【BRAND NOTE】前編:朝食の名脇役「だけ」じゃない? 私たちの知らない、ヨーグルトの魅力
ライター 小野民
朝食の名脇役「ヨーグルト」には、まだまだ私たちの知らない魅力がありました
「冷蔵庫に切らしてはいけないもの」のひとつに、ヨーグルトをあげる人も多いのではないでしょうか?
私もまさにそんなひとり。わが家の2歳の娘の好物でもあり、彼女はスーパーで青と白のあのパッケージを見つけると、ぐいぐいと売り場へ吸い寄せられていきます。
今回BRAND NOTEでご一緒する「明治ブルガリアヨーグルト」は、1973年に登場したロングセラー。日本人になじみの薄かったプレーンヨーグルトを広めた立役者でもあります。
すでに、私たちの生活にすっかり浸透した「ヨーグルトを食べること」ですが、明治ブルガリアヨーグルトには、次の目標があるのだと、お取り組みのはじめにうかがいました。
「ヨーグルトは味噌や、醤油のようになりたいんです」
ヨーグルトが味噌や醤油に? あまりにかけ離れた気がして最初は驚きました。けれどもお話を聞くと、商品名にもなっている本場ブルガリアでは、ヨーグルトは料理にも使われ、まさに日本人にとっての味噌や醤油のような存在だそう。
ヨーグルトの知られざる魅力と、食材としてのポテンシャルに興味を持った私たちは、明治のマーケティング担当の方を訪ねることに。明治ブルガリアヨーグルトのことや、本場ブルガリアでの食べ方について、うかがいました。
(この記事は、クライアント企業さまのご依頼で制作する「BRAND NOTE」という記事広告コンテンツです)
「おいしい」を広めたい。40年以上愛される、明治ブルガリアヨーグルト誕生物語
明治の本社を訪ねると、商品のマーケティングを担当する相澤雄馬(あいざわ ゆうま)さんが迎えてくれました。
颯爽と現れた相澤さんは鮮やかな青のスーツ。「もしかして、そのスーツは…」と聞いてみると、「もちろん、明治ブルガリアヨーグルトのイメージカラーです!」と満面の笑みで答えてくださいました。
▲相澤さん。子供の頃からヨーグルトが大好きで、今の夢は「おつまみになるヨーグルトをつくること」だそう
相澤さん:
「明治ブルガリアヨーグルトの歴史は古くて、大阪万博のブルガリア館で、弊社の社員がプレーンヨーグルトを食べて感銘を受けたのがきっかけです。
『これが本当のヨーグルトだ、日本に広めたい』と商品開発が始まりました。
1971年に商品化したのですが、そのときは『明治プレーンヨーグルト』という商品名でした。ブルガリアの人々が大切にしているヨーグルトだけに、『ブルガリア』という国名を使っていいという許可がなかなか下りなくて。
その後も大使館にかけあい、2年後の1973年に『明治ブルガリアヨーグルト』として生まれ変わることができたんです」
ロングセラーを支える、変わるもの、変わらないもの
明治ブルガリアヨーグルトは、今もブルガリア本国から定期的に乳酸菌を送ってもらい、作られています。
ブルガリアの乳酸菌を使い、その名を名乗れるのは1国で1企業と決められているそう。その責任を胸に、パッケージにもある「ヨーグルトの正統」を守り続けているのが、明治ブルガリアヨーグルトなのです。
変わらぬ伝統を大切にする一方で、味わいやパッケージなど「あえて変えてきた」こともあるそう。その両方が大切だと相澤さんは話します。
相澤さん:
「もともとの明治ブルガリアヨーグルトは酸味の強い味でしたが、これまでに乳酸菌を何度か変えて、本物の味わいを守りながらも、お客様が食べやすい味を追求してきました。
容器のかたちが変わったことも大きな変化のひとつ。発売当初は、500mlの牛乳パックに入れていたのが、1981年に今のかたちになりました。
底の角を丸くして最後まですくいやすくしたり、蓋を何度も開け閉めできるようなプラススチックのものにしたり。完全にオリジナルで作りました。パッケージのイメージは大きく変わってないと思いますが、実は2、3 年に一度はマイナーチェンジしているんですよ」
▲明治ブルガリアヨーグルトのブランドブックは、明治の全社員が持っている。相澤さんは、愛用しすぎて補強しながら使っているそう
もっともっと、ヨーグルトを食べて欲しいから
ヨーグルトは体にいい。それは科学的にも、きちんと証明されていることで、明治ブルガリアヨーグルトは「特定保険用食品(トクホ)」の表示許可を得ている商品です。
パッケージの側面には「LB81乳酸菌の働きにより、腸内細菌のバランスを整えて、おなかの調子を良好に保ちます」とのメッセージも。
相澤さん:
「ヨーグルトは100年以上も前から『不老長寿説』を唱えられるくらいに、体に良い食べ物だと言われてきました。
弊社の研究所では、いまも乳酸菌の研究に余念がありません。研究員は、休みの日に遊びに行った山で、乳酸菌を探してしまうくらい(笑)。
今では5000種類以上の乳酸菌が研究所にあって、よりよい乳酸菌はないか、研究を重ねているんですよ。
私もその価値を知るほどに、明治ブルガリアヨーグルトに限らず、みなさんにもっとたくさんヨーグルトを食べてほしいという想いを強くしてきました」
半世紀近く前、明治ブルガリアヨーグルトを商品化し広めた明治の社員の人たちもきっと、相澤さんのようにヨーグルトについて語りだしたら止まらない人々だったのでしょう。日本に本物のヨーグルトをと尽力してきた熱意は、脈々と受け継がれているようです。
相澤さん:
「朝食シーンでの食べ方が広まってありがたいのですが、本当はもっといろいろな食べ方を楽しんでほしい。ブルガリアでは、まるで調味料のようにヨーグルトを使っているんです。日本でも、デザートに限らず味噌や醤油のような存在になればと願っています」
まるで味噌や醤油? ブルガリアの「母の味」に欠かせない食材として
▲相澤さんがブルガリアでお世話になった家庭の食事風景
ブルガリア出張の経験もある相澤さんに、ブルガリア料理について尋ねてみました。ブルガリアとヨーグルトは、やはり切っても切れない関係なのでしょうか。
相澤さん:
「そりゃあもう!3食すべてにヨーグルトが出てきますよ」
そのまま食べるのはもちろん、肉料理のソースとして味付けされたヨーグルトが出てきたり、スープや煮込みに使ったり。そのどれもがとてもおいしいのだそう。
ブルガリアの食料品店にはさまざまなバリエーションのヨーグルトが置かれ、その中には水切りヨーグルトも売られているそうで、いかに食材として浸透しているかを知ることができます。
相澤さん:
「ヨーグルトに肉を漬けると柔らかくなったり、臭みが消えたり、調味料的にも使えるんですよ。他にもマヨネーズなどのカロリーの高い食品の代わりにしたり、乾物を戻すのに使ったり。ぜひ味わってみてほしいです。
日本のヨーグルトの消費量は増えたといっても、ブルガリアに比べて7分の1にも満たないんです。料理への活用法を多くの方に知ってもらい、もっとたくさん食べてもいただきたいと思うんです」
相澤さんからお話をうかがい、ヨーグルトについての知識を深めたところで、明治本社の近くにある、ブルガリア大使館公認のブルガリア料理店「ソフィア」へ。
副店長の深谷綾乃さんに、代表的なブルガリアのヨーグルト料理をご紹介いただき、取材陣が実際に味わいました。
深谷さん:
「『タラトル』と『スネジャンカ』は、見た目はずいぶん違いますが、材料はほとんど同じなんですよ。ヨーグルトをベースに、にんにく、ディル、くるみ、きゅうりなどが入っています」
▲左上:タラトル、右下:スネジャンカ
夏によく食べるという冷たいスープ「タラトル」を口に入れると、きゅうりとヨーグルトの風味が口にふわっと広がり爽やかな味わい。食欲がないときにもするすると喉を通りそうで、夏バテ対策にも良さそうです。
一方のスネジャンカは、しっかりと水切りされたヨーグルトがベースで、ねっとりとした質感は濃厚なクリームチーズのよう。濃縮されたヨーグルトの酸味がくせになる味わいで、パンに合わせたり、サラダに添えたりするといいアクセントになりそうです。
▲料理の塩味に合うのは酸味のあるヨーグルト
深谷さん:
「山に囲まれたブルガリアでは乳製品が貴重な栄養源。香辛料をきかせて、ヨーグルトをいろいろなバリエーションで活用するのがすごく上手なんです。
当店でも飲みものからコロッケまで多くのメニューにヨーグルトを使っていて、私も最初は驚きましたが、いまではすっかり好物です」
ヨーグルトを、基本の調味料に加えてみたら
実際にヨーグルトを使った料理に出会い、水を加えればスープや飲みものに、水を切れば固形にもなるその食材としての幅広さにも驚きました。
では、ヨーグルトを家で料理に取り入れるなら、どんな料理がいいのでしょう?
普段の生活や食事のスタイルにフィットした使い方を知れば、もっとヨーグルトを生活に取り入れられそうです。
後編では、「ヨーグルト大好き!でももっぱら、そのまま食べているなぁ」という店長佐藤が、ヨーグルトを使った料理にチャレンジしてみます。
(つづく)
もくじ
Infomation
ブルガリアダイニング ソフィア
東京都中央区八重洲2-5-12 プレリー八重洲ビル2F
<最寄駅>
JR各線 東京駅 徒歩6分
東京メトロ銀座線 京橋駅 徒歩2分
月〜金ランチ11:00~15:00(14:00L.O.)ビュ
土・祝日ランチ11:30~15:00(14:00L.O.)
月~金ディナー17:30~23:00(22:00L.O.)
土・祝日ディナー17:30~22:00(21:00L.O.)
毎週日曜定休
Tel.03-5200-0141
【写真】鈴木静華
ライター 小野民(おの たみ)
編集者、ライター。大学卒業後、出版社にて農山村を行脚する営業ののち、編集業務に携わる。2012年よりフリーランスになり、主に離島・地方・食・農業などの分野で、雑誌や書籍の編集・執筆を行う。現在、夫、子、猫3匹と山梨県在住。
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