【わたしと、日記】第2話:紙につけなくてもいい?書いていくためのヒントを、日記屋さんに聞いてみました

編集スタッフ 野村

自分の気持ちを、その日にとどめておけるもののひとつに「日記」があると思います。

でも日記にそんな魅力があるなと感じながらも、なかなか書き続けられない自分も。

そんな時に、日記を書くこと、そして読むこと、それぞれの魅力を広めていくための日記の専門店「日記屋 月日(つきひ)」というお店があることを知りました。

1話目では、店主の内沼晋太郎(うちぬま しんたろう)さんに、日記の魅力と面白さについて、そしてお店のことについてお話を伺いました。

第2話の今回は、日記をどう書き残していけばいいか、日記屋のみなさんに聞いてみました。

1話目を読む

 

日記は紙につけなくてもOK

内沼さん:
「日記というと、紙の日記帳を想像する人も多いと思うのですが、書きたいと思ったときにいつでもそれを持っているというのは難しいですよね。

紙でなかなか続かない人は、毎日持ち歩いているスマホを使ってみるのはどうでしょうか? デフォルトのメモアプリでいいし、毎日じゃなくて2、3日に一回、数日分をまとめるようにしてもいい。

ハードルを感じている人は、習慣になる手前のところで、つまずいているのかもしれません。うまくいかなければ、道具を変えてみる。

もちろん逆に、紙に書くのが楽しくて続けられるようになった方もいらっしゃるので、始め方は人それぞれです」

 

「自分一人のために書く」のがおすすめ

そういえば私・野村は、紙の日記帳ではなく、たとえばSNSには、折に触れて自分が思ったことを書きとめていました。内沼さんに、SNSも日記代わりにしていけるのでしょうかと尋ねてみました。

内沼さん:
「自由なのが日記の良いところなので、もちろんSNSでも良いと思います。

ただ日記に、正直な自分の気持ちを残しておきたい人には、まずは自分一人しか読まないものとして、日記を書くことをおすすめしたいです。

というのも、SNSには必ず『見られる自分』がいます。気にしないという方もいるかもしれませんが、やはり相手を意識してしまうと、多かれ少なかれ、書くことが影響されると思います。

むしろ、日ごろSNSをやっていて何だか疲れてしまった人にこそ、日記をおすすめしたいという気持ちがあります。

読者は自分一人だけ、というものを書いてみると、自分はこんなことを感じていたんだ、ということに改めて気づけると思いますし、なにより気楽です」

 

「いまどうしてる?」と自分に質問してみる

内沼さん:
「一方でSNSは、何かを投稿するハードルをぐっと下げるように作られているツールでもあります。

たとえば、ツイッターなら、『いまどうしてる?』と、フェイスブックには『その気持ち、シェアしよう』と、投稿フォームに書いてあります。あの一言は、人が日記を書くためにも、よくできた一言だなと思っていて。

いま何をしていて、何を感じたり考えたりしているのか。それは、書いておかないと忘れてしまいます。

ふとした瞬間に、自分に『いまどうしてる?』と聞いてみて、SNSではなく、自分の場所にメモする。それをあとで、日記としてまとめる。たとえばそういうふうに書いてみると、あとで読み返して面白い日記が書けたりすると思いますよ」

日記屋 月日のスタッフ・栗本さんにも、普段の日記のつけ方について伺ってみると、SNSアプリをうまく活用していました。

スタッフ・栗本さん:
「僕は、LINEアプリをメモ代わりにして日記を書いています。自分しかいないグループチャットを作って、そこに思いついたベースで、自分が思ったことや感じたことなどを書き溜めているんです。

家に帰って時間がある時に、スケジュール帳に書いてある出来事とチャット内に溜まった今日のメモを見比べながら、日記をつけています。

LINEを連絡手段としてよく使うので、必然的に日記のことも日常に溶け込んでいて、続けやすいですね」

 

1週間ごとに日記をつけてみる

内沼さん:
「日記を続けたいけれどなかなか続けられないというのは、じつは僕も何度も繰り返していました。

いまは『Notion(ノーション)』というアプリに日記をつけています。このアプリは自由度がとても高くて、僕は仕事のメモやタスク管理にも使っているので、そこに日記があれば、毎日必ず見る習慣ができますし、日記屋を始めてからは、僕も毎日日記を書くようにしたいと思って。

加えて僕の場合、これなら日記を続けられると感じられた方法は、1週間を1つのファイルとして、記録していくことでした」

内沼さん:
「『日記』という1つのファイルにずっと書き続けていくと、区切りがない分、達成感もなくて。一度途切れるとそのままになってしまうんですよね。

かといって、1日ごとにファイルを分けると、書けなかった日のファイルをその数作るのがおっくうで、そのままになってしまったり、一行で済ませたいときに連続性がなくて、なんだかむなしく感じてしまったり。

でも、1週間で1つのファイルにすると、ちょうどいい達成感と、手の抜き方ができるんです。2、3日つけを忘れることはあっても、1週間まるっと日記のことを忘れることはないので、途切れることもなくて。

あくまで自分の場合ですが、その方法を編み出してから、無理なく日記が続いていきました」

 

書くことがない時の対処法は?

▲「日記は、暮らしの中で、この感情はまとめておきたいと思った時につけることが多いです」とスタッフの中里さん

書くことがないときはどうしたらいいのだろう? そんな素朴な疑問も投げかけてみました。

スタッフ・中里さん:
「このお店に来てくださるお客様の中でも『書くことがないから続かなくて…』と相談してくれる方も多くいらっしゃいます。

私自身は、書き続けようとはあまり意気込まずに、飛ばし飛ばしで日記をつけています。

『日記は書き続けなきゃいけないもの』と思い過ぎないのが、もしかすると日記を楽しむコツかもしれないですね」

 

日記屋さんの、おすすめ書籍

▲『マイブック −2022年の記録−』大貫卓也/企画・デザイン 新潮社

日記に関するたくさんの書籍が揃っている日記屋 月日。せっかくなので、その中でもおすすめの日記本について、スタッフの皆さんに教えてもらいました

スタッフ・栗本さん:
「お店で人気のある商品でおすすめなのは、この『マイブック』です。

日付と曜日しか入っていない、真っ白な文庫本で、何を記録するのも自由な日記本です。

日付が用意されていることで日記をつけるとっかかりになってくれます。

それに書き終わると、自分が著者の文庫本として本棚に並べておけるのも、この本の面白いところですね」

▲『私は生まれなおしている 日記とノート 1947-1963』スーザン・ソンタグ 河出書房新社

スタッフ・中里さん:
「私が気に入っているのは、アメリカの作家スーザン・ソンタグの日記をまとめた本です。

2、3行の箇条書きのメモとか、他人の気になっていることとか、買いたいもののメモとか、そういうものが集められているだけなのですが、他人の日々の雑念みたいなものを垣間見れるのが面白くて。

ソンタグは、アメリカでとても有名な作家なのですが、そんな作家さんでも、『今日は疲れて起き上がれない』みたいな、なんでもないことを考えているんだなってことが知れて、ちょっとホッとします。

日々ってそういう何気ないことの繰り返しだなって、そのことを強く感じられるおすすめの一冊です」

***

お話を聞くまでは、日記は自分の気持ちをとどめておけるものだからこそ、毎日しっかり詳細に書き続けなければいけないんだと、どこか肩の力が入っていました。

でも、飛ばし飛ばしにつけてもいいし、自分が考えていることなら、どんなささいなことでも残しておくだけで、それはかけがえのない記録になる。

日記はそんな自由なものなんだと考えると、もっと気軽に、楽しんでつけていけそうだなと感じました。

(おわり)

【写真】木村文平


もくじ

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内沼晋太郎

1980年生まれ。NUMABOOKS代表、ブック・コーディネーター。新刊書店「本屋B&B」共同経営者、株式会社バリューブックス取締役、「八戸ブックセンター」ディレクター、「日記屋 月日」店主として、本にかかわる様々な仕事に従事。著書に『これからの本屋読本』(NHK出版)などがある。

 


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