【花との暮らし、最初に知りたいこと】第2話:はじめは一種類から。 バランスよく可愛く飾るコツって?

編集スタッフ 松田

お花がある暮らしをもっと楽しみたい。この特集では、家でお花を飾るときに知っておきたい基本のコツや、気軽に楽しめる方法を教わります。

第1話では、フラワーアーティストの束花智衣子(そくか ちえこ)さんと一緒にお花屋さんへ行き、お花を選ぶときの、ちょっとしたコツをきいてみました。

第1話はこちら

第2話で教わるのは、お花を家に持ち帰ってからのこと。

ステキに可愛く飾るコツや、せっかく買ったお花たちを長持ちさせるためのポイントについて、束花さんに聞いてみました。

 


はじめは一種類から。
バランスよく可愛く飾るコツって?


バランスに悩んだら、1:1を目安に

フラワーベースに活けてお部屋に飾るとき、お花の長さをどのくらいに切るべきか、花瓶とのバランスにいつも悩みます。

可愛く素敵に飾るコツって、ありますか?

束花さん:
「基本的に自由に楽しく飾るのがいいと思うので、正解はありません。でも、フラワーベースとお花の長さの比率が、おおよそ1:1になるように意識すると、バランスを取りやすいはず。悩んだら目安にしてみてくださいね」

▲長さに悩んだら、花瓶との比率がおおよそ1:1になるように意識するとgood

束花さん:
「また、はじめのうちは一種類のお花に絞るのが可愛く飾りやすいと思います」

さっそく例として、当店のフラワーベースをつかって、束花さんにお花を飾ってみていただきました。

 

01.
bule pitcher vase

▲マーガレットを食卓に。ブルーのガラス越しにみると、茎のグリーンがより爽やかに

花瓶の高さ:14cm
特に似合うお花:白いお花(マーガレットetc)、赤やピンク系のお花(チューリップ、
ラナンキュラスetc)
オススメの場所:ダイニングテーブルやキッチン、洗面スペース

束花さん:
「ブルー色のガラスは一見個性的に見えますが、茎のグリーンをより綺麗に爽やかに見せてくれる色でもあるんです。

シンプルに白のお花はもちろん似合いますし、赤やピンク系のお花も可愛く引き立ててくれる、絶妙なカラー。チューリップやラナンキュラス、マムやスカビオサも飾りやすいですよ」

▲花びらにグラデーションのあるチューリップも可愛く

束花さん:
「小ぶりなサイズ感なので、もともと小さなブーケとして販売されているお花や、だんだんと切り戻して短くしたお花を飾っても。取っ手がついているかたちで、少ない本数でも、サマになりますよ」

 

02.
white porcelain vase

▲鮮やかな赤やブルーなどのイメージが強い印象的なアネモネですが、最近は淡いピンクの品種もあるのだそう。白×ピンクは鉄板の組み合わせ

花瓶の高さ:20cm
特に似合うお花:淡い色のお花(トルコキキョウ、ブルースターetc)

オススメの場所:棚の上、キッチンなど

束花さん:
「白の陶器はどんなジャンルのお花も似合いますが、特に淡いピンクなど、儚い色合いのお花を引き立ててくれます。

フラワーベースの高さが20cmとほどよくあるので、買ってきたお花をそのままさっと入れるだけでいいのもいいですね。お花屋さんでよく見かけるトルコキキョウやブルースターも似合いそう」

▲アンスリウムを2本さっと活けて、キッチンに

束花さん:
「あとは、顔が大きいお花もバランスが取りやすくてオススメ。今回飾ったアンスリウムは、ふだんは脇役としてアレンジされることが多いのですが、意外と一種類で飾ってもオシャレで、日持ちもするんです。見かけたらぜひトライしてみてくださいね」

 

03.
reduce glass vase

▲3〜4月にかけてが旬のムシカリをシンプルに大人っぽく

花瓶の高さ:26cm
特に似合うお花:枝物、茎が長いお花(フリージア、エピデンドラムetc)

オススメの場所:玄関、リビング、TVボードなど

束花さん:
「枝物を飾るのに頼もしい、大きめのガラスベース。どっしりと安定感のあるかたちなので、枝ものの高さを生かしたまま飾れるのも嬉しいところ」

▲ボール状に小さな花がたくさんついている姿がかわいい、アルストロメリア。茎が長くて頭が重いので、安定感のあるフラワーベースが◎

束花さん:
「枝物のほかには、フリージアやアルストロメリアなど、茎が長くてすっとした印象のお花も似合います。床に直置きしたり、スツールにのせて飾っても素敵ですね」

 


せっかくなら長く楽しみたい!
知っておきたい基本のケア


あると頼もしい道具やアイテム

▲束花さんの愛用道具。写真左から時計回りに:切り花鮮度保持剤、水揚げ用のバケツ、花瓶を洗うためのウレタンスポンジ・柄つきスポンジ(どちらも無印良品)、枝用の剪定ばさみ、生花用の花ばさみ

次に教わったのは、飾ったお花たちをできるだけ長持ちさせるポイント。「難しくないので、できるところからやってみてくださいね」と束花さん。

家にあると便利な道具から教えてもらいました。

束花さん:
「すべてを揃える必要はないのですが、専用の花鋏はひとつ持っておくといいと思います。スパッと切れ心地の良いハサミを使うと、茎の中にある導管をつぶさずに切ることができて、水の吸い上げもよくなってお花もいきいきしますよ。

お花道具はバケツにひとまとめにして、キッチンや洗面所にスタンバイさせておくと便利です」

▼次回7月入荷予定

 

できるだけ毎日水替えを。フラワーベースも洗うとなお良し

▲茎がヌルヌルしていたら、やさしく洗ってあげましょう

束花さん:
「お花を飾って数日そのままにしてしまうと、どうしても雑菌が繁殖して、切り口に菌が入って花が傷んでしまいます。

できるだけ毎日水を替えてあげましょう」

束花さん:
「余裕があるときは、水替えの際に、フラワーベースも洗うとなお良いです。

洗剤は使わなくてもOK。普通の台所用スポンジで、底のヌルヌルを水で流してあげてください」

▲手が入りにくい口が細いフラワーベースは、柄つきブラシをつかうと便利

束花さん:
「毎日できない……という場合には、菌の繁殖を抑えて生け水を清潔に保ってくれる鮮度保持剤を活用しても。お花屋さんによっては、レジでひとつもらえたりしますよね。

それでも毎日水を替えたほうが、その分お花は気持ちよく水を吸って元気でいてくれるので、できる範囲で清潔さを保ってあげましょう」

 

お花を切るときは、水の中で。浅いボウルでOKです

▲花瓶の水を替えてあげる際、切り口を1cmほど切り戻すと、また新鮮な水を吸い上げて花が長持ちします

花の茎を切るときは、できるだけ切り口に空気や雑菌が入らないように、水の中で切り戻す『水切り』をするといいのだそう。

束花さん:
「キッチンにある浅いボウルに水を張って、その中で切ると簡単です。

ちょっと面倒……と思うかもしれませんが、切り口から空気が入ると水の吸い上げが悪くなってしまうんです。もし水切りができないときは、切ったらすぐに水につけるようにしましょう」

 

くったりしていたら、水揚げをしてあげましょう

家に持ち帰ったら、元気だったお花がくったり……。そんなときはどうしたらよいですか?

束花さん:
「一見萎れたようにみえても、水揚げをしてあげれば大丈夫。

新聞などで花を巻き、先ほどの水切りをしたら、水をたっぷりと張ったバケツに1~2時間つけてあげる『水揚げ』をしてみてください。水を吸い上げれば、ピンとした姿に戻ってくれますよ。

新聞を巻くのは、花の頭が垂れないようにするため。頭が下がったまま水揚げをすると、そのままの状態になってしまうので気をつけてあげてくださいね」

つづく最終話は、ちょっとステップアップ。いくつかのお花の種類を組み合わせて飾る、かんたん “アレンジ” を教わります。

お花との付き合い方が、もっと楽しくなりますよ。

 

【写真】メグミ


もくじ

SOCUKA(束花 智衣子)

フラワースクール卒業後、ウェディングフラワーのアルバイトを経て、2001年有限会社anelaに勤務、ウェディングを学ぶ。2002年株式会社H.P.FRANCEにてH.P.DECO花部門を担当。2007年フリーとして独立。
HP→http://www.socuka.com instagram→@socuka

 


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