【ない暮らし、はじめました】第2話:テレビ、やめました。スタッフ筒井「いつものリビング、くつろぎ度アップ」
編集スタッフ 岡本
全3話でお届けしている、特集「ない暮らし、始めました」。
この特集では、ベッドやテレビなど、「ある」のが当たり前だったものを手放して、自分らしい暮らしのあり方を模索中のスタッフ3名に話を聞いています。
第2話に登場するのは、コーポレートグループのスタッフ筒井。彼女が「転職を機になくした」と話す、ある習慣とは?
家族の会話が、足りてない?
筒井が以前勤めていたのは文房具メーカー。仕事柄出張も多く、平日の夜はゆっくり家で過ごす時間も少なかったそうです。
今からちょうど1年前に、クラシコムに転職し、それを機に見直したのは「テレビを見る習慣」だと言います。
スタッフ 筒井:
「私が転職をして帰宅時間が早くなり、夫婦そろって食卓を囲む時間ができたんです。
でも、なんとなくテレビをつけていることで、視線がそちらに引っ張られてしまって。
せっかく時間ができたのに、落ち着いてゆっくりと『今日はこんなことがあった』といった、何気ない話ができていないのはもったいないなと思いました」
とくに見たいわけではないのに、知らずに眺めてしまう。自分の生活を振り返ってもよくあることです。
同じ空間にいるのにその醍醐味を楽しめていないことに気づいた筒井は、小さな違和感を見逃しませんでした。
スタッフ 筒井:
「私たちとしてはテレビが見たいワケではなく、食事中のBGMとして無意識につけていただけ、ということに気がついたんです。
だからといって、すぐにテレビを手放そうとはなりませんでした。
まずは、BGMをじぶん好みの音楽や映画に切り替えてみようかと。インターネット配信の音楽や映画のチャンネルは、手持ちのテレビにも映せるので、そういうサービスを活用しています」
朝はもともと見る習慣がなかったこともあり、自然と1日を通してテレビを見なくなった筒井家。
手持ちぶさたにはならないのか、情報はなにから得ているのか、さまざまな疑問が浮かびます。
▲たまに付けるテレビは、映画を見たり音楽を聴くとき用に。
期待だらけの20代から、気負わない30代へ
テレビからは膨大な情報と同時に、「安心感」を得ているように思います。
たとえばニュース番組を見ることで、世間の流れがつかめる、もしくは理解しているような気持ちになれる。そんな「安心感」です。
もともとテレビを見るのが好きな私にとっては、それがない暮らしを、ほど遠く感じてしまいます。
事実、テレビを見なくなった筒井は、圧倒的に情報量が減ったそう。
スタッフ 筒井:
「テレビが与えてくれる情報は分かりやすくて、手っ取り早い。それは有難い面もあります。
でもその中には、今の私にとって必要のないものも多く含まれていました。
『こんな自分にもあんな自分にもなれるかも』と過度な期待があった20代の頃は、知らないことが怖かったから広く浅く情報を得ていましたが、30代になって良くも悪くもそれほど大きくはない自分のキャパシティに気づいたんです」
自分にとってなにが必要で、なにが不必要なのか。
取捨選択できるようになったのは、10年近い社会人経験ですこしずつ価値観が変化したからだと言います。
スタッフ 筒井:
「今は、知りたいことがあったら、本などを活用して自分の手で調べるように心がけています。
でもそれだけだと、会話のなかに知らない話題も出てくるし、分からないことも多い。そんなときは『知らなかった!教えてください!』という姿勢でいます。
知らないことは恥ずかしいことではないし、詳しいひとに教えてもらえるからこその、学びもあると思っています。
20代で一度気負った時期があったからこそ、自分に対しておおらかになれたのかもしれません」
夫婦お互いが、好きなことをそれぞれに
▲筒井の絶対になくせないものは「床座生活」。食事もちゃぶ台で、ソファは寄りかかるために置いているそう。
落ち着いた食事のあとは、リビングの明かりを落とすなど、テレビ習慣をなくしたことで、家でのリラックス度が高まった筒井家。
自分は長湯や読書を、夫は語学の勉強をと、夫婦それぞれの過ごし方も変わったそうです。
スタッフ 筒井:
「以前は夫が点けっぱなしのテレビの前で、うたた寝をしていることがよくありました。
プチストレスに感じていたので、それがなくなり自室で充実した過ごし方ができているのは、見ていてこちらも嬉しいですね」
“テレビ習慣をなくす” という変化が、暮らしのなかの小さなストレス解消につながっていました。
夫婦で過ごす落ち着いた食卓、心地よい部屋、好きなことを楽しむ時間。
テレビを話題の中心として盛り上がる家庭もあれば、テレビをなくしたことが夫婦にとってのちょうどいい空間を生み出すきっかけになることもあるようです。
ものだけでなく、習慣についても「なくす」という概念を向けてみたくなりました。
次回はあるキッチン道具をなくしたスタッフ濱崎の、ない暮らしです。
(つづく)
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