【訪ねたい部屋】第2話:子どもがいても、きれいをキープ。「がんばりすぎない」おかたづけ
ライター 藤沢あかり
友人の部屋を訪れたときの、わくわくするような気持ち。そこには、「その人らしさ」を知る嬉しさや楽しさがあるのかもしれません。
お宅を訪問し、インテリアを拝見しながら「その人らしさ」を紐解く特集「訪ねたい部屋」を全3話でお届けしています。
今回は、料理を作って食べる楽しさを等身大で伝えてくれる、人気の料理教室「おいしい週末」を主宰する近藤さんのお宅へ。
2話目では、小学5年生と5歳の子どもたちと暮らしながら自宅で教室を開催する近藤さんの、収納や片付け方の工夫を伺います。
1アイテム1引き出し。一目瞭然の収納で、家族みんなが使いやすく
友人の家具デザイナーにオーダーしたという本棚と大きな食器棚。この2つが、近藤さんのお宅の収納の要です。
本棚は長く愛用していたものでしたが、リノベーション時に、さらに追加で造作をリクエスト。それが、「たくさんの引き出し」でした。
所在なくなんとなく散らかり気味だったもの……たとえばハンカチやティッシュ、マスク、文房具、領収書、子どものこまごまとしたヘアゴム。そんな、小さいけれど、リビングにぽつりぽつりと置かれては、どんどん増殖してしまうアイテムというのが、どの家庭にもきっとありませんか。
たくさんの引き出しは、そんなこまごまを、まとめて引き受けてくれる懐の深さです。
近藤さん:
「ポイントは、1引き出し1アイテムにしているということ。
あとは引き出しにポイポイ投げ入れるだけでも気にしません。この中が、多少散らかっていても問題なし。ここを開けたら入っている、ということがわかるので、子どもたちも自分で出し入れできます。なくしやすい子どもの靴下もここに入れているんです」
▲引き出しは、あえてストッパーを設けずに取りはずせるようにしてもらいました。ヘアゴムも文房具も、使いたいときに使いたい場所へ持ち運べます。
おもちゃは仕分けない!親も子もうれしい「ざっくり」収納
ダイニングと隣接するリビングは、おもちゃや学習用品をおさめた子ども部屋の役割も担っています。
ガラス引き戸でゆるやかに区切られているものの、教室の際にはここも生徒さんたちの目に触れるオープンなスペース。そのため、さっとリセットできるのはとても大切なこと。
おもちゃは、ざっくりとかご収納にしています。
近藤さん:
「子どもって、いろんなおもちゃを混ぜて遊ぶんですよね。
お人形あそびでも、ほかのブロックやままごとセット、折り紙……、いろんなものを組み合わせて、自由に遊んでいます」
近藤さん:
「種類別に分けてしまいたいと思っていたんですが、そうすると片付けるときにまた仕分けが必要で、子どももうまくできないんですよね。結局、これはこっち、これはあっちなのに……!と、自分がイライラする原因に。
だから、その時に子どもが遊んでいるものをひとまとめにして、ざっくりとしまうことにしました。
なんとなく今のブームみたいなものがあるので、子どもも何がどこにあるのか把握しているし、今欲しいものが集まっているので満足するみたいです。
時々子どもたち自身でも中身を入れ替えているし、私がちょっと時間をおいて別の “ざっくりかご” を出してきたら、それで新鮮に遊んだりもしていますね」
ご機嫌になれる住まいの決め手は、“快適” のさじ加減
▲右の大皿をしまっている棚は、元はオーディオラックとして作ってもらったもの。奥行きを生かして、今はこんな使い方に。
近藤さん:
「おもちゃだけじゃなくて、キッチンやダイニングでも同様です。
ジャンル分けした引き出し収納に対して、充電器やハサミなど、しょっちゅう使うし、しまいこむほどでもない、というものはざっくりとカゴに入っています。だいたいこのへんを探ればあるよ~って、家族もわたしも理解しているから大丈夫!」
▲自然素材の雰囲気の良いかごを選んだり、クロスでさっと目隠しをしたり。「がんばりすぎない」ざっくり収納にも、美しさをキープするポイントが。
近藤さん:
「ひとつひとつ、ものの住所を決める収納にももちろん憧れます。でも、私の場合は決めすぎてしまうと、自分や家族が守れなかった時に、きっとイライラ、ピリピリしてしまうんです。
自分の決めたルールで自分の首を絞める前に、そういうのは手放しました」
だからといって乱雑すぎては、自分自身も落ち着きません。「OK」と感じられるラインと、ゆるさとのバランスは人それぞれです。
近藤さん:
「特に私の場合は、料理教室という側面もあります。
料理を習いにいらっしゃる方たちは、レシピそのものの習得だけでなく、ちょっと日常から離れた場所で楽しみたい、という人も多いと思うんです。
教室と私たちの暮らし、この空間でその両方ができるよう、ほどよさを探っているところです」
すてきに暮らしながらも、実は “がんばりすぎない” 近藤さんのスタイルは、私たちをちょっとホッとさせてくれました。住まいは、自分たち家族がくつろぎ、楽しく過ごす場所。快適に過ごしたいことを頑張りすぎて、疲れたりイライラするのでは本末転倒です。
自分らしいそのさじ加減をうまく見つけることが、忙しい毎日にご機嫌さをプラスするコツといえそうです。
最終話の次回は、近藤さんが “がんばりすぎない” にたどり着いたその理由を伺います。
(つづく)
【写真】木村文平
もくじ
近藤幸子
料理研究家、管理栄養士。作る楽しさとおいしさを気軽に、という思いから始まった料理教室『おいしい週末』を主宰。雑誌やテレビなど各メディアで、シンプルながらも気の利いたレシピを数多く提案している。http://oishisyumatsu.com
ライター 藤沢あかり
編集者、ライター。大学卒業後、文房具や雑貨の商品企画を経て、雑貨・インテリア誌の編集者に。出産を機にフリーとなり、現在はインテリアや雑貨、子育てや食など暮らしまわりの記事やインタビューを中心に編集・執筆を手がける。
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