【柳沢小実の家づくり】第10話:新たな巣づくりを終えて。
柳沢 小実
こんにちは。柳沢小実です。
42歳になるまでずっと「賃貸派」だった私が、昨年ついに家を建てることになりました。
こちらの連載では、「暮らしやすさ」を第一に考えた、私なりの家づくりについて全10話で綴っていきたいと思います。
第10話
新たな巣づくり終えて。
わが家にとって大仕事だった家づくり。
今までは一人で巣作りをしていたけれど、今回は2人でチームを組んでいるという感覚がありました。
理系の夫には工法や電気系などを安心して任せつつ、私は間取りや生活動線、収納、インテリアなどの、ソフト面を担当。力を合わせてというよりは、適材適所。仕事のように進めたのが良かったようです。
夫はがつがつせず、ゆったりと構えているけれど、物事の細部までちゃんと見ていて、いざという時に頼りになる。いいものをスマートに選べるところや、金銭感覚なども含めて、相手への信頼度が増しました。
これまで、新居への引っ越しは、らくらくこなしていました。取捨選択や分類、梱包は得意ですし、新居で新たなシステムづくりをするのも、ゲームのようで楽しかったのです。
それなのに、今回だけはかなりしんどかった。物が増えたわけではないから、年齢なのか、それとも……。もう当分、引っ越しはいいやという気分になりました。
そんな風に、よっこらせと越してきて、数か月間はなんだか放心していました。引っ越し自体に疲れたというよりは、家を建てるために一年以上大きなプレッシャーを抱えていたからでしょうか。
夢見たマイホームのはずなのに、実際は幸せの絶頂からははるか遠く、むしろ長いこと抜け殻状態でした。物はすぐに収まりましたが、一息つけたのは半年くらい経ってから。今、ようやく落ち着いた気がします。
それもあって、まだインテリアは作りこんでいません。家具を置いただけで満足してしまって、絵の一枚もかけずに今に至っています。しばらくは余白を楽しみつつ様子を見よう。思いがけず、今のすっきり感が心地よいので、この先もこのままかもしれません。ただし、自分の仕事部屋だけはごてごて飾ったり、そのうちかわいい壁紙を貼ったりして作りこみたいと思っています。そういうアレンジができるのは持ち家の良さですね。
わが家はたまたまこの家づくりがきっかけになりましたが、家や暮らし方について真剣に考える機会が持ててよかったです。大変だったけど、面白かった。
居場所をひとつ得て、だからこそ、これからどこへでも行けるなとも感じています。戻ってくる場所があるから、ここを心のよりどころに、よりのびのびと羽ばたける。一緒に暮らす相手にもそうあってほしいと思っています。
家を建てると、海外や地方への赴任が決まるというジンクスがあるらしく、そんな打診も無きにしも非ず。「その時はその時だね」と笑いあっています。
(おわり)
【撮影】上原未嗣
もくじ
柳沢小実
衣・食・住・旅にまつわる著書多数。収納好きが高じて、整理収納アドバイザー1級を取得。ラクチンですっきりな収納法を日々研究している。著書に『これからは、がんばりすぎない 40歳からの暮らし替え』 『土曜の朝だけ! “きちんと” が続く週末家事』(大和書房)など。9月に「収納と家づくり」をテーマにした新著が発売予定。 http://www.furarifurari.com
▽柳沢小実さんの著書はこちら
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