【スタッフの愛用品】古いマンションの一室に、アアルトの花瓶を

編集スタッフ 小林

今年の初めに、ダイニングテーブルを新調しました。

家の中でも、とりわけ大きな存在感を放つテーブル。我が家の新しい景色。

日々愛おしく眺めていると、そのうちむくむくと「ここに何か、ちょうどよい花瓶をおきたいな」と欲が湧いてきました。

そうして迎えたのが名作、アアルトのフラワーベースです。

私が選んだのは当店で扱っている中で一番小さな、95mmサイズ。食卓においても全く邪魔にならないコンパクトさです。

定位置はもちろん、ダイニングテーブル。

普段はお盆の上にのせて、お茶セットとひとまとめにしています。

どうやら「丘の上から見下ろしたフィンランドの美しい湖」が、このフラワーベースのデザインモチーフになっているそう。

うん、確かに眺めていると、わかる気がする。

実際にフィンランドの湖を眺めたことはありませんが、その柔らかな線や、光の屈折、ちょっとした揺らぎが美しくて。

このフラワーベースを眺めていると、心の中に静けさが訪れるような感覚があります。

このアアルトベースが名作だと言われる理由はさまざまだと思いますが、特に私が実感したのは、その懐の広さ。

北欧生まれのこの花瓶は、果たして我が家に似合うのだろうか?と、実際に迎え入れるまでは少し不安でした。

畳のある古いマンションの一室。置いてあるのは日本の古道具や、和素材のカゴ。

飾るお花だって、可愛らしい華やかなものではないかもしれない。

けれど、心配していたどれもが杞憂に終わりました。

意外と、なんでも馴染む。なぜかは全然わからないのだけれど、本当にすごい。

一見少し変わった形のデザインだと思うかもしれませんが、決して主張は強くなく。むしろ、周りにあるものの美しさを、そっと引き立ててくれる。

これまで長きにわたり、多くの人に愛されてきたのも頷けます。

まさに名作、としか言えない。

おそらくこれから先も、私の暮らしは移ろい、変わっていく。それでもこの子はきっと、どんな部屋にもしっくり馴染んでくれる気がします。

実際に、ちょっと変わった使い方をしたエピソードをひとつ。

実は我が家の近くには、お花屋さんがありません。電車に乗らなければ行けない距離にしかなく、どうしても、毎日お花を欠かさずに飾るのは難しい。

このフラワーベースが家に届いてすぐの頃、それが勿体無いように感じられて。

何か別のものを入れられないかなと、思いつきで、箸置きにしている「小石」を入れてみたんです。

可愛さについてはさておき、とても便利でした。はい。

まあそんな突拍子のない使い方だとしても、嫌な感じがせず、優しく受け止めてくれる懐の広さがありました。

それに、ガラスが食卓にあるってことが、そもそもいいですよね。

ただそこに在るだけで、映る景色に透明感や奥行きが生まれて、目と心が休まる。

もちろん空っぽで飾っていても、アアルトベースはとっても素敵。

なのでこれからは、無理に何かを入れない、という暮らしも嗜みつつ、末永くお付き合いしていきたいと思います。


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