【いまの私の「フィット」】第3話:40代を迎えて、チャレンジが楽しくなった(お客さま係・上山)
編集スタッフ 奥村
「フィットする暮らし」ってなんだろう?
今年10周年を迎えた「北欧、暮らしの道具店」。
お店が10年間変わらずに持ち続けている「フィットする暮らし、つくろう」のメッセージを、スタッフは今どのように受け止めて暮らしているのでしょうか?
今回の特集では当店スタッフ4人の自宅を取材し、それぞれが実践する等身大の「フィットする暮らし」の一部をご紹介します。
歳を重ねて気づいた
自分にとって大切なもの
お客さま係・上山(45歳・入社6年目)
今回ご紹介するのは、入社6年目のお客さま係・上山の暮らしです。
結婚を機に住み始めた賃貸マンションは、今年で10年目。約55平米の1LDKに、夫と二人で暮らしています。
そんな上山に、今の暮らしを心地よくするために意識している4つのポイントを聞きました。
家時間のお供はラジオ。
夫婦で同じ番組を聴く
▲持ち運びにも便利な、携帯電話のラジオアプリ「radiko」を使って聞いているそう
お客さま係上山:
「家で過ごす時間に欠かせないのが、ラジオ。家事のお供にもよくラジオをつけています。テレビと違って片手間で聞けるし、外の音がほどよく遮断されるから、リラックスできるんですよ。
平日の夜はFMを聴くことが多いのですが、毎週日曜日に放送されるAMのバラエティー番組が、私と夫のお気に入り。この間は公開収録にも行ったほどです。
ラジオはどこでも楽しめるから、どちらかが出かけている週末は、別の場所にいながら同じ番組を聞くことも。『今日のアレ、聞いた?』と後から夕食の話題にあがることも多くて。
同じ時間を共有できないときでも、ラジオを通じて繋がることができるから、いまや夫婦の大切なコミュニケーションツールになっています」
夫婦それぞれの「好きな味」を大切に
▲左がジンギスカン鍋、右がたこ焼き機。どちらも鉄製で、直接火にかけて使える
お客さま係上山:
「私は北海道出身で、夫は兵庫県の出身。それぞれの故郷に独自の食文化があるから、結婚当初は『なじみの味』の違いに戸惑ったこともありました。
でも二人とも新しい味に興味があったから、どちらかを優先するより、お互いの故郷の味を尊重するようになったんです。この『ジンギスカン鍋』と『たこ焼き機』を買ったのも、そんな理由から。
北海道で育った私にとって、ジンギスカンは子供の頃から食べ慣れた味。だから時々すごく食べたくなるんです。でも、今や私より夫の方が、ジンギスカンにはまっているくらいなんですよ。
反対に私が知ったのは、出汁の味で料理のおいしさが変わるんだということ。夫の育った関西では、出汁の味を大切にする料理が多いから、これは結婚してから気づきました。
どちらの味も大切にしてきたら、食の引き出しが広がって、二人での食事がもっと楽しくなった気がします」
くつろぐために、
あえて手放したダイニングテーブル
お客さま係上山:
「独身時代ずっと大切に使ってきたダイニングテーブルを、結婚後に思い切って処分しました。
最初は椅子に座る暮らしの方が断然心地いいと思っていたのですが、床に座ってみたら、目線が低くなって天井が高く感じられるように。こっちの方がリラックスできそうだなと思ったんです。
二人で暮らすようになってから、暮らしの優先事項が『ゆったりくつろげること』に変わりました。そんな今の私たちには、ローテーブルと座布団の方がフィットしているのかなと思って。
またいつかダイニングテーブルの暮らしが心地よくなる時が来るかもしれないけれど、今は『床生活』が気に入っています」
年齢に縛られず、新しいチャレンジをする
お客さま係上山:
「結婚以来、アウトドア好きの夫の影響でキャンプやBBQを始めるようになりました。
最初にキャンプに誘われた時は、『あり得ない!』と思ったものです。アウトドアに興味を持ったことなんて一度もなかったから。でも渋々ついて行くうちに、外で食べるごはんは美味しいなあって気づいて。だんだん楽しくなっていったんです。
それからもう一つ、フランス語の勉強もここ数年で始めたことです。
40代を迎えて気づいたのが、今までは『自分に向いてない』と思い込んでいたけれど、改めてやってみると楽しいと思えるものって意外とあるんだということ。昔の自分に『損してたね〜』と言いたいくらいです(笑)。
だから今、人からの誘いはできるだけ断らないようにしています。
自分ひとりでは決して行かなかったようなイベントや場所に足を運ぶと、新しい人との出会いや、世界の広がりが必ずある気がして。まだまだ知らないことがあると、知るのが楽しいんです」
「40代の今。やりたいことが増えて、時間が足りません」
▲「星の王子さま」の原文を読めるようになることが、フランス語を学ぶひそかな目標だそう
40代を迎えてから、新しい趣味に出合ったスタッフ上山。今の悩みは時間の使い方だといいます。
お客さま係上山:
「やりたいことが、いっぱいあるんです。ひとり旅もしたいし、語学の勉強もじっくりやっていきたい。もちろん家の中にも整えたい部分はたくさんあって。週末はいつも、時間が足りない!って思います」
10年前よりも今の方が、やりたいことが多いほど。その理由は、年を重ねて新しい物事の楽しみ方を知ったからだとも感じるそう。
お客さま係上山:
「たとえば語学の勉強ですが、昔は語彙を増やすことに躍起になっていたから、勉強に疲れていました。でも今は、その国の文化や歴史も深く理解しながら学んでいきたいなと思っていて。その方が時間はかかるけど、楽しいんです。今だからこそ、そう思えるのかもしれないですね」
夫も仕事や趣味で家を空けがちだから、二人で過ごせる週末もまた大切な時間。それぞれのちょうど良いバランスを模索しながら時間を使っていくことが、今後の課題だと話していました。
今の「フィットする暮らし」とは?
お客さま係上山:
「20代、30代、40代、と年齢を重ねてきて思うのは、その年代ごとに自分が好き、楽しいと思うことってかなり違っていたなということ。
だからこそ、今の自分が望むことに正直になってみる。それが私にとっての『フィットする暮らし』です」
40代の上山が望むのは、新しいことに挑戦することや、夫や友人とおいしいものを食べること。今はそれを存分に楽しみたいと言います。
お客さま係上山:
「年を重ねると、体力も気力も自然に湧いてくるものではなくなります。正直なところ、全然外に出たくない気分のときもあるんです。
でも、年齢を理由にして自分に殻を作るのは簡単なことで、いくらでも出来てしまうんですよね。
だから40代になってからは、意識的に目的や理由をもって外に出るようになりました。そうしたら、世界が広がるのが楽しくて、今の自分にフィットしているなって思えたんです」
昔の友人が今の私を見たら、「前はインドアだったのに」って驚くかも、と笑うスタッフ上山。
自分の気持ちと足並みを揃えながら、年を重ねていく。その結果として変わっていくことも、彼女にとっては「フィット」の一部のようでした。
(つづく)
【写真】木村文平
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