【おまもりルーティン】時には「きちんと」を手放して。ご機嫌をうむ料理家さんの習慣
編集スタッフ 岡本
働き方や休日の過ごし方など、暮らしのさまざまな場面で変化を重ねてきたここ数年。今もまだ渦中だと感じるときもありますが、だんだんと新しい心地よさを見つけつつあります。
そう感じるようになるまで、家族や自分自身と何度も対話を繰り返してきたはず。こっちかな、あっちかなと寄り道しながら見つけた今の暮らしの心地よさを生み出す習慣について、3名の方にお話を聞いてみました。
今回ご登場いただくのは、夫と2歳の娘の3人で暮らす竹中紘子(たけなかひろこ)さん。
旬の食材を生かした家庭料理や、心が湧き立つような美しいスタイリングが評判の料理家・フードスタイリストさんです。
続けることで心が穏やかでいられると話す、3つのルーティンとは。
ベランダと部屋で自由に過ごす朝
竹中さん
「朝は家族でグリーンに水をあげたり、飼っている金魚とめだかへ餌やりをしたり、部屋とベランダを行き来して過ごします。
私の両親は植物が好きで、よく庭仕事をしていました。
私が生まれた時にハナミズキを植えてくれて一緒に育った記憶があり、娘にも同じ経験をさせられたらと我が家のベランダにもたくさんの植物を置くように。2年前に買ったもみの木がぐんぐん伸びていて、娘の成長とも重なり、育てていて楽しいです。
朝ご飯は家族全員で座ってゆっくりと、出かけるまでに片付けも、と理想はありますが、朝はそれぞれが無理せずある程度自由に過ごす時間と考えることで、気持ちよく1日をスタートできている気がします」
10分間のお弁当作り
竹中さん
「ここ4、5年は夫のお弁当を作るように心がけています。でも毎日必ず、と決めてしまうと苦しくなるので、頑張らずに作れる日だけというマイルールも決めました。
夫婦ともにお酒が好きなので、夕飯はおつまみや副菜をいくつか作って小鉢を並べるスタイルが多いんです。
なので前日の残りを何種類かつめて10分くらいで仕上げるようにしています」
竹中さん
「子どもが生まれてから生活がガラッと変わり、日々のご飯は時短で簡単に作れるものに助けられています。
でもたまに本気で出汁をとって作るおひたしなんかを食べると、じんわり体に沁み入って、丁寧につくられた美味しいものっていいなと思うことも。
手間をかけて丁寧に作るって、贅沢なことだったのかもと気付かされました。
時短料理も丁寧な料理も、どちらも大切に暮らしていけたらと思います」
すきま時間にお香を焚く
竹中さん
「朝7時に起きてお弁当を作り、娘を起こしてみんなで朝食。8時半に保育園に送って帰宅してから仕事を始めるまでの15分ほどが、つかの間の自分時間です。
その間は本を読んだり、お花を生けたり、私がしたいことをするようにしていて、そのなかの一つがお香を焚くこと。
京都にある松栄堂(しょうえいどう)のお香『 芳輪二条』を好んでリピートしています。
このお香、残り香がスッと空気に馴染み、主張しないんです。 それが私に合っていて。
白檀の伝統的な香りをふんわりかいでいると、よし! と立ち上がる活力が湧いてきます」
お子さんの誕生をきっかけに変わった暮らしを柔軟に受け止め、はつらつとした表情で話す竹中さんの笑顔が印象に残っています。
忙しい毎日の中、家事に前ほど手をかけられなかったとしても。
試行錯誤を重ねて暮らす姿から、きっと家族はパワーをもらっているのかも、と同じように日々家事育児に向かう者として励まされたような気持ちになりました。
次回は、スタイリスト・谷山真希さんにお話を伺います。ぜひお楽しみに。
【写真】竹中紘子
もくじ
竹中 紘子
さまざまなメディアでの料理監修、イベントケータリング、子どものための料理教室など幅広く活動する、料理家・フードスタイリスト。食から始まる暮らしのデザイン「CONDIMENT」主宰。Instagram: @htakenaka
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