【つたわる、手書き】後編:気の利いた文章が浮かばない…。おさえておけば、気軽に書き出せる3つのコツ

編集スタッフ 岡本

つまずくのはいつも、「書き出し」のフレーズでした

もらうとうれしい、手書きのメッセージ。

けれど、字のくせやありきたりな言葉選びが気になって、思うように書けずにいました。

クリスマスや年賀状など、さりげなく書き添えるチャンスが多いこの時期だからこそ、すこしでも前向きになれるヒントがあったら。

前編では、お香や和文具の専門店・東京鳩居堂さんに、くせ字と相性のいいペンや紙について教えていただきました。

つづく後編では、つい手が止まってしまう場面での「フレーズ探しのコツ」をお届けします。

さあ書こうと意気込んだはいいものの、書き出しから足踏みしてしまい、そのまま手紙迷路へ突入。

手書きだから失敗したくない、という思いもあって、「気軽にすらすら」からは程遠い状態です。

そこで今回、文章にまつわる悩みを、手紙風に3通届けてみることに。

いただいたお返事には、迷路から抜け出すヒントがたくさんありましたよ。

 


伝えたいけど、言葉が出てこない…。
こんなときはどう書く?


鳩居堂 高橋雄貴さん(以下 高橋さん)
「季節の話題でつまったときは、ふっと窓の外を見てみてください

目に入った景色や、聞こえてきた音など、感じたことをそのまま文章にしてみると、意外と気づきがあるものです」

高橋さん:
「便箋とにらめっこをしていたら浮かばないような言葉が出てくることも。

どんな間柄の方に送るかにもよりますが、あまり気負わず、相手に話しかけるように心がけると、ぐっと引き込まれる書き出しになると思いますよ。

季節の話題から入り、自分の近況を伝えたあとに本題に入るという“手紙の型”にはめてみると、意外とラクになるかもしれません」


たとえば、こんなフレーズ

「街のイルミネーションがきれいな季節となりました」
「お祭りの賑やかな声が聞こえる時期ですね」


 

高橋さん:
「締めはその手紙の印象を決める、重要なフレーズ。だからこそ、悩んでしまう部分でもありますよね。

『よろしくお願いします』という言葉も、関係を続けていきたいという前向きな気持ちが表れているので、気にせず使っていいフレーズです。

大切なのは言葉のバラエティではなく、『どんな思いを込めて、その言葉を使っているのか?』。そう考えれば肩の力が抜けるかもしれません。

たとえば『お身体を大切に』も『またお目にかかれる日を楽しみにしています』も、すでに使い慣れたフレーズ。

でも、そこに相手の体調を気遣う思いや、また会いたいという素直な気持ちが込められているならば、繰り返しでいいんです」

▲「鳩居堂の季節のはがきと手紙 おたよりマナー」(監修・鳩居堂)

高橋さん:
「もし目上の方への手紙で、失礼のない内容にしたい場合は、手紙マナー本に頼るのも手です。

『そこまでしなくても』『定型文ばかりなんじゃ……』と思われるかもしれませんが、書き慣れていない人にとっては強い味方です。

一度理解すればずっと使える技でもあるので、迷ったときは積極的に参考にしてみてくださいね」

 

高橋さん:
「手紙だけでなく、メールなどでもよく耳にする悩みですね。

たとえば、久しぶりに友人と再会し、そのときにいただいた贈り物へのお礼状であれば、時間を作ってくれたことに対する感謝や、いただいたものへの感謝など、自然と『ありがとうございました』が何度も登場します。

でも、感謝の言葉は何度伝えられてもいやな気持ちにはならないもの。

書いていると気になるかもしれませんが、無理に避けなくて大丈夫ですよ。

高橋さん:
「言い換えたいときは、自分がどう感じたのか、どういい方向に動いたか、具体的に書くといっそうこちらの思いが伝わる手紙になりますね。

せっかく書く手紙です。むずかしい言葉を探さずに、自分の気持ちをそのまま書いてみてください」


たとえばこんなフレーズ

「お陰様でとても助かりました」
「目に入るたびにうれしい気持ちになります」


手紙は送る相手によって、書く内容がまったく変わるもの。これが正解!という答えがないからこそ、アドバイスがとてもむずかしいそうです。

それでも今回、いろいろなシーンを想像しながら、真摯なお返事をくださいました。

私が書く手紙だって、大切なのはこれかもしれない。

真摯に、相手を思って考える。

それが本当に心から湧き上がったフレーズならば、ありきたりでも定型文でもきっと気持ちは伝わるはず。

それが手書きならではのパワーなのだと思います。

まずは今年一年の感謝や、来年の挨拶から。

ポジティブな気持ちで手に取ったペンをそのまま文字にして、大切なだれかへの1枚に言葉をのせてみませんか?

筆不精から卒業する、ささやかなきっかけとなりますように。

(おわり)

【写真】岩田貴樹(3,5,7枚目以外)


もくじ

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東京鳩居堂

1663年・京都にて創業、今年で354年目を迎える老舗文具店。お香・書画用品など、伝統的な商品から時代に合わせたものまで、さまざまな商品を扱っている。

▽鳩居堂が監修した著書はこちら


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