【缶詰をめぐる冒険】第2話:旅行気分で!「ご当地缶詰」が美味おもしろい。
編集スタッフ 長谷川
昨日からの連載で「缶詰をめぐる冒険」をお届けしています。
とあるサービスエリアで出会った「衝撃のツナ缶」から僕の缶詰探求がスタート。パッケージが可愛かったり、高級食材を使っていたり、さまざまなバリエーションの缶詰を試してみました!
第2話のテーマは「家にいながら国内旅行!ご当地缶詰の実力とは?」。郷土料理や地元の名物を楽しめる缶詰を、さっそく開封していくとしましょう。
(※登場するアイテムは、スタッフが店舗またはインターネット通販で買ったものです。過去に購入したものを紹介しているため、現在手に入らないもの、パッケージの絵柄が変更になっている可能性もございます。どうぞご理解、ご了承いただけると幸いです)
もくじ
手に入るのは北陸3県だけ?只者じゃないたらの子。
金沢旅行をした時に、現地のおみやげ屋さんで発見したのがシンヤの「ふくら印 たらの子味付」。
真鱈の卵を、金沢の「大野」で作られた醤油をベースにしたタレで炊き上げた一品。
なんでも石川、福井、富山の北陸3県でしかほとんど販売されていないそうですから、金沢旅行のおみやげにもぴったり。
ふたを開けると、大きな「たらの子」がぎっしり! ひとつずつの粒がしっかり立っていて、散ってばらばらになるようなこともなく、堂々の存在感。
箸先でほぐして口へ運んでみると、甘辛い味わいがじわーっと広がります。噛むとつぶつぶとした食感も心地よい。ちょっと甘めの味付けで、白いご飯に載せてよし、お酒に合わせてよしと、ひと缶で大人も子どもも楽しめそうです。
缶のそこに残ったタレまでおいしく、まさに「一粒残らず」味わえる缶詰。
ここはやはり北陸の美酒を一緒におみやげとするプランでいかがでしょう。お酒好きな人から「またあのセットおねがい!」と頼まれること間違いなしのはず。僕も金沢旅行する人がいると聞けば、まちがいなくお願いすると思います。
フルーツじゃないほうです。青森のごちそう缶詰は海の香り。
青森県出身のバイヤー松田からすれば「あー、なつかしい!」のひと缶。知らない人からすると「え?ジャムじゃなくて?」となるひと缶。
それが青森県のみなみやが販売する「いちご煮」の缶詰です。
いちご煮は、青森県の太平洋沿岸の地域で上客に供されてきたというごちそう。ざっくりいえば、ウニとアワビが入った潮汁のこと。ウニが朝もやにかすむ “野いちご” に見えるところから名付けられたのだとか。
食べ方に「お吸い物として」とあったので、封を開けて鍋にうつしてみると、磯の香りがふわあああっと立ち上ってきました。
具材は「それほどのサイズは期待できないかなー」とか思っていたのですが、ひと口サイズにカットされたアワビに、うにもコロコロとしっかり入っていて、ぜいたく!
やはりスープに漬かっているだけあって、具材から旨味はいくらか溶け出していますが、食感はこりこり&とろりとしっかりあります。
潮汁はそのまま口にすると少し塩気が強かったので、お湯を注したらちょうどよくなりました。三つ葉やしそを散らせば、ごちそうのお吸い物になりそうです。
缶には「炊き込みご飯として」のオススメも。あぁ、それは間違いなく素晴らしいでしょうね……。名前の由来も含めて、食卓の話題になるひと缶です。
高校生の青春が詰まった、鹿児島のおいしい肉味噌。
『更生之素』を知ったのは、エッセイストの平松洋子さんの著書『ステーキを下町で』。いくつかの肉味噌を食べ比べ、平松さんたちからも大好評だった一品です。
ラベルに書いてある通り、鹿児島県立伊佐農林高校の生徒たちが手作りした豚味噌。原材料は「麦みそ、豚肉、三温糖、ショウガ」とシンプルなのも惹かれますね。
豚肉は、さすがの鹿児島「黒豚」を使用していますが、この黒豚も校内で飼育されたもの。麦みそも生徒たちが実習で作ったそうで、まさに彼らの「高校生活」までがぎゅーっと詰まった、青春のひと缶といえそうです。
そんな青春の味、早速いただきます。缶を開けてみると、豚の脂が固まってついていて、味噌に負けじと豚肉が「ここにいるぞ!」と主張しているかのようです。
混ぜあわせてひとさじ食べてみると、麦みその甘さとコクを豚肉の旨味がググッと後押しするようで、思わず「ごはん!ごはん持ってきて!」と言葉が出ちゃう。ゴロッとした豚ひき肉も嬉しく、爽やかに効いてくるのショウガもたまりません。
試食したスタッフからは「きゅうりとかの野菜にもつけたい」「このままお酒と、焼酎と合わせたい」など、数々と「こうしたい」リクエストが出てきていました。
ぷるぷる鶏皮のコクうま味噌煮が最高で今日は店じまいです。
試食するやいなや、「すみません、もう今日はこれでお酒をいただきたすぎるので先に上がらせてください」と僕が(心で)懇願してしまったのが、広島のヤマトフーズが作る「広島呉名物 鳥皮みそ煮」です。
なんでも広島県の呉市では、戦後から居酒屋の定番として鶏皮の味噌煮が「みそだき」という名前で親しまれているそう。
冷えると固まってしまうそうなので、湯煎であたためてからオープン!
箸を差し入れてみると、大きくてぷるぷるの鶏皮と出会いました。舌でとける……コクのある味噌がおいかけてくる……この口いっぱいの旨味を、どうしてくれましょうか……。
ご飯にのせても絶対においしいでしょうし、このまま焼酎あたりをぐいーといきたい。こぶりながらこんにゃくもコリコリと良いアクセント。控えめにピリッとくる唐辛子が次の箸を誘います。
白味噌、赤味噌、辛味噌をブレンドしているからでしょうか、とても奥行きのある味。僕の知っている「缶詰」を見事に上書きしてくれた、ぷるぷる、あまあま、こってり、おいしい!の一杯でした。
地元ならではの味は、懐かしさと新しさがいっぱい。
試食のあとで登場した県の出身者と話す機会があって、「あの缶詰、知ってます?」と会話のネタにもなりました。
懐かしいと思う人がいる一方で、新しいと感じる人もいる。その地元ならではの缶詰って、食への興味も深めてくれますし、まるで小さく旅行をしたような日常感を楽しめるなぁ、と嬉しい気持ちに。
今回の缶詰は、たまたま現地へ行った時や、その土地で営んでいるネットショップで見つけたものばかりです。旅先で見かけたら、お手にとってみてはいかがでしょう。あぁ、まだまだ潜むご当地缶詰に出会いたい!
さて、明日の「缶詰をめぐる冒険」は、「いつもより値段の高い缶詰=ごちそう缶詰の実力はいかに」を試してみます。
(つづく)
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