【台所道具のいろは】まな板編: 黒ずみはどうする?削り直しは必要? 気になる悩みを相談しました

木のまな板の削り直しのタイミングや黒ずみができてしまったときなど悩むことありませんか? そこで、毎日の洗い方、素材別の特徴や、使い分けのコツを含む素朴な疑問を、料理道具のプロに聞きました。

編集スタッフ 小林

毎日のようにする台所仕事だけれど、その道具のお手入れには、自信がないのが本音です。

けれどその道具たちを、長く大切に使うことができたなら。今よりも気持ちよく、日々の台所仕事に向き合えるかもしれない。

そんな想いから今回の特集では、合羽橋にある老舗の料理道具専門店「釜浅商店」に、「台所道具のいろは」について教えてもらいに行きました。

第1話では「包丁」のいろはを伺いました。この第2話では、包丁の相棒「まな板」のいろはについて、詳しく教えていただきます。

小林は現在、いちょうの木のまな板を愛用中。けれど、黒ずみや傷が目立ってしまい、どうしたらいいのか悩んでいて……。

そこで、実際に見てもらいながら、気になる疑問をぶつけてきました。

 

毎日きれいに「まな板」を使うには?

──使い終わったらきちんと洗っているつもりなのですが、なぜかまな板が、どんどん汚なくなっているような気がします……(泣)

百合岡さん:
「まな板を洗うときは、スポンジよりも、たわしで洗いましょう

スポンジは面で洗うので、包丁で削れた部分に食材が残ってしまい、黒ずみの原因になることが。たわしなら溝を掻き出すようにして、しっかりと洗うことができます。

また木のまな板は、食器用の洗剤だと木の持つ油分を取り除いてしまうので、クレンザーか塩で洗うのがオススメですよ」

 

毎日使うときに注意することは?

百合岡さん:
「まな板を使う前に必ず一度水にくぐらせてから、使うようにしてください。水による膜ができるので、食材の匂い、菌がつきにくくなりますよ。

使い終わったら、風通しの良いところに立てかけて、陰干しをしてくださいね」

 

すでにある黒ずみはどうしたらいい?

百合岡さん:
「木のまな板は天然素材なので、成分を吸い込んでしまったり、傷めてしまったりするので、漂白剤の使用はおすすめしません。

木のまな板で黒ずみに困ったら、ぜひ『レモン』をこすってみてください。もちろん絞り終わった、捨ててしまう前のものでOKです。黒ずみが少し薄くなりますよ。

レモンには脱臭効果もあって、良い香りもしますから、匂いが気になるときにもぴったり。

プラスチックのまな板の黒ずみは、漂白剤を使用しても大丈夫です」

 

深い傷がたくさん。削り直したほうがいいですか?

──わたしのまな板、深い傷がたくさんあるんです。これは削り直しをお願いしたほうがいいのでしょうか?

百合岡さん:
「このくらいなら、削り直す必要はありません! まだ凹んでいるわけではないので、しなくて大丈夫。このせいで削るのはむしろ勿体無いです。わたしの家のまな板も、このくらいの傷がありますよ。

まな板の削り直しも、包丁を研ぐのと考え方は一緒。木を削ることでまな板自体が減っていくことになりますし、薄くなればなるほど反りやすくなってくるので、必要なときだけで大丈夫です。

ただ、傷の深いところに汚れが残りやすいと思うので、洗うときは是非たわしをつかってください」

──どのくらいの状態で、削り直しをするべきか悩ましいです。

百合岡さん:
「例えば、まな板が反ってがたついていたり、カビだらけになってしまったときなどですね。

あと包丁はまっすぐなのに、切ったはずの食材が切れていない状態になったときも、削り直していいと思います。

まな板も使いすぎると、真ん中の部分が凹んでしまうことがあります。そうなると包丁がいくら切れるものでも、うまく切れなくなってしまうので、なんだか使いにくいなと思ったら、平らかどうかを確認してみてください」

 

まな板は使い分けたほうがいいの?

──実はわたし、食材ごとにまな板を使い分けていなくて。衛生的にも、新しいものを買い足したほうがいいのか、迷っています。

百合岡さん:
「絶対分けなきゃいけない、というわけではありません。

分けるのであれば、ニオイのつきにくいお野菜は木で、衛生面が気になる肉・魚は漂白ができるプラスチックにする、などがおすすめです。

何枚も揃えられないという方は、まな板の『表と裏の両面』で使い分けてもいいですよ。

特に木のまな板は、両面に水を吸わせてあげたほうが、反りにくくなってまな板にとっても良いんです。

ぜひ、両面を均等に使ってあげてください」

 

素材別の特徴を教えてください!

▲左から、プラスチック、ゴム系、プラスチック(黒)、木材。黒いまな板は食材がよく見えるのだとか!

──まな板っていろいろなものがありますが、どれを選んだらいいのか、いまいちよくわかっていません。

百合岡さん:
「まな板を素材別に大まかに分けると、プラスチック、木材、ゴム系の3種類があります。

プラスチック:漂白剤の使用可能な素材なので、衛生的に使える。ただ木材に比べると、刃あたりは硬め。

木材:漂白剤の使用は天然素材のため、オススメできない。包丁のことを考えると、刃あたりが優しいので良い。『ひのき』や『イチョウ』など、本来の木がもつ抗菌力が高いものを選ぶと、カビ対策に。

ゴム系:漂白剤の使用可能な素材で、プラスチックと木材の中間くらいの弾力。ただ熱に弱く、木材に比べると重い。

それぞれに特徴が違うので、何を大切にしたいか、ご自身の好みに合わせて選ぶといいと思います」

 

丸と四角だったらどっちがオススメ?

百合岡さん:
「素材だけでなく、さまざまな形や大きさのまな板があります。

一般的な長方形ものは、ネギなどの長いものを切るときに便利ですし、このような丸い形のものは、回しながら使って、一枚でいろいろな食材を切ることができます。

どちらがいい!ということはないので、自分の台所の大きさや用途に合うサイズを選ぶといいですよ」

百合岡さん:
「長く使いたいのであれば、厚みがあるものを選ぶと、反りにくいのでいいと思います。

それに削り直しは、あまりにもひどい状態だと1cmほど厚みが減ってしまうことも。なので厚みがある方が、削り直しには向いています」

買ったときはキレイだったのに、どんどん変わっていくまな板の様子に、ひっそりと自信を無くしていました。

けれど、このまま削り直しなしで使って大丈夫!と太鼓判を押していただいて、ひと安心。これからはしっかり洗おうと、早速たわしも購入しましたよ。

第3話では、憧れていたけれど自分にお手入れができるか不安だった「鉄フライパン」と「行平鍋」について、教えていただきます。

(つづく)

【写真】木村文平

 


もくじ

 

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釜浅商店

明治41年に合羽橋にて創業。「良い道具には良い理(ことわり)がある」を信念とし、100年以上もの間、プロの料理人や道具と向き合ってきた「良理道具(りょうりどうぐ)」専門店。包丁・まな板・鉄鍋などをはじめとした、数多くのこだわりの道具を取り扱っている。2018年5月にはパリのサン=ジェルマンにも店舗を、2019年10月にはサンフランシスコにインショップもオープンし、海外でも愛されている。

営業時間:10:00~17:30
定休日:年中無休(年末年始を除く)
Web:http://www.kama-asa.co.jp/
住所:東京都台東区松が谷2-24-1


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