さん:
「わたしの考える断捨離って、まず欲ばりを捨てる事だと思うんです。それを目に見える形にするために、物を減らします。
最初の1年はとにかく苦痛でした。欲ばりは人間の本性のようなものだから、修行のような毎日で……、楽しいものではなかったです。
でも徐々に、衝動買いというものが無くなり、今ではいらないものは全く買わなくなりました」
物事の本質を考える。本当の「行動」とは、そういうことなのかもしれません。考えて動くことはいつしか体に馴染み、習慣へと変化していきました。
持つ量を決めて、カスタマイズ
兎村さん:
「わたしたちは物を全く持たない訳ではないんです。ですが、自分たちでルールをつくり、持つ量を決めました。
例えば食器は、この棚に入る分だけを持つようにしています。一個買ったら一個手放す。ずっと一定の量で暮らすようにしています。
食器棚は無印良品のユニットシェルフ。そしてお皿の高さに合うように、棚の仕切りをカスタマイズしています」
▲ホームセンターで木材を購入し、棚の高さを変えています。
仕事部屋にある棚も同様に、自分たちに合わせて仕切りを追加し、書類やデザインに使う紙の見本が整理整頓されていました。
必要な物の量を見極めて、収納をカスタマイズし収める。その姿は見ていて清々しさを感じます。
人生を楽しくする物は「例外」
リビングにあるレコード棚は、ご主人がほとんど釘を使わず作ったこだわりのものです。
断捨離の中にも例外があり、ご主人は「レコード」、兎村さんは「漫画」。お互いの毎日を楽しくする趣味の物は、手放しません。棚からあふれた物は、随時ご実家の倉庫に送っているそう。
いずれは漫画喫茶をやりたいと考えている兎村さんにとって、漫画はこれからの未来にも必要なモノ。
この家には今の暮らしに必要なモノだけがあり、選び抜いたお気に入りに囲まれているからこそ、心地よく過ごせるように思えました。
行動を変えると、意外に「人」は変われる!
「断捨離」をはじめて3年が経ち、兎村さんはどんな変化を感じとったのでしょうか。
兎村さん:
「最初の1年は、本当にどうしていいか分からないくらいパニックでした。今までと全く違う行動をするから、脳が混乱するんですよね。でも続けていくうちに行動に心がついてくるんです。
1年かけて行動を矯正して、2年目は自力でキープする。3年経ってようやく馴染んできたように思えます。心って曖昧なものだから、行動や環境を変えると考え方って意外と変わるんですよ。
今では何も考えなくても、いらない物は買ってきませんし、物が増えたら片付けて捨てることが身につきました。掃除がぐんと楽になり、時間にも余裕が生まれたなぁと実感しています。
そうやって自分で経験した事でないと、自分の言葉にならないんですよね」
今ではすっかり、兎村さんに「断捨離」が馴染んだようです。
人生の大反省会を経て自分自身を見つめ、まっさらな状態から3年で行動と考え方を変えました。
余計な価値観を手放したその姿は、とても身軽でフラットです。
兎村さんが今の暮らしを保つために、心がけている事は一体何でしょう?4話目ではその習慣について迫ります。
(つづく)
もくじ
TO2KAKU 兎村彩野
(イラストレーター&アートディレクター)
1980年東京生まれ、北海道育ち。高校在学中にプロのイラストレーターとして活動を開始し、17歳でフリーランスになる。現在は夫婦2人のデザインユニット TO2KAKU(http://to2kaku.com/)として、誰かの「作りたい」気持ちをカタチにしている。
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