【10分でメインおかず】フタをして火にかけるだけ!たっぷり野菜を食べられる “なべ蒸し” レシピ
ライター 大野麻里
日ごろから野菜をたっぷり食べたいと思うものの、慌ただしい平日にはあきらめてしまうこともしばしば…。
そんなある日、テレビを見ていたら、「白菜のバター蒸し」という目から鱗な調理法に出会いました。鍋にざく切りにした白菜、少量の水、バターを入れて、フタをして火にかけるだけ(仕上げに塩で味を調える)というレシピです。
実際に自宅で作ってみると、茹でたり煮たりした白菜とはまったく異なる味。野菜の甘みが凝縮されていて、あっというまに完食。バターを使っているのに、その風味はほんのり感じる程度で、脂っぽさもありません。
そのレシピを紹介していたのは、料理研究家の上田淳子(うえだ じゅんこ)さんでした。
▲フランスで購入して以来、長年愛用している私物のル・クルーゼの鍋と
約30年前、フランスで料理の修行をしていた上田さん。バターを加えて鍋で蒸すこの調理法は、フランスの家庭料理で学んだのだとか。
自身も鋳物ホーロー鍋「ル・クルーゼ」を使い、子育て中はこの調理法に助けられたと言います。「野菜だけでなく、肉や魚とも組み合わせは無限大。味がしみた野菜はお子さんも喜んで食べてくれますよ」とも。
たっぷり野菜がとれて、10分以内でできて、メインおかずになる…そんないいことずくめの上田さん流 “なべ蒸し” 。春野菜が店頭に並びはじめたこの季節にぴったりな、驚きの “なべ蒸し” レシピを3つ教えていただきました。
(この記事は、「ル・クルーゼ」の提供でお届けする広告コンテンツです。)
野菜がぐんとおいしくなる!フランス主婦の時短レシピ
▲今回のレシピはル・クルーゼ「シグニチャー ココット・ロンド 22cm」を使用。油脂はバターやオリーブオイルのほか、ごま油やサラダ油でも
上田さん:
「鍋に少量の水と油脂を入れて、蒸気で一気に蒸しあげる。フランスでは『エチュべ』と呼ばれる、ごく一般的な調理法です。私も、初めてフランス人の友人のお宅でいただいたときは感激しました。
鍋ひとつで調理が完結して、栄養も逃さないし、時間も短縮。お湯をわかして、野菜を茹でて、味つけをして…という工程と比べると、すごく便利な方法だなと思って。それに水だけで蒸すよりも、油脂を加えることで、野菜の苦みやえぐみがマスキングされて味もよくなるんです。
この調理のポイントは、鍋の中をアツアツの蒸気でいっぱいにすること。だから機密性が高く、熱伝導率もいい『ル・クルーゼ』の鍋がぴったり。朝も昼も夜も、わが家では定番の調理法です」
さっそく、基本の “なべ蒸し” から教えていただきましょう。
鍋いっぱいの野菜もペロリ。
「春キャベツとベーコンのバター蒸し」
【材料(4人分)】
・春キャベツ…500g *大ぶりに切る
・新タマネギ…1個(200g) *薄切りにする
・ベーコン…ハーフサイズ12枚 *半分に切る
・バター…20g
・塩…小さじ1/2~2/3
・こしょう…少々
*塩は粗塩。精製塩なら少し減らして調整を
【作り方】
1.鍋に材料を入れる
作り方は驚くほどかんたん。鍋に切った野菜とベーコンを入れて、バター、水1/2カップを加えれば準備は完了です。
2.鍋を火にかける
▲フツフツと沸騰する音を確認してから時間を計るのがポイント。蒸気を充満させるために、沸騰してからは途中でフタを開けないように
フタをして、鍋を中火にかけます。煮立ってきたら、そのまま5分ほど蒸し煮にします。
3.フタを開けて全体を混ぜる
食材に火が通ったら、フタを開け、塩・こしょうで味つけ。全体を混ぜ、余分な水分を軽く飛ばして完成です。
上田さん:
「いまの時季ならアスパラやスナップえんどうもおすすめ。夏にはナスやオクラ、冬には根菜類など。野菜の種類が多いとそれぞれ加熱時間が異なるので、単品か2種類程度で組み合わせると失敗がありません。
すぐに火が通りそうな野菜なら3〜5分、この野菜は時間がかかりそうと思ったら5〜10分。あまり難しく考えず、臨機応変に作ってみてくださいね。
鍋のサイズを選べば、どんな家族構成でも応用が効くのも “なべ蒸し” の魅力。一人暮らしの方には16cmの『シグニチャー ココット・ロンド』をおすすめします」
*水の量は加熱時間に合わせて調整を。3分=1/3カップ、5分=1/2カップ、10分=2/3カップを目安に。
4.パスタを入れてアレンジしても
そのままでおいしいバター蒸しですが、茹でたパスタを入れて和えれば、さらに食べごたえのある一品に。パスタを加えたときに鍋からあふれないよう、量を調節して作ってくださいね。
上田さん:
「ショートパスタでも、ロングパスタでも。パスタをしっかり塩味をつけたお湯で茹でれば、追加の味つけも不要です。仕上げに粉チーズをかけても美味しいですよ」
鍋に任せるだけだから、誰でも上手くできる
▲フランス修行時代、友人宅でル・クルーゼの鍋を初めて見て感動し、現地で即購入した思い出も
上田さん:
「少ない水で蒸すので、素材のうまみがギュッと濃縮されます。このレシピを作るには、やはり『ル・クルーゼ』の鍋。鋳物ホーローは、熱伝導と蓄熱性に優れ、温度を一定に保ってくれるので、微妙な火加減の調節も不要です。
水さえ入れ忘れなければ、あとは鍋にお任せするだけで、誰でも美味しくできるレシピです」
「ル・クルーゼ」の鍋で作ると美味しくなる理由は、長年の研究で進化してきたドーム型のフタと、フタの3カ所にある突起。これらによって熱と蒸気が食材を包み込むように対流し、ゆっくり均一に蒸気を逃がし、食材のうまみだけを引き出してくれるのです。
上田さん:
「わが家では朝食にもよく出すメニュー。前日の夜、鍋に材料を入れておけば、朝は火にかけるだけ。完成したら鍋のまま食卓に出すと見た目もかわいいですし、保温性が高いので温かいまま食べられるのも『ル・クルーゼ』ならではですね」
この野菜を主役にした基本の “なべ蒸し” に、肉や魚といったたんぱく質の食材をプラスすれば、ボリュームのあるメインおかずに。
肉と魚を組み合わせたレシピも2品紹介します。
主菜と副菜が1つの鍋で作れちゃう!
「塩鮭とブロッコリーのレモンオイル蒸し」
【材料(4人分)】
・甘塩鮭…4切れ(400g)*表面の水分を拭き、こしょう少々をしておく
・ブロッコリー…300g *小房に分ける
・レモンの輪切り…2枚 *それぞれ半分に切る
・オリーブオイル…大さじ1と1/2
・塩…小さじ1/3~1/2
・こしょう…少々
【作り方】
1.鍋に材料を入れて、火にかける
▲野菜は下に敷きましょう。肉や魚のうまみエキスを野菜が吸収して、美味しくなります
鍋にブロッコリーを敷き、鮭をのせます。水1/2カップとオリーブオイルを加え、鮭の上にレモンの輪切りを置き、フタをして中火にかけます。
煮立ったらそのまま5分ほど、鮭に火が通るまで蒸し煮にします。
2.フタを開けて味を整える
火が通ったらフタを取り、鮭を取り出します。ブロッコリーに塩、こしょうをして、全体を混ぜて余分な水分を軽く飛ばします。鮭とブロッコリーを皿に盛り、鍋底の汁を鮭にかけて完成です。
上田さん:
「蒸したあとの汁が、うまみたっぷりのソースに。レモンの風味が苦手な方は、レモンなしでも作れます。
お好みで、完成後に一旦フタを開けてクリームチーズ(個包装のもの2個)をちぎって上にのせても。鍋の余熱でクリームチーズが少し溶けて、生クリームに似たマイルドな味わいになります」
10分でじゃがいもがホクホクに。
「鶏バター肉じゃが」
【材料(4人分)】
・鶏もも肉…500g *一口大に切る(唐揚げ用を購入すると便利)
・タマネギ…1個 *くし形に切る
・じゃがいも…4個 *厚さ1cmの半月切りにする
・バター…20g
・しょうゆ…大さじ2
*春の時季は、新タマネギや新じゃがで作ると旬の味に
【作り方】
1.鶏肉に下味をつける
▲今回は鶏もも肉を使用。手羽元や手羽先、豚肉のこま切れやバラ肉など、お好みのもので
鶏肉に下味(塩小さじ1、こしょう少々:分量外)をもみこみます。
2.鍋に材料を入れて、火にかける
鍋にじゃがいもとタマネギを敷き、その上に鶏肉を広げます。バターと水2/3カップを入れてフタをして中火にかけ、8~10分ほどじゃがいもがやわらかくなるまで蒸し煮にします。
3.フタを外し、しょうゆで味をつける
食材に火が通ったら、しょうゆを回しかけて全体を混ぜます。このとき火を強めの中火にし、余分な水分を飛ばします。
上田さん:
「10分だけ? とよく驚かれますが、大丈夫(笑)。蒸気で蒸されたお肉は、ふっくらとやわらかく仕上がりますよ。
長く煮込むレシピではないので、あらかじめ肉にしっかりと塩味をつけるのがポイント。少量の水で蒸すため、塩が流れ落ちるようなことはなく、これが味の決め手にもなります。
しょうゆは鍋底にたまるので、先に入れてしまうと焦げつく原因に。液体調味料は加熱後に絡めるようにしてください」
驚くほどかんたんで、手間をかけた料理のよう
取材のあと、わが家にもある「ル・クルーゼ」の鍋で、さっそく作ってみました。
魚のレモンオイル蒸しは鯛で作ってみましたが、香りがよくふっくらしていて美味。肉じゃがはダシを入れていないのに、その味の深さにびっくり。いままで時間をかけて煮込んでいたあれは何だったのだろう…と思ってしまったほどです。
調理法はひとつでも、食材やオイルを変えれば、毎日でも飽きない点にも感動。驚くほど短時間でできるのに、なんだか素敵な料理を作った気分になるのもよかったです。
「鍋を信じて、鍋に任せる料理」。その発想は、私にとって料理の見方が変わる新たな発見でした。鍋の特性を上手に生かすことで、時間をかけなくても手間ひまかけた味になるのだと。これまで「ル・クルーゼ」を使うときは時間をかけて作るレシピが多かったのですが、今後は10分レシピでも活躍させたいと思います。
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もくじ
【写真】北原千恵美
上田淳子
辻学園調理技術専門学校卒業後、同校の西洋料理研究職員を経て渡欧。スイスのホテルやベッカライ、フランスの星つきレストランなどで修行を積む。現在は料理研究家として独立し、料理教室を開催したり、テレビや雑誌などで活躍。著書に『フランス人は、3つの調理法で野菜をたべる。』『フランス人に教わる3種の “新” 蒸し料理。』(共に誠文堂新光社)など多数。
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