【蒸篭のホントのところ】第3話:白身魚もカンタン調理。蒸篭の使い方を徹底解剖!

編集スタッフ 齋藤

当店のスタッフも気になっている調理道具、蒸篭(せいろ)。そんな蒸篭の選び方や使い方を紹介する特集を、全3話でお届けしています。

わたしにとって蒸篭は「ちょっと面倒なのでは?」という想いもあり、気になる存在ではあるけれど、本当に使いこなせるか心配なアイテムでした。

そこで最終話となる今回は、蒸篭を使った蒸し料理のレシピとともに、その使い方から片付け方までを徹底解剖!

自分の暮らしで無理なく使えるか、その様子を見て検討してみようと思います。

普段から蒸篭を愛用しているという料理家フルタヨウコさんに、今回もご紹介いただきました。

 

実はカンタン!蒸篭を使う準備をしよう。

フルタさん:
「レシピは、ふたり分です。21センチの1段で大体ひとり分なので、蒸篭は2段を用意しました。

野菜などの場合は、蒸篭に何も敷かず、食材をそのまま入れても大丈夫。

でも肉や魚など油分が出るものは、蒸篭に油がつかないようクッキングペーパーなどを敷くか、お皿の上に食材を載せて蒸した方が良いです。

今回は17センチのティーマのプレートを用意しました。これなら21センチの蒸篭にぴったり入るんです」

フルタさん:
蒸し布も持っているのですが、使い終わった後、洗ってしっかり乾かしてなどメンテナンスが億劫であまり使っていません。アルミホイルやクッキングペーパーで代用しています。

今回はアルミホイルを細長く2枚に切って、それを十字にし、お皿を取り出す時の持ち手をつくりました。調理したあとはお皿が熱くなっているため、持つのがたいへん。こうしておくと便利ですよ」

フルタさん:
「蒸篭専用の鍋がない場合は、蒸し板も用意します。これがあれば蒸篭とお鍋のサイズが合っていなくても、蒸篭を載せられるんです。

お鍋の半分くらいまで水を入れれば、準備は完了」

 

切って重ねて蒸すだけ!調理はとってもラク。

フルタさん:
「使う食材は、白身魚が2切れ。これは手に入りやすいもので大丈夫です。今回は生タラですが、例えば塩タラやタイ、スズキなど。その他イカやエビで作ってもおいしいですよ。

あとチンゲンサイが1束、ネギが1本、生姜2かけです。

チンゲンサイは4分の1ほどの大きさに切り、ネギは斜め切り、生姜は針生姜にしておきます」

フルタさん:
「野菜を切ったら、お皿の上に載せていきます。チンゲンサイが一番下、その次に白身魚、ネギ、生姜の順に載せ、最後に小さじ4分の1の塩をかけます。

塩漬けしたタラなどの場合、塩は必要ありません」

フルタさん:
「湯気が出始めたお鍋の上に、蒸し板と蒸篭をセッティング。

鍋の水がなくならないかどうかさえ気にしておけば、あとは放っておいて大丈夫です。それも湯気の有無で一目瞭然。この間に洗いものや、他のお料理ができちゃいますよ」

フルタさん:
「蒸し時間は、約10分ほど。蒸気に気をつけながら、アルミホイルの端を持って取り出してください」

フルタさん:
「できあがったらお好みでラー油をかけて完成です。

この他にもさっぱり和風で楽しみたいなら具材を小松菜やほうれん草にし、レモンや柚子を一緒に蒸すだけでも爽やかな風味に。調味料はポン酢や、ラー油の代わりに柚子胡椒もおいしいと思います。

そしてエスニック風にするのもおすすめ。最後にパクチーをトッピングして、チリソースやナンプラーをかけるだけでも一気に味わいが変わりますよ。

とてもシンプルなので調味料や薬味の合わせ方で、さまざまに楽しめます」

 

洗わなくてもいい?蒸篭の片付け方。

フルタさん:
「唯一ささっとしなくてはいけないのが、この片付け。蒸篭は熱いうちにすぐ片付けてください。冷めて乾くと、匂いや汚れが落ちにくくなってしまうんです。この際に気をつけたいことが2つ。

1.水に漬けないこと
2.洗剤は使わないこと

蒸篭は大きな水分量の変化でワレや変形などが起きてしまうため、長時間水に漬けないでください。使用後はぬれた布巾で拭くくらいにするか、洗わないが基本。調理中に蒸気で殺菌されているので、洗わなくても不衛生にはならないんです。

そして洗剤は匂いがついてしまったり、木が持っている油分をとりすぎて乾燥しすぎてゆがんでしまったり、さらに洗い残しがあるとカビにつながることも。

でも肉類を蒸すと匂いがうつってしまいますし、蒸篭専用の布巾を用意するのもめんどう。なのでわたしはさっと水で流し、その後食器用の布巾で、かるく拭いています。

この後は、食器などと一緒に洗いかごの中へ。

もし、うっかりそのままにしてしまったり、食卓で使ったりして食べ物のシミがついてしまった時は、数分ぬるま湯につけてから洗剤がついていないスポンジで洗い、よく拭いてから日陰で乾燥させてください

フルタさん:
「乾いたら、収納はカビなどが発生してしまうのでシンク下などは避け、風通しの良い場所に。また乾燥をしすぎると変形してしまうので、直射日光の当たらないところが良いです。

わたしの場合は、キッチンのオープンラックの上に保管しています。すぐに手に取れるので、よく使うようになりました

 

思ったよりも難しくないかも!蒸篭のホントのところ。

全3話を通し、蒸篭についてお届けしました。

頭の片隅にありながら、長いこと購入までいたっていなかった蒸篭。面倒どころか、実はとってもシンプルに使えるキッチン道具であることがわかったように思います。

火にかけたあとは放っておいても、あっという間においしいおかずが出来上がり。

調理も味もシンプルだからこそ、もしかしたら我が家の定番になってくれるかもしれません。週末にはさっそく中華街へ、足が向いてしまいそうです。

(おわり)

【写真】木村文平


もくじ

 

 

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yoko

フルタヨウコ(料理家)

デザイン関係の企画編集、執筆、写真を手がける一方で、ケータリングを開始。オリジナルジャム制作の他に料理やイベント出店なども行う。現在はKURASHI&Trips JAM LABORATORYでのジャムプロデュースを務める。http://home-home.jp


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