【BRAND NOTE】前編:「親子のいい時間」の作り方って?マキさんに聞く、余裕と時間をつくる工夫
ライター 長谷川賢人
かけがえのないもの。たとえば、親子で笑いあう時間。
ちらり、時計を見て、ため息をつく。わたしたちと時間のお付き合いは、どうにもすれちがいが多いようです。
なにかと日々は忙しく、仕事と育児をかけもてば、それだけ時間も減っていく。限りある中で、どうすれば心にゆとりをもって時間を使えるようになるのだろう。
そんな「時間」について、あらためて考えるきっかけをくれたのは、今回のBRAND NOTEでご一緒することになった日本コカ・コーラの親子向け飲料『Qoo』でした。
▲新製品の「Qoo ごくごくミネラル」
1999年に生まれた『Qoo』が大切に考えているのは、「親子のいい時間飲料」でありたい、という想いです。
親子が一緒にすごせる夜や週末の時間を、より良いものにするために寄り添いたい。その気持ちから、成分や味わいを見直しながら、自らも子育て中の社員が中心となって、マーケティングをされているのだそう。
けれど、と、思うのです。そもそも「親子のいい時間」って? それに、「そんな時間がなかなか持てない……」という悩みも、よく耳にします。
そこでまずは「いい時間」の考え方や、親子で過ごす時間をどのようにつくれば良いか? といったところから考えてみることにしました。
(この記事は、クライアント企業さまのご依頼で制作する「BRAND NOTE」という記事広告コンテンツです)
毎日17時から「お母さん」になる。マキさん宅を訪ねました。
ブログ「エコナセイカツ」をはじめ、シンプルな暮らし方から生まれた著書『母から子に伝えたい 持たない四季の暮らし』(大和書房)などを持つマキさん。現在は広告会社で働きながら、9歳と4歳の娘たちを育てています。
マキさんのご自宅を訪ねると、窓から光がたくさん入り込む、抜けのよいリビングルーム。さっぱりした雰囲気の中で、お子さんが元気にわたしたちを迎えてくれました。
今でこそブログなどで多くの気づきを共有してくれるマキさんも、めまぐるしい日々の中で、仕事と育児のバランスを難しく感じることもあったと言います。
マキさん:
「長女が生まれた頃は家に仕事を持ち帰ることもあったのが、仕事中に子どもが寄ってくるとイラッとしてしまったり……でも、子どもは何も悪くないですよね。私もストレスを抱えてしまうので、次女からはキッチリと時間を分けるようにしました」
まずは会社と交渉し、時短勤務を願い出たそう。大切なのは「毎日、必ず17時からお母さんになる」と決めること。夕方から子どもと一緒にいられるように、「残業せずに限られた時間でやるべきことをする」と意識して働いています。
マキさん:
「子育ての気づきは、ブログや本にいろいろ書いているのですが、読者さんからも効果があったと言われるのが『子どもの声かけにすぐ反応する』こと。
子どもには『一瞬だけ気を引きたかった』みたいな気持ちがあるみたい。それを 『時間がないから』 とスルーせずに、その場その場で汲んであげると、すぐに満足してくれることが多いように思うんです」
たしかに、お話をうかがう最中にも、このシーンをたびたび目にしました。『ママこれ開けて〜』『ママ、こっち見て!』そんな声かけに、マキさんは瞬時に反応。すると子どもたちも満足して、またすぐ自分たちの遊びに戻っていきます。
マキさん:
「親子のいい時間って、長さよりも、お互いの心が満たされればいいのかな、と思っていて。
たとえば、作業しながら話を聞くのではなくて、ちゃんと手をとめて、目を見てあげる。その一瞬、一瞬が、豊かな『いい時間』なんですよね」
「親子の時間」で渡してあげたい、暮らしの記憶。
お互いが満たされる「いい時間」に加えて、マキさんが心がけているのは、モノより「キオク」をあげること。たとえば、子どもの作品や気に入っているおもちゃは、時を見て整理します。
マキさん:
「子どもが残されて嬉しいのは、やったことや遊んだことだと思うんです。だから、わたしは生きる技術や知恵を、親子の時間を使ってわたすことを意識しています」
たとえば味噌をつくったり、梅を漬けたり。そんなときに子どもたちが近づいてきたら、それはチャンス。
マキさん:
「梅干し用の梅って、桃みたいな芳醇な香りがするんです!その香りだけでも感じておいてもらいたい。うっすらした記憶だけでも、将来につながってくると思うから」
そう話すマキさんは、子どもの頃、お母さんがほうきで畳を掃いたり、雑巾で床を磨いたり姿を見ていたとか。だからこそ、自分も同じような所作を自然と身につけたと振り返ります。
自然とからだが動くための、発想やきっかけを残してあげる。言い換えれば、「暮らしの仕方」を引き継ぐ、ということでしょう。
子どもたちが寄ってくるためには「何事も楽しそうにやる」のがコツだそう。
マキさん:
「鼻歌まじりくらいがうまくいきます。職場で、切羽詰まっている様子の上司には相談しづらいですよね? 大人も子どもも、察する能力は同じですから。『ママに話しかけていい』と察してもらえる余裕をつくっておくのも仕事かなと思うんです。
だからこそ、日々のスケジュールもパツパツにしないで、6割ほどに留めます。牛乳をこぼした!とか緊急対応できるための余裕をもっておきたいんですね。忙しそうなふりをしないようにしています」
その余裕って、どうすれば持てるのでしょうか。マキさんが暮らし方を大きく変えたのは、次女を生んだ4年前でした。
マキさんに聞きました!
余裕と時間をつくる工夫って?
平日は「やるべきこと」以外やらない。
▲ズボンの横にある布は、コーヒーフィルター用のネル生地。おいしく淹れられ、繰り返し使えてエコ&節約になるから、時間を見つけて手作り。
子どものズボンに穴が空いていた……帽子のゴムが伸びてしまっている……など、ふしぎなほどに増えていく「やるべきこと」。
でも、マキさんは「あえて見て見ぬふり」を薦めてくれました。
ズボンの穴を発見してしまっても「じゃあ、縫っちゃおう」とはしない。 ひとまず置いておき、土曜日や日曜日を活用して、まとめて片付けるのです。
平日は「やるべきこと」をルーティンのように決めて、それしかやらない。そうすれば、いつも就寝時間も同じくらいのタイミングに。日々のリズムを大きく変えないのは、スケジュールが詰まってしまうのを防ぐための初手といえそうです。
家の中にフリースペースをつくる。
マキさん宅の玄関脇には、お腹の高さくらいの棚が並んでいます。これだけ広い天板があれば色々と飾りたくなりそうですが、あえてフリースペースとして空けておき、モノの「とりあえず置き」として活用。
取り込んだ洗濯モノや、出かける前に持っていくものを置いておきます。
みんなが何回も通るところに置くことで、「やるべきこと」を忘れないようになるのだとか。そして、モノを置けるのもここだけと限るから、散らかりにくい効果も。
このスペースを就寝前までにきれいにできれば、その日の仕事はおしまい。言うなれば、目に見えるかたちでタスク管理をしているともいえるでしょう。
「だけ野菜」で料理をラクにする。
食卓を助ける常備菜を、マキさんは「常に準備してある野菜」とイメージしています。
味をつける一歩手前の「切っておくだけ、洗っておくだけ、茹でておくだけ」の野菜たちが、せわしないときこそ活躍します。
「ほら、部活でもボール拾いがいちばん面倒じゃないですか(笑)。それだけをまとめてやっておく感覚ですね」とマキさん。
鶏肉もビニール袋で下味を付けておけば、あとは焼くだけ。あらかじめ「だけ」を貯めておけば、ちょっとした添え物や栄養のプラスもしやすく、自分や子どものためにもなって嬉しいことづくめです。
30秒のロスを減らせば、余裕がうまれる。
「わたしは、たぶん、30秒の積み重ねが人より多いんだと思います」
メイクパレットの中に、チークやファンデーション、アイブローをまとめて入れてしまえば、開け閉めする時間やポーチの中で探す手間が省ける。
洋服を色違いの同じかたちにしぼれば選ぶのに迷わない上に、洗濯後の干し方まで同じだから効率的。
菜箸も一組だけと決めていれば、探さずにすぐ手に取れる……。
いきなり5分の短縮を考えるのではなく、日々の中で「ロスしている30秒」を10個減らすだけで300秒=5分間が生まれます。一息ついて、お茶を飲むにはじゅうぶんな時間です。
「根本的な見直しも大事だけれど、習慣的なロスをいかに減らすかを考えています。結果的にプチストレスが減って、子どもにまわせる時間も増えますから」
なぜ、マキさんはいつも心に余裕があるように見えるのか。そのほんとうのところを捉えた言葉でした。
明日公開の後編にもマキさんにご登場いただき、親子のために作られた新製品『Qoo ごくごくミネラル』を飲んだ感想をお聞きしました。
そして、自らも小学4年生の息子さんを育てながら『Qoo』の仕事をする、日本コカ・コーラの原みのりさんにもお話を伺いました。
「親子のいい時間飲料だからこそ、つくる人も、売る人も、飲む人も、みんながハッピーになると嬉しい」と話す原みのりさん。
そこにはマーケティングチームの「親だからこその視点」が、たくさん込められていました。
(つづく)
【写真】木村文平
もくじ
マキ
東京都在住。2人の娘と夫の4人で暮らす。子育てをしながら一方では広告代理店での勤務を続け、忙しい生活のなかにどうしたら「ゆとり」を持てるか?ということを考え、実践するその暮らしぶりは、人気ブログ『エコナセイカツ』で見ることができる。(http://econaseikatsu.hatenadiary.com/)
ライター 長谷川賢人
1986年生まれの編集者、ライター、スピーカー。
▼マキさんの著書はこちら。
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