【ケの日のこと】全部が全部、「できる」必要もまたないさ。
「家族と一年誌『家族』」編集長 中村暁野
第31話:ケの日の「できた」
先日息子が2歳の誕生日を迎えました。びっくりです。
現在8歳になる上の娘を育てていた時、日々葛藤の連続で、2歳になるまでの時間は果てしなく長く長く感じていました。一方息子は、「え、もう2年経ったの?!」と感じるほどにあっという間に過ぎ、何か悩んだ記憶も特になし……。もちろん2人の性格のちがいもあると思うのですが、でも、今こんな気持ちでいられるのは、娘が幼い時、悩みに悩んだ日々あってこそだよなあとも思うのです。
初めての子育てに腕まくりして、無意識のうちに自分と子供を理想に当てはめようとしていたあの頃。どうして偏食なんだろう、どうして字を読んだり書いたりできないんだろう、と娘の「できない」ことばかりに目がいって、自分のことも娘のことも責めてしまっていた気がします。本やネットで得た知識を総動員して頑張っても、できないことうまくいかないことは山のようにありました。わたしがなにかいけないのかな、と思ったこともありました。
でも、悩むわたしの横で、マイペースだけれどしっかりと成長していく娘の姿を見ているうちに、「できない」ことを気にするよりも、「できた」ことをいっぱい見つけたほうが、わたしも子供も幸せだ、と思うようになったのです。
2歳になった息子は今も、夜は2時間おきに起きるし、授乳は辞められていないし、ごはんをじっとして食べられないし……と、これをできたらなあ、と思うことがないわけではありません。けれど、それを気にするよりも、坂道を走れるようになった、名前を言えるようになった、朝泣かずに起きられるようになった、となんてことないケの日の中で「できた」ことを喜んでいるうちに、いつのまにか気づいた時にはできなかったこともできるようになっていく。子供ってすごいなあ、と思います。
周りの子よりも字を読むのも書くのも遅かった娘は、今では本が大好きで、自分で物語をノートに書き綴っては見せてくれるようになりました。九九には四苦八苦している様子ではありますが、全部が全部、「できる」必要もまたないさ、と思います。だって、娘が書く物語はとっても面白くって、見せてもらうのがそりゃあ楽しみなのですから。
【写真】中村暁野
中村暁野(なかむら あきの)
家族と一年誌『家族』編集長。Popoyansのnon名義で音楽活動も行う。8歳の長女、2歳の長男を育てる二児の母。2017年3月に一家で神奈川県と山梨県の山間の町へ移住した。『家族』2号が1/14に刊行。現在販売中。http://kazoku-magazine.com
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