【35歳の仕事論】第5話:モノから旅へ。「好きなこと」を届ける仕事(BEAMS鈴木修司さん×編集マネージャー津田)

ライター 小野民

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「あの人」の仕事が、生き生きと輝いて見えるのは、どうしてなんだろう。かつて自分と同じ歳だった頃、「あの人」は何を考え、どんなふうに働いていたんだろう。

転職のラストチャンスなんて言葉もささやかれる、35歳という節目。その年齢を目前にしたスタッフ津田が、人生の先輩に会いに行くシリーズ「35歳の仕事論」をお届けしています。BEAMSの鈴木修司さんのお話は、最終回。今後についてうかがってみました。

 

40代になった鈴木さん。これからやっていきたいことは?

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津田: 最後に、現在のお仕事、BEAMS JAPANについて教えてください。確かオープンは昨年2016年ですね。

鈴木さん: 39歳のときにBEAMS JAPANの立ち上げ準備のメンバーになりました。

僕、BEAMSと同い年で。40歳のときにBEAMS 40周年を機に「BEAMS JAPAN」が新たにオープンしたんです。これからのBEAMSを支える新しいお店をつくるという使命を与えられて、1年以上を準備に費やしました。

BEAMS JAPANでは、季節感をすごく大切にしています。年中行事などに絡めて、季節に沿ったものをきちんと売る作戦を立てていて。今までのファッション業界では、日本の四季に即した年中行事を意識した売り方ってなかったと思うんです。

4月には入学のお祝いに最適なものを取り揃えたり、新生活を応援できるようなものを準備したり。

年末は縁起のよさそうなものを集めましたし、夏は涼を感じるようなラインナップにしたい。暮らしの実感が伴った提案を、今後しっかりやっていきたいです。

津田: 季節が変わるごとにお店に行きたくなりますね。

鈴木さん: そうなんです。プレゼントを選ぼうとしたとき、たとえば時期にぴったりなものは何か考えて、「あ、BEAMS JAPANに行ってみよう」と思ってもらえるように、変化を持たせたいんです。

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津田: 最後に、現在40歳の鈴木さんが、これから仕事でやりたいと思っていることをお聞きしていいですか?

鈴木さん: 僕、旅がすごく好きなんですよ。ちょうど、4月にリリースしたばかりですが、JTBと共同で日本をもっと楽しく元気にするプロジェクト「JTBeams」がスタートしました。

ものだけでなく、体験や文化をBEAMSで取り扱っていきたいというのが、これからの目標ですね。

ただ、最近ちょっとバタバタしてちょっと受身が多い(笑)。勝手をやって怒られていた頃のように、攻めていかなくちゃと反省しているところです。

 


 鈴木さんにお会いして。


 

スタッフ津田「32歳だって “がむしゃら” でいい。まだまだ、不安も迷いもあるのだから」

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会社員だから。予算がつかないから。自分にはまだスキルが足りないから。

今まで何度、そうやって自分に言い訳してきたことだろうか。

ルールやしがらみにとらわれない鈴木さんの働き方は、私の目にはキラキラとまぶしく、正直に告白すれば、ちょっとうらやましくもあった。

インタビューの終わりに、もしも今、35歳の自分に何かを伝えられるならば、どんな言葉をかけたいかを尋ねた。

しばらく考えた末、鈴木さんは「もっと自信を持て、と言いたいです」と。

……これには、軽く衝撃を受けた。

でも考えてみたら、そうなのかもしれない。活躍するいまの鈴木さんを知っていれば、30代前半の悩みや迷い、そのすべてが「経験値」だったのだと思える。しかし、その渦中にいた身では、内心は不安だらけだったのも事実ではなかろうか。

「がむしゃらさ」は、20代の特権ではない。

32歳の私にも、将来40代や50代になった自分にも、きっと新しいことをはじめる権利はある。

大事なのは「その次」だ。うまくいったら、どう続けていくか、どう次の世代に引き継いでいくか。うまくいかなくても、どう頑張るか、あるいは逆に、どう手を引くか。そこまで描けるようになったら、仕事はもっと「自分のもの」になるような気がした。

クラシコムに転職して5年目。わたしの仕事も、ここからもっともっと、楽しいものになっていくかもしれない。そんな未来が頭に浮かび、足取りが軽くなった帰り道だった。

スタッフ津田

(おわり)

【写真】鈴木静華

 


もくじ

 

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鈴木修司(すずき しゅうじ)

1976年、三重県松阪市生まれ。1998年「BEAMS」に入社。メンズ重衣料からメンズカジュアルを担当後、fennicaの前身であるBEAMS MODERN LIVINGの店舗スタッフに。その後fennica、B:MING LIFE STOREのMDを経て、昨年新たにオープンしたBEAMS JAPANに立ち上げから関わる。2005年、民藝の名店「もやい工藝」のオーナーである久野恵一氏との出会いにより、より深く濃く日本の伝統的な手仕事に傾倒し、民藝品をはじめとして生活雑貨の目利きとして活躍している。

 

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ライター 小野民(おの たみ)

編集者、ライター。大学卒業後、出版社にて農山村を行脚する営業ののち、編集業務に携わる。2012年よりフリーランスになり、主に離島・地方・食・農業などの分野で、雑誌や書籍の編集・執筆を行う。現在、夫、子、猫3匹と山梨県在住。


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