【ドライフラワーを愉しむ】第1話:一枝のユーカリで簡単ドライフラワー、プロに教わる基本の作り方
編集スタッフ 田中
ちゃんとしたドライフラワーの作り方、知らないかも…….
お花やグリーンを飾るのが大好きな私たち。室内で四季を感じられ、インテリアの中で直線的でない柔らかさを生みますよね。
よく店長佐藤も自身のインスタグラムで花を飾った様子をアップしています。なかでも、ひときわ好きなのがドライフラワー。紫陽花やユーカリなどを束にして吊るしているようですが、じつは佐藤によるとちゃんとした作り方は知らず自己流だったとのこと。
▲お客様から質問をいただくこともあった佐藤家のドライフラワー(左上)
「乾かして吊るすだけ?でも時折パラパラと崩れちゃうし、処分の時期もわからない……」と、いまいち分からないままにドライにしていたな〜というのが本当のところ。
春を感じるミモザのリースもいつか挑戦したい!それならば聞いてみようと、この企画が実現しました。全3話で、ドライフラワーの作り方や長持ちさせるコツ、おすすめの飾り方などをお届けします。
花生師・岡本典子さんに教わるドライフラワーの愉しみ方
今回、ドライフラワーの作り方を教わったのは、花生師(はないけし)の岡本典子(おかもと のりこ)さん。
岡本さんは現在TVや雑誌、広告などの撮影を中心に、店舗を花でスタイリングしたり、イベントへ出店したりとご活躍されています。以前当店のリトルプレスにもご登場いただいたこともあるんですよ。
大学で園芸を学んだあと、イギリスへ留学され、花にどっぷりとつかった暮らしを堪能した岡本さん。その豊富な経験と、持ち前の好奇心、そして花を愛でる心があふれた、笑い声とおしゃべりの絶えない楽しい取材となりました。
第1話は基本のドライフラワー作りを教わります!
一枝のユーカリで、基本のドライフラワー作り
まず基本の作り方として、ユーカリが一枝あればできるドライフラワーにチャレンジしました。簡単だけど、基本のポイントがぎゅっと詰まっていましたよ。
材料
・ユーカリ 1本(小枝が5〜7本ついているもの)
・花ばさみ
・輪ゴム 1つ
・麻ひも 1mくらい
作り方
[1] 小枝を一番太い茎から切り離していく。
[2] 小枝を揃えて端のほうを輪ゴムで留める。
[3] 麻ひもの先に輪をつくり、枝のなかに少し隠してから輪ゴムの上に巻く。
[4] 風通しがよく、湿気の少ない場所に吊るして2、3週間で出来上がり。
あっという間に、出来上がりました!まずは、一枝あればいいというのもチャレンジしやすいですよね。
この工程のなかで、重要なポイントが4つあります。ここを押さえれば、ドライフラワー作りの基本はマスターできますよ。
ドライフラワー作り 4つのポイント
POINT 01.
ドライフラワーに向いている花は?
ドライになる、ならないの見極めはむずかしいようです。岡本さんは「選ぶなら、水分が少なく乾きやすい、丈夫な茎」のものだと言います。
逆に避けたいのは、水分の多い茎をもつもの。具体例を出してくださいました。
岡本さん:
「チューリップみたいにぷっくりした茎で、まるでマヨネーズをつけて食べたくなっちゃうような、そういう茎の花はドライにしにくいですね」
たしかに吊るしてある花も、細くてしっかりした茎のものが多いです。ミモザやバラ、紫陽花(一部太い茎のものもあります)などは良いそうですよ。
POINT 02.
つくる前に、一番いきいきした状態へ!
▲ユーカリをドライにする前もしっかり水を吸わせています。
ドライフラワーにする前に、少し生花で楽しんでからと私は考えていたのですが、岡本さんに聞くとあまりおすすめではないようでした。
岡本さん:
「一番いきいきした状態のところからドライにしてあげると、色の出方もいいし長持ちするんです。だから、頭が垂れていたり、花や茎がふにゃふにゃとしていたら、水をしっかりと吸わせてからがおすすめ。
花が開ききっていたりすると、ドライフラワーにしたときに形がきれいじゃなくなってしまうんですよね」
基本的にお花屋さんで水あげはしてくれていますが、元気がなければ、新聞紙で花をきつめに巻いて、深めのバケツか花瓶にたっぷりと水をいれ、新聞紙ごと浸すようにしてしばらく置きます。そうすると、ピンっと元気を取り戻してくれるのだとか。
POINT 03.
花屋さん流、輪ゴムの留め方
作り方の[2]にある、輪ゴムで留める過程。ドライになる途中で、水分が抜けて茎が細くなってしまうため、麻ひもだけだけとするりと抜けてしまうことがあるから大事なポイントです。
だからこそ、花屋さん流の輪ゴムの留め方でしっかりと。まずは上の写真のように、一つの枝に輪ゴムをひっかけます。そのあと輪をつくるのでなく、束全体にぐるぐると巻きつけていくんです。(次の写真をご覧ください)
最後は、次の写真を参考に、どれか一つの枝にひっかけて出来上がり。しっかりと固定できるプロの技ですよ!
POINT 04.
風通しがよく・湿気が少ない場所へ吊るす
生花からドライフラワーにするときの場所、よく言われるのは風通しのいい場所ですよね。それに加えて、直射日光のあたらないところ、そして何より大事なのは衝撃に弱いドライフラワーを守れる場所に置くことが大切だそう。
家族がよく通るところや、開閉の多いドアのそば、頭や肩が当たりやすい高さの場所は向きません。岡本さんのお宅では、大人の頭上にあっても当たりにくいところに吊るしてありましたよ。
また、速く乾いてほしい!という方は気になるであろうシリカゲル(乾燥剤)でのドライフラワー作りのことも聞いてみました。
岡本さん:
「いろいろ試したけれど、シリカゲルだと瓶などに密封しないといけないから、小さめの花に限られるし、ドライになったあと瓶から取り出すと退色がはやくて。
それが残念で、自然に時間をかけてドライフラワーにしたほうがいいなと思うようになりました」
ドライになる過程を眺めるのも好きだという岡本さんらしい花の愛で方です。
今日は、ユーカリを一枝つかって、ドライフラワー作りの基本を教わりました。とっても簡単で、トライしやすそうでしたね。
また、4つのポイントには、お花の基本も詰まっていて、勉強になりました。ちなみに輪ゴムの巻き方は私にとって初めて知ったことだったので、すぐに家で実践。これでユーカリをきりっと結ぶコツを得ました。
次回は、春になると飾りたくなるミモザをつかったリースの作り方です!お楽しみに。
(つづく)
【写真】
松元絵里子
2枚目:クラシコム
もくじ
岡本 典子(花生師)
Tiny N 主宰。花生師(はないけし)。TV・雑誌・広告・展示会・店舗の空間スタイリングなどを手がける。大学では園芸学部に進み、寮生活のなかで花の世界に夢中となり、短大卒業後にイギリスへ留学する。花屋で働きながら、国家技能レベルの資格を取得し、帰国。現在は世田谷にアトリエを構え、撮影やワークショップ、展示や生け込み等の仕事を一人で行う。HP:http://www.tinynflower.com/ インスタグラム:@hanaikeshi
▽岡本さんの著書
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