【ホーローのある暮らし】第1話:いいところがたくさん。料理家・黒川愉子さんの、我が家の使い方
編集スタッフ 岡本
当店でも取り扱っている、ロングセラーの野田琺瑯。
使いこなせたら料理上手になれるかもと思いつつ、じつは一歩踏み出せないでいるところがあります。
たくさん種類があるけれど、どれを買うべき?他の容器との違いがイマイチわからない……。
そこで、じっさいに野田琺瑯を愛用して暮らしに役立てている方に、その魅力を伺う特集「ホーローのある暮らし」を全3話でお届けします。
ご登場いただくのは、以前の特集でホーローバットを使った冷たいおやつを教えていただいた、 料理家・黒川愉子(くろかわゆうこ)さんです。
はじめて自分で買った野田琺瑯は、このカタチ
これまでホーローの調理道具を使ったレシピ本を数多く出版されている、黒川さん。
物心ついたときから当たり前のように、台所で見かける存在だったと言います。
黒川さん:
「幼い頃から鍋やオイルポットなど、何気なく使っていた道具が、今思えばホーロー製でした。
でも正直言うと、料理家を目指していた当初、ホーロー製の料理道具はプロが使うものではないと思っていて。
なぜかというと、料理を学んだ先生が使っていた道具はほとんどがステンレス製だったんです。独立してからもしばらくは、今ほどホーローをよく使っているわけではありませんでした」
それでも、料理家になり改めてホーローを手に取ったきっかけは、ずばり「見た目に惹かれたから」だそうです。
シンプルな造りでありながら、あたたかみのある佇まいは、ホーローならでは。
もともと白いものが好きだったこともあり、自然と黒川さんのキッチンに馴染んでいきました。
黒川さん:
「保存容器として一番はじめに購入したのは、野田琺瑯のレクタングル深型(M)だったかな。たぶん、アイスを手づくりするためだったと思います。
材料を混ぜやすい深さで、専用のフタが付いているバットは、そのころ珍しくって。野田琺瑯でしか見かけませんでした。
アイス作りのほかに、おかずの残りものをとっておくのにもちょうどいいですよ。ちょっとした場面で活躍してくれて、使いやすさを実感できましたね。
はじめに購入したひとつめが、私の作るものやスタイルにぴたりとはまったことで、自然と数も増えていきました」
ホーローは冷めやすい。だから料理が美味しくなる。
アイスを作るために手に取ったというだけに、ホーローの一番の特徴は「冷めやすさ」だと話す、黒川さん。
黒川さん:
「ホーローは冷蔵庫に入れると容器全体が均一に、そして一気に冷えるので、料理の時短になります。
おかし作りだけじゃなく、常備菜やお弁当おかずを冷ますときも便利なんですよ。
短い時間で冷めれば、おいしさを逃さず、きゅっと閉じ込められます」
迷ったときはホーローに。その理由とは?
黒川さん:
「残ったおかずの保存って意外と迷いませんか?
出した器のままで取っておくと冷蔵庫のスペースを取るし、ラップをかけたりとすこし面倒。
そんなとき、ホーローはとても頼れる存在なんです。
さらに表面がつるんとしていて、食材の色が移りにくいのも特徴ですね。
フルーツコンポートやミートソースは、プラスチック容器などに何日か保存しておくと、洗ってもなかなかきれいに落ちないのが悩みでした。
でもホーローの容器は、するっと気持ちよく洗い落とせるので、衛生面も安心です」
黒川さん:
「漬け物や薬味など、香りが強い食材を入れても、匂いが移りにくいのもホーローの特徴ですね。
買ったまま袋で保存してもいいのですが、出すときのひと手間を先手で済ませてしまえば、サッと食卓に出せて楽チンです」
ホーローで冷蔵庫改革!
スッキリと便利を両立させるには?
ずらりと並んだときの美しさも、ホーローの良さと言えるのではないでしょうか。
黒川さんによると、冷蔵庫を開けたときの整然と置かれた様子は、料理へのモチベーションを上げてくれるのだそう。
でも、食材の使い忘れや、見えない中身をどう管理するのだろう、と気になることがあります。
黒川さん:
「ホーロー容器ならではの真っ白い見た目で、中身の食材が見えず、冷蔵庫全体に統一感が出てすっきりとした印象に。
我が家では家族のだれが見ても分かるように続けている、ちょっとした工夫があるんです」
冷蔵庫には縦に入れる!
黒川さん:
「みなさん自然とやっているかもしれませんが、容器は縦に(狭い面を手前に)入れることで容器が奥に追いやられず、忘れにくくなります。
いくつか重ねたときも、圧迫感を抑えられますよ」
「あれどこ?」を防ぐ、シール作戦
黒川さん:
「ホーロー容器は中身が見えないので、いつ・なにを入れたかすぐに分かるよう、テープを貼っています。
跡が残りにくい半透明のテープ(メンディングテープ)に日付と食材を書いたら、端をすこしだけ折っておきます。
ちょっとしたことですが、こういった工夫がキッチンでの過ごしやすさに繋がっていると思います」
ここまでホーローの良さについて、改めて深く語っていただいた黒川さんですが、用途に合わせてガラス製やプラスチック製のものを使うこともあるそう。
それぞれのメリットを活かして使い分けることで、料理の手助けになったり、片付けやすさに繋がっているのですね。
つづく2話目では、最初のひとつめにおすすめのホーロー容器を使った、ひんやりヨーグルトケーキのレシピをお届けします。
重ねるだけでできあがるから、コツいらずですよ。ぜひ、おたのしみに!
(つづく)
【写真】鈴木静華
もくじ
黒川愉子
2000年にパリの リッツ・エスコフィエにてディプロム取得後、フランス人家庭に滞在し、家庭料理を学ぶ。現在は、料理家・スタイリストとして活躍し、自宅にて、少人数制の料理教室も不定期開催中。「つめたくてあまいお菓子」など著書多数。
▽黒川愉子さんの著書はこちら
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