【間取り図鑑】第3話:備え付けの収納が大きくなくてもこう解決!スペースを有効に使ったキッチン
賃貸でのキッチン、台所の狭さの悩みを壁面収納で解決するアイディアが詰まったキッチンをご紹介します。村田湖弓さんのキッチンの間取りはごく一般的な壁付けタイプ。有孔ボードやフック、ラックを壁の収納として活用することで、自由に使いづらい賃貸のキッチンを見た目良く、効率よく使われています。
ライター 大野麻里
見ているだけでワクワクと、新たな暮らしへの妄想が広がる、間取り図。
特集「間取り図鑑」は、そんな不思議な力を持つ間取り図と実際のインテリアを重ねて、暮らしを紐解くシリーズです。
貼箱専門店「BOX&NEEDLE」でウェブショップを担当している村田湖弓(むらたこゆみ)さんのご自宅に伺い、お話を聞きました。
ご主人とふたりで住む、ご自宅の間取りはこちら。
(広さ:46平米、間取り:2LDK)
キッチンの間取りは見た目よく、効率よく
賃貸の集合住宅の一室に住む、村田さん夫妻。3話目となる今回は、村田さんのアイデアが詰まったキッチンを特集します。
村田家のキッチンはごく一般的な壁付けタイプ。雰囲気よくスッキリ見える理由は、ダイニングスペースとキッチンを区切るブルーグレーのカウンターにありました。
実はこれも、DIYが得意な村田さんが自作したものだそう!
村田さん:
「キッチンが丸見えになるのを避けたくて、対面カウンターをつくりました。ダイニングテーブル側から見ると、側面の板を継ぎ足していることが色の違いから見えますよね?
実はこのカウンター、以前住んでいた家でも使っていたもの。現在のキッチンには少し小さかったので横幅を拡張しています。少しずつ改造を重ねて、いまの形になりました。
『ここにあったら便利かな』『もっとこうならいいのに』と気づいたときが改造のタイミング。とくにキッチンまわりは、効率的な動線を意識してものを配置しています」
村田さん:
「大きい家具のようで複雑そうに見えますが、私がつくったのはカウンターの側面のみ。
ホームセンターで指定のサイズにカットしてもらった板を『コの字』のフレームになるよう組み立てて、置いているだけなんです。中は空洞なので、見た目ほど重さもないんですよ」
▲ダイニングから見えない内側に電子レンジなどが収納されている
カウンターのキッチン側には既製品のキッチン収納棚や、カラーボックスを配置。それらの天板がテーブルのようになっていて、食事の準備をしたり配膳したりするスペースも生まれました。
村田さん:
「電子レンジはキッチン収納棚の下に収めて、ダイニング側から見えないようにしました。これもこのカウンターのおかげでできる配置ですね」
炊飯器や電気ケトルなど電源が必要な家電はまとめて壁側に置き、電源コードがごちゃごちゃしないよう、配線に気をつけているのもポイントです。
コンパクトなキッチンは、壁収納がカギ
比較的コンパクトな村田さんのキッチン。収納スペースに限りがあるので、シンクの上に「吊るす収納スペース」を設けました。
2話で登場したパーテーションの余り板(有孔ボード)をここに取り付け、キッチンツールや掃除グッズを吊るせるように。収納力もあって使い勝手がよさそうです。
村田さん:
「これは本当に簡単で、もともと付いていた吊り棚に、有孔ボードを結束バンドで固定しただけ。有孔ボード専用フックは、雑貨屋さんやパーツ屋さんで色や形のかわいいものを探してきました。
本当はキッチンに棚を取り付けたかったのですが、賃貸なので付けるわけにもいかず。でも、この有孔ボードを1枚付けただけで、収納力はぐんと上がりました」
「無印良品」の壁付け家具に、新しい使い方を発見!
また、ご自宅のあちこちで見つけたのが、無印良品の「壁に付けられる家具シリーズ」の棚。
村田さん:
「過去に無印良品で働いていた経験もあり、ここの収納用品は大好き。
キッチンの壁に付けた棚には、ツールを吊り下げられるように、棚の表面からIKEAのマグネットナイフラックをビスでとめて取り付けました。
元々、このラックは壁付け用。壁に穴はあけられないので、あきらめていたんです。
でもある日、『無印良品の棚の表面に付けられる!』と発見して」
▲冷蔵庫の扉も収納に活用
納得いくものが売っていなければ、自分でつくる。その村田さんの姿勢は、インテリアのあちらこちらに感じ取ることができました。
キッチンツール、食器、調味料、ストック食材、家電……。キッチンに置かなければいけないものは案外多く、「いくら収納があっても足りない!」という方も多いと思います。
自分の行動パターンを見直して、家具の配置を変えたり、壁収納を取り付けてみると、いつものキッチンががらりと使いやすくなるかもしれません。
次回4話では、村田さんが実践している、部屋をきれいに保つコツ&収納アイデアをご紹介します。
(つづく)
【写真】有賀傑
もくじ
村田湖弓(むらたこゆみ)
生まれ育った北海道・札幌でエディトリアルデザイナーとして働いたのち、同郷の夫と上京。夫婦の趣味はプロレス観戦。現在は東京・二子玉川にある貼箱専門店「BOX & NEEDLE」でウェブショップを担当。店舗では講師による貼箱のワークショップも開催している。http://boxandneedle.com/
ライター 大野麻里(おおの まり)
編集者、ライター。美術大学卒業後、出版社勤務を経て2006年よりフリーランス。雑誌や書籍、広告、ウェブなどで企画・編集・執筆を手がける。ジャンルは住まいやインテリア、ライフスタイルなどの暮らしまわり、旅行、デザイン関係などが中心。現在、夫とふたり暮らし。
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