【甘美な夜ふかし】第1夜:深夜のお楽しみは、ねぎラーメンと星空さんぽ
編集スタッフ 小林
夜ふかしって大好きです。
本当だったら早く寝たほうがいいに決まってる。でも、だからこそ、好きなんです。
そこにある少しの背徳感と、とまらないワクワク。しんとした夜を自由に過ごす開放感に、心地よい孤独。 そう、オトナの夜ふかしの魅力は理屈では説明しきれない、奥深いもの。
そこでこの特集では、全3夜にわたって、夜ふかしの奥深い魅力をお届け。私たちの理想を詰め込んだ、あるひとりの女性の「夜ふかしの楽しみ方」を考えました。読みながら、ちょっとした夜ふかし気分を味わっていただけたら、嬉しいです。
第1夜
深夜のインスタントラーメンと星空さんぽ
ごはんも食べた、お風呂も入った。けど小腹が空いた。そして明日はおやすみだ。
そんな気分の夜ふかしには「わたしラーメン」がぴったり。それはなんてことない、インスタントラーメンを自分の好きなようにつくって食べること。けれどこれが、とびきりおいしいんだな。
今夜の具材は潔く、ねぎだけで。まるまる1本、全部入れてしまおう。
22:30
わがままに、完璧なラーメンをつくりたい
切ったネギはごま油でさっと炒め、透きとおってきたら、お水を入れて煮る。グツグツしてきたら、麺を投入。袋の茹で時間を確認する。
だけどこれは「わたし流」ラーメンだから、ちょっと早めに火から降ろして、麺を硬めに仕上げたい。ここはタイミングが命、目を離すべからず。
茹でている横で、粉をどんぶりにあけておく。これは最近見たドラマで知った方法、気持ちが高まる、ちょっとした手順。
22:35
夜のたっぷりバターだって、お構いなし
ほどよく茹で上がったら、ラーメン屋さんみたいに、熱々のスープをどんぶりに注いで盛り付け。
最後にとっておきの隠し味、仕上げのバターをたっぷりと。夜中だけど気にしない。黒胡椒もかけすぎちゃったけど、これはこれでよし。食べたいものを食べる。
いろいろと散らかしたから片付けたいけど、ぐっとこらえて、熱々のうちに食べなきゃ!
22:40
本能のままに、夢中で食べたら
食べるときは本能のままに、夢中になって。ごま油とバターの織りなす「罪の味」は、心も身体もぽかぽかに温めて、しっかり満たしてくれる。
食べ終えた後は、放心状態に。しっとり汗ばんだ身体や、勢いでラーメンを食べてしまった自分の衝動も、だんだんとクールダウン。
熱気で曇った窓ガラスを眺めていたら思いついた。深夜にラーメンを食べちゃったことだし、せっかくだからこの勢いで散歩に行こう。
23:00
夜の散歩で、カロリーをなかったことにしちゃう
部屋着の上にコートを羽織って、マフラーをぐるぐる巻いて。だけど靴はいつものお気に入りをはいて。いつもは出かけない時間に、家を出る。
しんとして澄んでいる、冬の空気の中。ただの素の自分を晒していると、ぼんやりとした暗闇の中で、体の輪郭が滲んでいるような気がしてくる。
明るすぎない夜の闇は、無防備なわたしに優しいなと、ふと思う。
23:10
気ままに星空を眺めるのって、贅沢だ
そういえば最近空を見上げたのって、いつだろう。星座のことあんまりわからないけどオリオン座だけは知っている。曇っていてわかりづらいけどあれって、そうかな?
自分が思っているよりも、普段は足元をみながら生きているのかもしれないな、なんて気づく。
頰がひんやりしてきた。
そろそろ家に帰って、歯を磨いて、ぐっすり眠ろう。明日は何時に起きようかな。
(第1夜 おわり)
【写真】安川結子
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