【お坊さんのお悩み相談室】第5回:なんだかいつも忙しい…そんな毎日を変えることはできますか?
編集スタッフ 松浦
家事や子育て、日々の仕事。私たちのくらしには、小さなことから大きなことまで「悩み」がつきものです。
連載「お坊さんに聞く、くらしの悩み相談室」は、日々のモヤモヤを、お坊さんに答えていただく新連載。
クラシコムのオフィスに「くらしのお悩み箱」なるものを設置し、スタッフのくらしの悩みを集めました。
お答えいただくのは、著書『お寺ごはん』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)なども人気の、浅草・湯島山緑泉寺 僧侶の青江覚峰さん。優しい笑顔が印象的な、3児の父でもあります。
朝食を食べて、余裕を持って会社に出勤。バリバリ仕事をこなして、毎週休日はどこかに出かけたい。一方で、地に足をつけて将来のことも考えていたい…… 果てしないな〜と思ってしまいます。
もっと前へ、もっと上へと、毎日必死な自分の心に、責め立てられているような気がして、なんだかいつも忙しい。もっと楽に生きられたら。(スタッフT)
早起きをしてバリバリ仕事をし、充実した週末、適度な刺激、将来の安心。人間とはかくもよく深きものよと自省します。
それだけたくさんのことを望んだら、たしかにどんどん「楽」から遠のいてしまいそうです。実際、もしそれを全て実行したら、とても楽ちんな生き方とは言えないでしょう。
相談者の方が抱えているお悩みは、実は「楽をしたい」ではなく、欲求から開放されて「楽な気持ちで生きたい」というものではないでしょうか。つまり、求めているのは「暮らしのあり方」ではなく、「心の持ちよう」なのだと思います。
それなのに、もっと前へ上へと求めてしまう原因は何でしょうか。
わたしはズバリ、情報過多だと考えています。
人間の脳は、情報が多いほど疲れるようにできているといいます。
例えばのどかな田舎道を運転しているのと、大都会のど真ん中を運転するのとでは、疲労度合いが全く違います。それは、入ってくる「情報量の差」によるものではないでしょうか。
5つも6つも先の信号まで目に入る、何層にも折り重なるカラフルな看板に多様な音、どこから人が飛び出してくるかもわからないような場所で運転するのは、とても気を張るものです。
かといって、突然運転をやめるわけにはいかない。でもつらい、疲れてしまう。
そんなときは、一度情報をシャットアウトして脳をリセットしてみるとよいでしょう。運転中であれば仮眠をとるのもよいですし、車から下りてお茶を飲むのも一案です。
冒頭のような日々の暮らしの中では、散歩とか、お風呂に入るとか、手っ取り早く寝てしまうとか。
大切なのは、ちょっと疲れた、楽になりたいと感じたら、自分が頑張りすぎているということを自覚することです。
もちろん頑張りたいことがあるなら、無理に諦める必要はありません。でも意識していったん気持ちをリセットしてみること。これが気持ちを楽に生きるコツではないでしょうか。
青江覚峰
もくじ
僧侶 青江覚峰
浄土真宗東本願寺派 湯島山緑泉寺住職。米国カリフォルニア州立大学にてMBA取得。料理僧として料理、食育に取り組む。「暗闇ごはん」代表。超宗派の僧侶によるウェブサイト「彼岸寺」創設メンバー。
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