【人生のまんなか】第2話:変化がたえない50代。コーデ迷子のリセット法や、運動をかねた趣味の話

編集スタッフ 寿山

40代はどんな景色が見えるのだろう。そんな好奇心から、人生の先輩にお話を伺っている特集「人生のまんなか」。今回は、鎌倉で器と生活雑貨を扱う「夏椿」を営む、恵藤文(えとう あや)さんを訪ねました。

40歳でお店をもち、50歳を目前に東京から拠点を移した恵藤さんに、これまでと今の仕事や暮らしについて、節目となる出来事を中心にお話をお聞きしました。

第1話では、40代の転機やお仕事の話を。つづく2話では、50代になってからの変化と、どう向き合っているかを詳しく伺います。
第1話

 

50代でかわった体、はじめた習慣

仕事で、新しい試みをゆっくり形にしてきた50代の前半。さまざまな体の変化も経験しているといいます。

恵藤さん:
「51歳のときに、急にめまいがして、座っているのに天地がひっくり返るような感覚に襲われました。肩が上がらなくなったり、階段から落ちて腰の骨を折ったり。一気に体の変化を感じた時期でした。自分では健康で何の問題もないと思っていたのに、更年期のはじまりだったのかもしれません。

それからは意識して運動するようになりました。といっても敢えて時間をとるというよりは、暮らしの延長で出来ることをという感じです。

例えば車移動がメインだったのを電車移動に変えて、駅までの往復、1日40〜50分くらいの距離を歩いたり、休みの日は1万歩を目標に散歩したり。夫婦で日常的に運動できる習慣が欲しいねと話していて、知人からボードをもらったのをきっかけに、夏はサップというマリンスポーツをやったりしています」

▲サップとは、海にボードを浮かべ、その上に立ってオールで漕ぎ進むマリンスポーツ。隣人が引越すときにこのボードを譲り受けた

恵藤さん:
「ふだん夫は土日休みで、私は週末は仕事。すれ違いの生活なのですが、年中そんな状況ばかりもどうだろうと思い、真夏にまとまったお休みをとることにしました。海が近いので、サップも暮らしの延長で出来るかなと思って試したら、予想以上にはまってしまって、夏はほぼ毎週のように夫婦でサップしていました。

体幹を鍛えないとボードの上に立てないし、まだ上手くはないんですけど、体操みたいな感覚でやっています」

 

ふいに感じる「コーデ迷子」から救ってくれたもの

さまざまな変化と向き合っている50代。日々のコーディネートでも、戸惑いを感じるシーンがあるといいます。

恵藤さん:
「いっとき、何を着ても楽しくない時期があったんです。なぜかワードローブに、今の私に似合うものがないような気がしてしまって。

それで改めて自分の『好き』を整理してみたんです。

冬だったらウールの中でもヘリンボーンのものが無性に好きとか、コーデュロイならピッチが太いものが好きとか、素材感を選り好む傾向があるのかもなど。それとシーズン始めに、今年の気分は何色なのかも確認するようになりました。そうやって好きなものを整理したら、着たいものを選べるようになったんです。

こういうとき助けてくれるのは、根本的に好きな『定番服』なんだなあと、再認識した出来事でした」

▲冬のワンマイルスタイル。外出時には、この上にダウンなど保温力のある上着を羽織るそう

恵藤さん:
「昔から “おじさんベスト” みたいな形が大好きで、マキマロという作家さんと一緒にイメージ通りのシルエットを追求して、この形に落ち着きました。冬は毎日のようにこのベストを着ています。インナーにTシャツを合わせるとバランスがいい気がしていて、意外と室内ならこの装いでも十分にあたっかいんです。

TシャツはJAMES PERSEというブランドのもので、薄すぎず厚すぎず絶妙な生地感で、体のラインを拾わないし、定番品だから廃盤になることもそうないので重宝していて。ボトムスはベルベットの巻きスカートか、コーデュロイパンツを合わせることが多いです」

▲数年前に絶妙なピッチのコーデュロイパンツを「TOUJOUR」で見つけて、2色買いした

 

環境の変化が引きだした、新しい自分

東京で暮らしている頃は、黒や茶色にグレーばかり着ていたという恵藤さん。鎌倉に拠点を移して、自然と色柄のある服も手にとるようになったといいます。

恵藤さん:
「ふしぎと今になってピンクとか赤とかオレンジとか、前だったら絶対に買わないような服を着るようになったんです。なぜだろう?と考えてみたんですけど、シンプルにここが暖かい土地だからなのかもしれません。東京より1〜2度ほど気温が高くて。それから自然との距離が近いことも関係あるのかも。

海や山がすぐそばにあって、暮らしが天候に左右されやすいというか。前はおしゃれで帽子をかぶることはあったけれど、ここでは夏に帽子を被らないと外を歩けないくらい日差しが強いんです。雨の日はレインブーツやレインウェアが必須だし、自然との距離が近くなった分、服も暮らしも変化している気がします」

 

いつも先を見せてくれる母

インタビューの終盤、恵藤さんが話してくれた80代のお母さまの話が印象的でした。

恵藤さん:
「私の母は看護師で、70歳まで現役でした。リタイアしてから水泳を始めて、いま80代で大会に出場したりしているんです。もともと運動音痴だし、泳げなかった人なのに、つい先日なんか『大会で自己ベストを更新したよ』と報告を受けたばかりで。

水泳を始めてどんどん代謝も上がっていると喜んでいて、そんな姿を見ると、何歳からでも鍛えればなんとかなるものだなあと思ったりするんです。

この先は、自分次第なんだろうなあって」

恵藤さんがふいに言った「この先どうなるかは、わからないですから」という言葉が耳に残っています。

悲観的というわけでも、楽観的というわけでもなく、ただただ、移り変わる物事をまっすぐに見つめて。どうしようもないことは起こるけれど、どんな時でも、自分に出来ることがあると信じている。そんな覚悟があるからこそ、口をついて出た言葉な気がしました。

約束された未来があることは、幸せなことかもしれません。一方で、先のことがわからないときだって、自分に出来ることを重ねていけば、たやすく暗闇に迷い込むことはないと、力づけてもらったような気がしています。

 

【写真】本多康司

 

もくじ

 

恵藤文

2009年に器と生活道具の店「夏椿」を開く。2018年に鎌倉へと移転し、月ごとに企画展やイベントを開催している。http://www.natsutsubaki.com

 

 

 


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