【スタッフコラム】面倒くさいを、愛してみたら
編集スタッフ 塩川
夕食の献立は、だいたい帰り道で考えます。
昨年のとある水曜日。このところ忙しかったし、夕食を作るのは面倒くさい。けれど、外食という気分でもない。そんな夜がありました。
電車に揺られながら、家にある食材を思い浮かべると、台所の片隅に佇むのは、かぼちゃ一玉とさつまいもが数本。
それは数週間前に「畑でとれたよ〜」と、富山に住む伯母から送られてきたもの。日持ちもするし少し手間がかかるから、週末に料理をしようと思いつつ、先延ばしになっていました野菜たちです。
こんな気分の夜だからこそ、あえてかぼちゃとさつまいもでシチューを作ってしまおう! そう決め、玉ねぎと鶏もも肉と豆乳を買い足し、家路につきました。
台所に立ち、かぼちゃは中途半端に残すのも……と思ったので、意を決して一玉使い切り。
レンジでチンしてから切れば、想像より手間はかかりませんでした。
普段はできるだけ時短に、サッと済ます夕食の支度。この日はいつもより時間をかけて、無心で鍋いっぱいのシチューを作る。
これが手前味噌ですが、とっても美味しくできたんです!
かぼちゃとさつまいもの甘みがじわ〜っと広がって、疲れていたわたしの体は、いまこの味を求めてたんだなと実感でき、心まで満たされた気分になりました。
伯母が作った野菜だから、よりいっそう美味しく思えたのかもしれません。
忙しいときや疲れているときこそ、あえて「手間がかかること」を選ぶ。そうすると想像以上に、得られるもの感じられるものがあるようです。
ささやかですが「面倒くさいを、愛してみる」。それが、ここ最近のテーマです。
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