【アイロン上手になりたくて】第2話:プロの仕上がりを自宅で再現!「白シャツ」のアイロン術。
編集スタッフ 寿山
知っているようで知らないアイロンがけのコツや知識を教わる今回の特集。
第1話では、家庭で使うアイロン選びのポイントや小物の揃え方を教わりました。
つづく第2話では、誰もが知りたい「白シャツ」のアイロンがけについて、洗濯家の中村祐一さんに手順やコツを教わります!
「夫のシャツを、毎週末アイロンがけするのが大変なんです」
クラシコムの主婦を代表して、スタッフ齋藤が白シャツのアイロンがけについて悩みを相談します。
スタッフ齋藤:
「週末にまとめて夫のシャツにアイロンがけをしているのですが、いまいち小ジワが取りきれない気がしています。
このシャツもアイロンがけしたものなんですが、前身頃の小ジワや生地のヨレが気になっています」
さらにどの部分からかけるのが正しいのか、順番がわからないと話す齋藤。子育て中の限られた時間を使うため、時短のポイントもあれば知りたいそう。
そんな齋藤と、プロの手順やシワ伸ばしのコツ、時短のポイントを教わります。
白シャツのアイロン術を徹底解説!
白シャツのアイロンがけのポイントは、3つあるという中村さん。
白シャツのアイロンがけのポイント
・小さい面積から大きい面積の順に
・パーツごとに分けてかけること
・目立つ、目立たない場所でメリハリを
この3つのポイントを踏まえつつ、アイロンがけが楽になる順番、各工程で気をつけるべきポイントやコツについて、実演していただきながら詳しく見ていきます。
STEP.01_襟
裏と表から。「襟」と「台襟」を別々に。
襟は人目につきやすく、着る人の印象を左右する大切なパーツなので、丁寧にアイロンしていきます。
まずはアイロンする前に、手でしっかりシワを伸ばします。
そして最初は襟を折ったとき下になる裏側から。上写真の青い矢印のように、左右の先端から中央に向かってしっかりアイロンがけ。できれば同様に表側もかけしましょう。
▲左手で少し引っ張りながらリードするとシワを伸ばしやすいそう
襟をかけ終わったら、襟と見頃をつなぐ「台襟」と呼ばれるパーツを、襟と同様に裏から表の順に、左右の先端から中央に向かってアイロンをかけます。
台襟にもアイロンをかけることで、着用したときに襟がきれいに立つそう。
STEP.02_前ボタンの裏
裏からさっと撫でるように、がコツ。
▲裾から襟へと一気にアイロンを滑らせる
シャツ正面のボタンがついている部分は、「前立て」といいます。前立ては裏返して、ボタンの裏から軽くなでるようにかけるのがポイント。
表はボタンを留めると見えなくなるので、アイロンを省略してもOK。
STEP.03_カフスと袖
カフスは襟と同じく裏と表から、丁寧に。
まずは人目につくカフス部分から。襟と同様に裏から表の順に、左右の端から中央へ向けてアイロンします。裏表かけることで、着用時の印象がパリッとします。
カフスが終わったら、袖下から袖付け、袖山の順に、縫い目を伸ばすようにアイロンします(下写真の青矢印を参照)。
▲袖下をアイロンがけするときは、左手で軽く引っ張ると生地がヨレにくいそう
袖口まわりのプリーツは、アイロンを左手に持ち替えて。プリーツのヒダにアイロンの先端を差し入れるようにかけます。
STEP.04_背中と前身頃
「下から上」「中心から外」が基本!
まずは背中を、裾の中心から襟に向けて、下から上へとアイロンを滑らせます。上まできたら、中心から外へ流すように右半分と右半分も順次アイロンします(青矢印を参照)。
そのまま背中に前身頃を重ねてアイロンをかけるのが時短のポイント!
シャツを動かす回数を抑えれば、余計な小ジワができる可能性を未然に防ぐことにも。
前身頃はボタンがある右側から先に。裾から襟に向かって下から上へとアイロンをかけたら、中央から外側へと流します。
左側のボタンホールがある前立ては、目立つパーツなので丁寧にアイロンしましょう。終わったら、あとは右側と同様に、下から上へ、中央から外側へと流します。
この動きさえ身につければ大丈夫!アイロンの基本動作
すべての工程において基本となるのは、アイロンのスチームで服の繊維をやわらかくほぐす往路と、アイロンの熱でシワを伸ばし固める復路とがセットになった往復の動き。
その往復の役割をきちんと意識するだけで、アイロンはぐっと上達するといいます。
中村さん:
「アイロンは、服を人の体に置き換えて表現すると “整体” のようなものだと思います。
着ているうちに、どうしても服はヨレたり歪んだりするもの。その歪みを放っておけば、着心地が悪くなったり、襟や袖がスレて傷んだり、様々なトラブルが生じます。
定期的にアイロンで歪みを元に戻すことで、見た目がきれいになるだけでなく、肌なじみが断然よくなるし、服も痛みにくくなるんです」
毎日や毎週は難しくても、月に1日、週に1日そうやって服をリセットすることで、服の寿命も伸びて、身につけたときの喜びも愛着も変わると中村さんは話します。
最後に、襟の油汚れの落とし方を教わりました。
スタッフ齋藤:
「夫のシャツを洗濯するとき、襟の油汚れが気になるので、専用の洗剤を塗ってから洗濯しているのですが、ちっとも汚れが落ちません。
何かいい方法はあるのでしょうか?」
中村さん:
「襟に洗剤を塗った後、汚れをもみ出して、40度くらいのお湯ですすぐときれいに落ちますよ。
その方法で落ちない沈着した黄ばみや黒ずみは、ワイドハイターなどの粉末タイプの漂白剤を50度くらいのお湯に溶かして、30〜60分漬けておくと白くなります」
さらに週末などに白シャツだけをまとめて、お湯で洗うのがおすすめだそう。洗剤に粉末の漂白剤を加えて洗濯することで、白さがよみがえるといいます。
ずっと気になっていた白シャツのアイロンがけの手順やコツを知ることができて、とてもスッキリしました!
つづく第3話では、基本を応用しつつコットンやリネン、化繊など、素材別のテクニックを教わります。
(つづく)
【写真】木村文平
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