【花との暮らし、最初に知りたいこと】第1話:水曜日は、お花屋さんへ。買い方・選び方のコツ

編集スタッフ 松田

その姿を眺めるだけで、不思議と前向きな気持ちになるお花。

お花のある暮らしを自分らしく楽しみたいと思う一方で、理想通りに飾れなかったり、すぐに枯らしてしまったり。クラシコムの社内でも、いまいち上手な付き合い方がわからないというスタッフも。

春、色とりどりの花が楽しめる季節、せっかくならもっとお花を楽しみたい。この特集では、家でお花を飾るときに知っておきたい基本のコツや、気軽に楽しめる方法を教わります。

お話を伺ったのは、フラワーアーティストとして活躍する束花智衣子(そくか ちえこ)さん。当店の特集にも、過去何度も登場してくださっているお花のプロフェッショナルです。

こんなときはどうしたら……という小さな疑問から、今すぐ真似できる飾りかたまで。知っておくと嬉しいお花との付き合い方を、たっぷりと教えていただきました。

 


さぁ、一緒にお花屋さんへ。
知っておきたい、買い方のコツ


まずはさっそく、お花屋さんへ行きましょう。春になって、お花の種類もいっそう豊富になる季節。店頭には、色鮮やかなお花がたくさん並んでいます。

お花は好きなのですが、いつも同じ種類ばかり選んでしまったり、せっかく買ったお花を数日で枯らしてしまったりすることが……。

今回は世田谷にある「庭の花束」さんをたずねて、束花さんにお花を選ぶときの、ちょっとしたコツをきいてみました。

 

お花屋さんへ行くなら、月・水・金の夕方がチャンス

街中にある個人店から、駅前にあるチェーンのお店まで。お花屋さんにもいろいろな形態があります。

実はどのお花屋さんも共通して、お花を買いに行くなら、月・水・金の午後から夕方の時間帯がオススメなのだとか。

束花さん:
「花の卸売市場が開く日が、月・水・金と決まっているので、その曜日には新しいお花がお店にたくさん並ぶんです。その日仕入れた新鮮なお花たちの水揚げ*が終わるのが、お昼すぎのタイミング。

夕方には大体揃って並んでいると思うので、月・水・金は仕事の帰り道などにぜひ寄ってみてください」

*水揚げ = お花の道管に入った空気を出したり傷んだ部分を取ったりして、茎が水を吸収しやすくなるように手助けをする作業のこと

▲葉に張りとツヤがあり、茎がしっかりしていることが新鮮さを見分けるポイント。黄色味を帯びてきているのは、日にちが経ってきていてあまり持たないかも。花びらは厚みがあってかたい方がしっかり咲きます

 

予算を決めておきましょう。迷ったら季節のお花を

▲こちらのラナンキュラスは1本につき、300円。4本で1200円の計算。「持ちもよく、蕾がたくさんついていて長く楽しめるのでオススメ」と束花さん

束花さん:
「あらかじめ、おおよその予算を決めておくと選びやすいと思います。たとえば自宅に飾るお花なら、1000円前後で抑えたい、という感じです。種類にもよりますが、3〜5本ぐらいの束になるので、そのイメージで花瓶に飾ったときの様子をイメージしながら選ぶといいと思います」

▲長持ちしやすいマーガレット

束花さん:
「なかなか決められないという場合は、季節の花をぜひ。ちょうど春4月〜6月ごろまで出回っていて、持ちもいいフリージアやマーガレットはいかがでしょうか。

咲くに従って広がっていくタイプのチューリップやポピー、アネモネなども旬のお花。1本だけで飾っても可愛いです」

▲存在感があって少ない本数でも可愛く飾れるアネモネ

▲スプレー咲きのマトカリア

束花さん:
「また、スプレー咲きのお花(1本で数輪ついているタイプのもの)も、少ない本数でもボリュームが出てくれるので可愛く飾りやすいものが多いので、試してみてくださいね」

 

店員さんに相談して、選んでもらうのも楽しいです

束花さん:
「それでも迷った場合には、店員さんに予算と飾りたい花瓶のサイズなどを伝えて、選んでもらうのもいいと思います。

日によって入荷しているものも様々。旬の種類を教えてもらえたり、ふだん自分では選ばない新しいお花との出会いがあったり。組み合わせも一緒に提案してくれると思うので、ぜひ話しかけてみてくださいね」

▲白とグリーンで統一して合わせてくれたチューリップ1本、ラナンキュラス1本、レースフラワー1本の組み合わせ。全部で1000円ほど

 

お花はあまり触らないように。店員さんに頼みましょう

束花さん:
「花は繊細で折れやすいものです。花同士が引っかかって、折れてしまう事はよくあります。

また、一度出して戻した時にきちんと先がお水についていないということも起きやすいので、基本的には、店員さんに声をかけて取ってもらいましょう」

 

切ってもらうときは、『少し長め』で

レジで「長さはどうしますか?」と聞かれたときは、どんな風に答えるのがよいでしょうか?

束花さん:
「実際に飾りたい長さよりも、少し長めにしてもらって、家に帰ってから調整するのが良いと思います。

できれば花瓶の水を換えるときに、毎回茎の先を切ってあげた方が水の吸い上げもよくなって長く楽しめるので、最初から短くしないほうがいいという理由も。

いろんな種類を組み合わせた場合は、“バランスのよい感じで、長めに切っておいてください” とお願いしておくと、ラクかもしれませんね」

*******

切り花は、ちゃんと毎日水換えをしてあげればおおよそ1週間、長いと2週間も楽しめる品種もあるそう。

たとえば、2週間に一度、ちょっとしたご褒美感覚で、新しいお花を買いにいくというルーティンがあっても楽しそう。

今日はちょうど水曜日。仕事や買い物の帰り道に、お花屋さんを覗いてみませんか?

つづく第2話では、家に持ち帰ったあと、せっかく買ったお花を長く楽しむために知っておきたいのポイントをご紹介します。

 

【写真】メグミ
【撮影協力】庭の花束


もくじ

■SHOP DATA■
庭の花束
世田谷区駒沢にあるお花屋さん。生花から鉢植えまで、美しい季節のお花が並ぶ。お花のオーダーも。http://www.niwahana.com/

SOCUKA(束花 智衣子)

フラワースクール卒業後、ウェディングフラワーのアルバイトを経て、2001年有限会社anelaに勤務、ウェディングを学ぶ。2002年株式会社H.P.FRANCEにてH.P.DECO花部門を担当。2007年フリーとして独立。
HP→http://www.socuka.com instagram→@socuka

 


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