【衣替えのコツ】第1話:今が「整理整頓」のチャンス!クローゼットの中身を見直そう。
衣替えのタイミングで、持っている洋服の見直し、整理がしたい。そんなときの断捨離の方法を無印良品やIKEA(イケア)の商品を使った整理収納を紹介して話題の、住空間収納プランナー・整理収納アドバイザーの梶ヶ谷陽子さんに、衣類をすっきり整理収納するコツを聞きました。いらなくなった服が捨てられないとき、リサイクルショップやチャリティーに出すアイデアから、目からウロコの服を手放す判断基準の方法などをお届けします。捨てるのが苦手!という方もきっと楽になる整頓のポイントがたくさんありますよ。
編集スタッフ 二本柳
写真 清永洋
衣替えシーズンがやって来ました!
9月も下旬になり、朝晩はすっかり肌寒くなってきました。
まだ夏仕様だったクローゼットも、そろそろニットや長袖に衣替えをしなくっちゃ。そんな頃合いですね。
……でも衣替えって、正直めんどう。家族の分もとなると時間もかかり、ヨイショ!と持ち上げる腰の、なんて重いこと。
本日からはじまる特集では、そんな衣替えが少しでもラクになるように、改めて手順を教わりながら 「衣替えのコツ」 を全4話にわたりご紹介していきます。
訪ねたのは、整理収納アドバイザー・梶ヶ谷陽子さんのご自宅です。
今回、わたし二本柳が訪ねたのは、整理収納アドバイザーの梶ヶ谷陽子(かじがや ようこ)さんのご自宅です。
8歳の長女と3歳の長男を育てながら、著書 『無印良品の整理収納』、『子どもがいてもできるシンプルな暮らし』 などを執筆。昔から大好きだったという、掃除・片付け・整理・収納のことを綴ったブログ「整理収納レシピ。」も話題を呼んでいます。
そんな梶ヶ谷さんのご自宅は、隅々まで片付いて、料理をするにも掃除をするにも、とても使い勝手のよさそうな空間でした。
でも本人いわく 「すっごく大雑把で面倒くさがりやな性格なんです」 とのこと。
仕事柄どうしても几帳面に思われがちだそうですが、たとえば家にゴミがないのは、ティッシュケースのすぐ隣にゴミ箱を置いているから。どこにも埃がたまっていないのは、「コロコロ+ハンディモップ+ティッシュ」 の3セットを部屋の数だけ常備しているから。これなら夫や子供も、気づいたときに掃除をしてくれます。
梶ヶ谷家が片付いているのは、「大雑把な私でもできる」 という仕組みがあるからなのでした。
そんな梶ヶ谷さん、衣替えもやっぱり “かんたん・ラク” が最優先。だからここに詰まっているアイデアも、誰だって真似できそうなものばかりでした。
それでは、さっそく衣替えの手順からまいりましょう!
収納に取りかかる前に……
衣替えは「整理」をするチャンス?
梶ヶ谷さん:
「我が家では『冬から春』と『夏から秋』、2度のシーズンの変わり目に、必ず持ちものの整理をしています。
クローゼットの中身をすべて取り出して、手放すものを見極める。ちょっと面倒かもしれませんが、これをすることで、自分が管理できる服の量を守ることができるんです。
まさしく今は季節の変わり目なので、『整理』をする絶好のチャンスですよ」
なるほど! 衣替え最初のステップは、服を手放す、つまり断捨離ということですね。
でも正直に言います。断捨離ができればクローゼットはきれいになるはずですが、この行為がどうも苦手なんです。どうしたら良いでしょう?
断捨離ってどうも苦手。
「いらない」=「捨てる」の考えを忘れてみよう!
梶ヶ谷さん:
「いつも皆さんにお伝えしているのが、『いらない』 = 『捨てる』 ではないということなんです。
服を手放すハードルが上がるのは 『捨てる』 が前提になっているときではないでしょうか?」
(はい! そうかもしれません! と頷きまくる私)
梶ヶ谷さん:
「私も服を捨てるのは苦手です。
だから我が家は、 『OFF HOUSE』 や 『トレジャーファクトリー』 といったリサイクルショップや、近所の 『丸井』 で下取りチャリティーに出しています」
△今年の衣替えで手放すことになった子供服。この後チャリティーに出したそうです。
梶ヶ谷さん:
「着ていない、ということが洋服にとっても1番ざんねん。それならもっと喜んで着てくれる人のもとへ手渡した方が気持ちも良いですよね。
『モノが旅する整理収納』 と考えれば気持ちもラクですし、テンションの下がるような服がクローゼットにそのまま……なんて事態も防げます。
最近、子供の衣類を整理したばかりなのですが、彼らも整理収納 = チャリティーだと思ってくれていて、『捨てる』 とは言わないんです。それも嬉しいなって」
服を手放すときの判断基準。
△整理した後の服に合わせて、靴の整理をするのも大切だとか。
断捨離の苦手意識をクリアした次に知りたいこと。それは、手放すときの判断基準でした。
梶ヶ谷さんは、どのように 「手元に残すかどうか」 を決めているのでしょうか?
梶ヶ谷さん:
「まず1番シンプルなのは、子供服の場合ですね。
子供の場合はすぐにサイズアウトしてしまうので、服のサイクルは本当に早い。手放さざるを得ない、というパターンです。
このスカートも娘がすごく気に入っていたのですが、あっという間にパンツが見えるようになっちゃって(笑)こういう場合は潔く他のだれかへ譲ります」
梶ヶ谷さん:
「問題は、大人の服を整理するとき。
サイズはそう大きく変わらないし、穴があいたり破れることもほとんど無いので、なかなか手放しがたいんですよね。
でも、大人だって好みは日々変わるものです。私は、その時々の自分に似合う服を着るのがイチバンだと思っていて。どんなに昔は気に入っていても、今の気分に合わない服を着て外に出かけたくないですよね。
だから、『ここ1年で着たのかどうか?』 をひとつの判断基準にしています。
二本柳さんのクローゼットにも着ないまま眠っている洋服はありませんか?」
そう言われ、最近着ていないけれど手放せない……そんな衣類を私も持ってきてみました。
梶ヶ谷さん:
「ありがとうございます! そうしたら、次は、この服たちだけでコーディネートしてみてください」
今シーズン着なかった服でコーディネートしてみたら……
こうして出来上がったのが、じゃじゃん! 上の写真です。
昔の自分をさらけ出すような恥ずかしさを覚悟で、コーディネートしてみました。
梶ヶ谷さん:
「さて、二本柳さん。ここで考えたいのが 『自分はこのコーディネートで外出したいかどうか?』 です。
答えがNOなら手放しどき。まだワクワクするなら手元に残す。
値段が高かったかどうか、状態が良いかどうか、流行っているかどうか……。そういうことは関係なしに、自分のテンションが上がる服かどうかが何より大切だと思うんです」
△頷くことばかりで、かなり真剣にメモメモ……
ちなみに私の場合は、上のコーディネートを見て 「手放す」 ことに決めました。
とっても気に入っていたから「いつか着るかも」と思っていたものですが、最近は短いスカートもあまり履かないし、首がつまったシャツが窮屈に感じるようになってきた。
一度クローゼットから出して組み合せをしてみると、最近めっきり着なくなった理由まで見えてきました。
梶ヶ谷さん:
「今シーズン着なかったものは、来シーズンも着ない。そう割り切るのが大切かなって思います。かといって捨てるわけではないので、あくまで 『もっと似合う人へ旅に出す』 という感覚ですね。
これを衣替えの度にできれば、クローゼットの中身は全部把握できて、本当にお気に入りの服しかないという状態になります。その方が朝もウキウキしますよ!」
さて、次回のステップは、整理した服の収納について。
梶ヶ谷さんが愛用する収納用品をご紹介いただきました。
(つづく)
もくじ
梶ヶ谷陽子(かじがや ようこ)
Bloom Your Smile代表。夫と長女(8歳)、長男(3歳)の4人暮らし。2013年の2人目出産を機に、整理収納アドバイザーとしての活動を本格的に行い、Amebaブログ「整理収納レシピ。」も多くの支持を集めている。著書に『無印良品の整理収納』(マイナビ出版)など。10月には『忙しい人のための家事をラクにする収納』(エクスナレッジ)が発売される。http://ameblo.jp/yoko-bys/
▽梶ヶ谷陽子さんの著書はこちら。
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