【おうちで北欧映画祭】第3話:全てを照らさなくていい。『街のあかり』に見る灯りの楽しみ方
編集スタッフ 松浦
冬はお家にこもって、ぬくぬくしながら映画をたのしむ時間が好きです
時代や国ごとに絞って観たり、ジャケットが青い映画だけををセレクトして観たり、切り口を変えるだけで、グッと楽しくなるのも魅力のひとつ。
そんなおうち映画をちょっと楽しくするアイディアを、今回は私たちの大好きな北欧映画から集めました。一緒に考えてくれたのは、スウェーデン出身で、映画好きのナタリーさん。
ますます冷え込むこれからの季節。「今日は家にこもってぬくぬくしよう!」そう決めた日には、ちょっと楽しいおうち映画を試してみませんか?
スポットライトのような照明が印象的な
『街のあかり』の灯り
最終話は、フィンランドのアキ・カウリスマキ監督の『街のあかり』をご紹介します。
主人公は、ヘルシンキの警備会社で夜警として勤務する孤独な男、コイスティネン。そんな彼が、ある魅惑的な女と出会うところから物語は始まります。
登場人物の無表情でユーモラスな演技はもちろんですが、劇中に登場するレトロなインテリアや、絵画のような色彩もこの作品のみどころ。
中でも、この作品全体を静かな空気に仕上げている灯りは、注目したいところ。全体を照らすのではなく、一点だけを照らし、まるでスポットライトのように登場人物に灯りがあたっています。
キャンドルでの灯りで、映画を観る
そんな『街のあかり』の特徴ある灯りをロウソクで再現しました。
静かで孤独、ただどこか暖かい独特の灯り。日常の暮らしではなかなか出会わない灯りに、ちょっとワクワクします。
主人公のコイスティネンが、謎の女、ミルヤをもてなすために用意したベーグルを添えれば、気分もぐっとあがるはず。
全てを明るく照らすのではなく、光と影を大切にする。『街のあかり』を観ていると、前に見た北欧の灯りを思い出しました。
ナタリーさん:
「北欧では、部屋全体を明るく照らす蛍光灯よりも、小さなオレンジの灯りが好まれます。日本人から見たら暗いと思われるかもしれませんね。
また、キャンドルも欠かせません。窓際には、ljusstake(ユールスターケ)というキャンドルスタンドを置いて、薄暗くなってきたら少しずつ灯りをともしていくんです。
冬はやっぱり暗くなるのが早いので、キャンドルは無くさないようたくさん保管してます。12月だったら3時くらいには暗くなりますよ」
窓からこぼれる柔らかな灯り。冷たく、暗く、寂しい北欧の冬では、そんな街の灯りがまるで希望の光のように人々を照らします。
これからさらに冷え込み、冬も本番。家で過ごす時間も自然と増えるこの季節、こうやってキャンドルや暖かい灯りのなかで、映画を楽しむのもいいですね。
ちょっと見方を変えるだけで、もっと楽しくなるお家映画。料理を作ってみるもよし、インテリアを取り入れてみるもよし……
昔観たあの映画も、自分だけの楽しみ方を見つけられるかもしれません。
(おしまい)
『街のあかり』
製作:2007年
監督:アキ・カウリスマキ
主演:ヤンネ・フーティアイネン
販売元:デイライト
Laitakaupungin valot © 2006 Arte, BIM Distribuzione, C More Entertainment, Finnish Film Foundation, Pandora Film, Pyramid Productions, Sputnik Oy, YLE TV-1, ZDF All Rights Reserved.
もくじ
ナタリー
スウェーデン・ストックホルム出身。3年前に来日し、会社員として働くかたわらフリーランスモデルとしても活躍中。好きなものは、映画とカメラと、朝ごはん。不定期でスウェーデンの朝食イベントも主催している。
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