【ラクして続けるお弁当】第2話:作り続けて30年のプロが推す、お弁当箱と調理グッズ

編集スタッフ 奥村

今年こそ、お弁当作りを続けたい。今回秘けつを教わりにいったのは、お弁当コンサルタントの野上優佳子(のがみ ゆかこ)さん。自分と家族のお弁当を30年作り続けてきたというベテランです。

ラクして続けるためのマイルールを伺った第1話に続き、第2話の今回はアイテム選び。お弁当箱やあると便利な調理グッズを教わります。

 

300以上の弁当箱を試して行き着いた「いち推し」は?

▲海外で買い集めたものから、日本の民芸品まで。これでもまだごく一部だそう

今までに300以上のお弁当箱を試してきたという野上さん。ご自宅の引き出しにはたくさんのお弁当箱コレクションが並んでいます。

その中でも、はじめに買うならこれ!という野上さんおすすめのお弁当箱を伺いました。

野上さん:
「大人向けなら、やはり『曲げわっぱ』がおすすめです。素材や形・色合いも様々なものがあるので自分好みを探すのも楽しいですよ。

使いづらいんじゃないか?と一見ハードルが高く感じるかもしれませんが、漆やウレタンで塗装されているものを選べば、色移りも気にならずどんなおかずでも入れられます。

無垢材ならぬるま湯とスポンジで洗って、しっかり乾かせばOK。塗装されたものは他のお弁当箱と同じように洗剤で洗えるので、お手入れも難しくありません」

野上さん:
「天然木は余分な水気を吸ってくれるので、ごはんがふっくらしておいしいですし、水気のあるおかずを入れても汁漏れしにくくて◎。サンドイッチも湿気を気にせず入れられたりと、実はすごく実用的でもあるんです。

でも、何より一番の魅力だと思うのはその佇まい。梅干しとごはんを入れるだけで、頑張らなくても格好がつくのがいいんです。使うのが楽しみになって、愛着がわいてくるはずです」

 

子供用なら「ステンレス」がおすすめ

野上さん:
「子供向けのお弁当箱なら、なんといってもステンレス製。わたしは『工房アイザワ』のものを使っていました。

理由はとにかく丈夫なこと。落っことしても壊れたり凹んだりしづらいですし、子供がおかずを残して帰ってきても、匂いがつきにくいのもいいところです。

熱伝導がいいので、夏場は保冷剤がよく効くのも魅力。

バックル付きのものは小さなお子さんだと外しにくいことがあるので、ないものがおすすめ。汁漏れしにくいパッキン付きを選ぶといいですよ」

続けるためにと思ってお弁当箱を探すと、つい実用的なものを選びがち。けれどもっと素直に、毎日手に取りたくなる「好きな見た目」のものを選ぶといいと野上さん。

野上さん:
「お弁当箱って一見似た大きさでも、じつは容量や詰めやすさがひとつひとつ全然違うんです。わたしもいまだに新しいものを試すたび、おかずの量や詰め方の調整が難しいなと感じるくらい。

だからまずは気に入ったひとつを使い続けてみましょう。お弁当箱に慣れると、ぐっと作るのがラクになるはずですよ」

 

 

効率アップに、あると便利な調理道具は?

毎朝たった15分でパパッと作るという野上さん。効率的な調理のために愛用している道具を教えていただきました。

 

①同じ大きさの片手鍋とフライパン

▲野上さんは3口コンロの手前2つでおかずを作り、奥の1つでごはんを炊きながら同時調理するそう

野上さん:
「コンロの隣同士に並べても余裕があるくらいの、大きすぎないフライパンと片手鍋があるとおかずの同時調理に便利です。わが家では直径18cmのものを使っています。

同じ大きさだと便利なのは、同じフタが使いまわせること。鍋にフタをしてお湯をわかしたら、炒めたおかずにフタをしてさっと蒸し焼きに、みたいにスライドできるので動線がラクなんです」

 

②脚つきのざる・網

野上さん:
「できあがったおかずは冷めてから詰めるので、できるだけ早く粗熱をとるのもポイント。そんな時おかずの一時置きとして、脚つきのざるや網があると便利です。

例えば茹で野菜は足つきのざるにあげれば、そのままキッチンに置いて水気と粗熱がとれます。

また、私が愛用しているのは脚つき網をバットにはめたもの。ここにキッチンペーパーを敷き、できあがったおかずを順に並べていっています。

普通のお皿に置くより油も切れつつ早く熱が冷めますし、まとめて置けるので洗い物の手間も省けますよ」

 

③持ち手の長い軽量カップ&スプーン

野上さん:
「なにかと便利な計量カップとスプーンは、もしも次買い換えるなら、柄の部分が長いものを選ぶのがおすすめ。わたしはどちらも『工房アイザワ』のものを使っているのですが、柄が長いだけでいろんな使い方ができるんです。

例えば計量カップなら、おたま代わりに。熱い鍋に差し込んでも熱くなりません。

野上さん:
「計量スプーンも、柄が長いと瓶や袋物の調味料に差し込みやすくて便利。また、炒め途中のフライパンに差し込んでも熱くないので、味見用に使ったり、タレを回しかけたりと、これ1本であらゆる工程に使えます」

野上さん:
「ささやかですが、調理用と計量用、2つの用途で道具を使い分ける必要がなくなるだけで動線が格段にアップして、洗い物の手間も減ります。

そうやって1つの道具で使い道をいろいろ見いだせると、調理がもっとスムーズになりますよ」

 

フライパンを洗わずに、おかず3品だって作れちゃいます

すいすいすい…と慣れた手つきで、おすすめの道具を使いながらお弁当作りを進める野上さん。

でも、おすすめしてくださったアイテムはどれも「お弁当用」といったわけではなく、日々の料理にも使いやすいデザインとサイズ感のものでした。

野上さん:
たとえば小さな卵焼きフライパンや、いくつもおかずが調理できる仕切りのついたフライパンなど、お弁当向けの調理道具もいろいろとありますよね。もちろんあれば便利なのですが、道具が増える分、収納や手入れの手間が増えて負担になることも。

卵焼きなら丸いフライパンでも作れますし、何品かのおかずを作るなら、汚れや匂いのつきにくいものから順に(卵焼き→野菜炒め→肉料理など)調理していけば、ひとつのフライパンを洗わずに最後まで使えます」

野上さん:
「新たに道具を増やすより、毎日使い慣れている道具ひとつで作れた方が、ずっとラクに感じるはずです」

今ある道具で大丈夫。と思えたら、また少し調理のハードルが下がる気がしました。

続いては、「まずはこの2品があれば大丈夫」という、鉄板レシピを教わりました。これさえ覚えれば、具材や調味料を変えるだけで一週間が乗り切れそう。汎用性が嬉しい、ボリューム満点のおかずです。

(つづく)

【写真】木村文平


もくじ

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野上 優佳子

料理家・弁当コンサルタント。新聞、雑誌、テレビなど多メディアで活動しながら、汎用性と実用性の高いレシピを提案している。プライベートでは社会人から小学生まで2女1男の母。

▼野上さんの著書はこちらから


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