【至福の「丸焼き」おつまみ】第2夜:甘いとしょっぱいを同時にほおばる。バナナ編
ライター 片田理恵
ライター兼フードコーディネーターの渡辺ゆきさんに、夏の夜に食べたい丸焼きレシピとその楽しみ方を伺っています。ガスコンロでも携帯用コンロでも、火に直接網を乗せて焼くだけの「丸焼き」は、焼けていくその過程まで味わえるのが醍醐味。今夜は、バナナを皮ごと1本焼いて作る前菜とデザートをご紹介します。
いつもの場所、いつもの味が、ちょっと特別になるんです
渡辺さんはマンション住まい。夏のこの時期になると、リビングに面したベランダにランタンと携帯用コンロを持ち出して、快適に過ごせるようにしているといいます。この撮影を担当してくださったご主人・小林キユウさんは、ベランダでコーヒーをいれて飲み、昼寝をするのが日課なのだとか。
渡辺さん:
「一般的な普通の住宅のベランダです。洗濯物を干したり、植木の鉢が置いてある生活空間。だけど日暮れどきに、たとえばランタンをひとつ灯すだけで雰囲気がガラッと変わるんですよね。ワインの入っていた木箱を並べて簡易テーブルにして、冷えたワインを飲みながら、小さなコンロでこじんまりとバナナを焼く。いつもの場所、いつもの味が、ちょっと特別になるんです」
皮が真っ黒になったら食べごろの合図
バナナの丸ごと焼き
生ハムのピンチョス/ギリシャヨーグルト添え
「ピンチョス」は、スペイン北部およびバスク地方のバルでよく見かける気軽な食べ物。小さくカットしたパンやクラッカーに好みのチーズやハム、野菜をのせて食べる料理です。本場でもよく食べられている塩気のきいた生ハムにバナナを合わせるのが渡辺さん流。
渡辺さん:
「焼けたバナナは生よりもさらに甘みが強いので、合わせるお酒はキリッとよく冷えた白ワインがおすすめ。家で楽しむアウトドアは、冷蔵庫がすぐそこにあるというのもうれしいですよね」
材料(2~3人分)
生ハムのピンチョス
バナナ…1本
生ハム…1パック(100g)
クラッカー…適量
ギリシャヨーグルト添え
バナナ…2本
ギリシャヨーグルト(無糖タイプのもの)…1カップ(100g)
インスタントコーヒー…少々
作り方
焼き網にバナナをのせ、両面が黒っぽくなるまで、中火で10〜15分ほど焼く。焦げすぎるようであれば、網とバナナの間にアルミホイルを敷くとよいそう。
指で触ってみて、バナナが柔らかくなっていたら焼き上がり。
バナナのあら熱が取れたら皮をむく。
生ハムをたたんでクラッカーにのせ、その上にスプーンですくったバナナを添える。あれば、ピックを刺す。
お次はデザート。
こちらはカットをせず、あら熱をとったバナナの皮をむいたら1本丸ごとお皿に盛り付けるのがおすすめだそう。ギリシャヨーグルトをのせて好みでインスタントコーヒーをふれば完成です。市販のギリシャヨーグルトではなく、プレーンヨーグルトの水気を切って使うのももちろんOK。
渡辺さん:
「丸ごと焼くって、作業としてはとても簡単なんです。でも、ちょっとひと手間かかる。網を用意したり、焼けるのを待ったり。屋外なのか室内なのか、火力の強さはどうか、風があるかなどの環境の違いで、焼きあがるタイミングも変わってきますしね。そんなところも、予定のない週末の夜のお楽しみにぴったりだと思います」
お酒が進む、会話が弾む。おいしいってすごい。
「丸焼き」おつまみ第2話、いかがでしたか。甘いとしょっぱい、熱いと冷たいが混ざり合ったなんともいえないおいしさに、よく冷えた辛口の白ワインが本当にぴったり。自宅のベランダでこんなぜいたくな時間を過ごせるなんて思いもしませんでした。次回第3話には、お待ちかねのカマンベールチーズが登場。至福のひととき、まだまだ続きます。
【写真】小林キユウ
もくじ
渡辺ゆき
フリーランスのライター兼フードコーディネーター。料理やインテリアなど、生活につながるジャンルを中心に活動している。夫・小林キユウ氏との共著に『すみれちゃんのお片づけ12カ月』(岩崎書店)などがある。
ライター 片田理恵
編集者、ライター。大学卒業後、出版社勤務を経てフリー。暮らし、食、子育て、地域などをテーマに取材・執筆に取り組む。クラシコムではリトルプレス「オトナのおしゃべりノオト」も担当。
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