【ケの日のこと】「あっ!クリームない!」から3日。母のスキンケア事情
「家族と一年誌『家族』」編集長 中村暁野
第16話:野草のチンキ
先日のお風呂あがり、いつも顔に塗っているクリームが切れていることに気づきました。こりゃこまった……と思いつつも子供たちを拭いたり着替えさせたりに追われ、なんにもつけずに寝たところ、当然肌は乾燥気味。ああ新しいクリーム買わなきゃ、と思ったもののあっという間に1日はすぎ、気づけば再び夜。仕方なくカレンデュラクリーム(息子用の軟膏)を塗って寝たところ、乾燥は免れたものの、ベットリ重く心地よさからはほど遠い。にもかかわらず、またもやあっという間にクリーム切れ3日目の夜を迎えてしまったのでした。こんな時すぐに買えるお店のない里山くらしは不便よね……とため息をついたものの、今やネットで何でも買える時代なのですから、切れる前に注文しておけば何の問題もないのです。頼み忘れた自分が悪い。
できればカレンデュラクリーム以外を……と洗面所を探っていたところ、ふと目にとまったのは去年つくった「チンキ」でした。
チンキとは、ハーブや野草をウォッカやホワイトリカーなどの強いお酒に漬け込んで成分を抽出したもので、植物の薬効がぐっと閉じ込められるといわれています。ハーブティーにしたり、入浴剤にしたりする方も多いんだとか。里山暮らしでは春から夏は虫との闘いとなります。去年、その闘いを支えてくれたのが、ドクダミと蛇苺を漬け込んでつくったチンキだったのでした。
ちょっとした虫除けにも、虫さされにも、このチンキを塗って乗り切ったのですが、大量につくったので、まだまだ今年も使えるくらいたっぷり残っている。そして1年たって熟成されたかのような琥珀色。試しに顔にパシャパシャ塗ってみたところ、化粧水みたいでなかなかよい感じ。翌朝起きても、肌はすっきりしっとりしていて、一安心したのでした。
調べてみると、ドクダミはシミやソバカスを美白する効果もあるらしい! 蛇苺は肌の炎症(ニキビなど)を抑える効果もあるらしい! さらになんとこのチンキにグリセリンを足すと化粧水が作れるらしい! そうと知ったらいても立ってもいられず、翌日街に出たついでにいつものクリームは買わず、薬局でグリセリンを買ったわたしでした。
ちょうど今庭にワサワサ茂っているドクダミと蛇苺。これを漬け込んで、今年はチンキだけではなく、化粧水も作っておこう。
クリームを切らしたことで、庭にあるもので化粧水をつくる、なんていうちょっぴりワクワクする「ケの日」のお楽しみが増えたのでした。
ちなみに、塗るものがなくてドクダミ酒を顔に塗った、とブログに書いたところ、お友達が颯爽と手作りの化粧水と庭のハーブを届けてくれました。いかにお店に行かずにまかなうか、頼り甲斐のある先輩がたくさんいるのは里山くらしの魅力と醍醐味だよなあ、と感じる最近。先輩の背中に一歩でも近づくべく、今年は庭のハーブをつかって他のチンキも作ってみようかと思っています。
【写真】中村暁野
中村暁野(なかむら あきの)
家族と一年誌『家族』編集長。Popoyansのnon名義で音楽活動も行う。7歳の長女、1歳の長男を育てる二児の母。現在は『家族』2号の取材を進めている。2017年3月に一家で神奈川県と山梨県の山間の町へ移住した。http://kazoku-magazine.com
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