【時間を味方に】第1話:時間と上手に付き合うには? 自分の取り扱い説明書を作ってみると

編集スタッフ 岡本

仕事を終えたら急いで保育園へお迎えに行き、お腹すいたコールのなかでご飯作り。ずっと手を動かしているはずなのに、ふと「私は今日、何をしたんだっけ?」と、あっという間に過ぎていく時間の中に置いてけぼりにされているように感じる時があります。

朝8時に家を出なくちゃ、夜9時までにはベッドに入っていたい。

時間は健やかに暮らすための目安になってくれるはずなのに、ここのところ振り回されている気がしてしまうのです。もう少し時間に対して寛容に捉えられたなら、私と時間の上手な付き合い方が見えてくるのではと感じています。

そこで、暮らしのなかで感じる時間のもやもやについて、これまでも当店の動画などに登場してくださったライフオーガナイザーの鈴木尚子(すずきなおこ)さんにお話を伺いました。

 

時間が敵だった、あの頃

現在、LSCアカデミーの校長として女性がいきいきと暮らすサポートをしている鈴木さん。今でこそ仕事に家事に育児にとパワフルに過ごしていますが、やりたいことが何もできずに、時間は敵だと感じていた時期があったそうです。

鈴木さん:
「子どもが生まれてすぐの30代前半は、時間の管理だけでなく、片付けや人付き合いもできない、ないない尽くしの日々でした。

ご飯を食べさせるのに精一杯で洗い物は積み重なり、お日様が落ちるころになって洗濯物を干していないことに気付く、という感じで、ことあるごとにできない自分を突きつけられているような気持ちになって。

でもちょっとしたタイミングで引き出しの整理をしてみたり、仕事を再開したり、暮らしに変化が訪れる度に少しずつ立て直していきました。

時間に振り回された時期を経て、子どもたちは、20歳と15歳に。子育てや仕事のフェーズが変わるごとに時間と上手に付き合うコツが掴めてきたように思います」

ないない尽くしの日々を脱しようと、時間についてのハウツー本を何冊も読んだのだそう。真似をすることで家事の時短に繋がり、細切れの時間を生み出すことができたけれど、こなすことに一生懸命になってしまって……。

鈴木さん:
「逆に苦しくなっちゃったんです。きっと当時の私に合う方法ではなかったのでしょうね。自分らしい時間との付き合い方でないと、いい方向にはいかないのだと実感しました。

なので私が話すこともどうか、正解だと思わないでくださいね。実体験から試行錯誤したすえに見えた私の場合の話なので、こういう考え方や方法もあるのだと、参考にしてもらえたら嬉しいです」

 

私が本当にしたいことってなんだろう?

鈴木さん:
「時間に振り回されないで生きるって、きっと自分らしく時間を使いこなすことなのかなと感じています。

以前の私を思い返すと、『やらねば』や『やるべき』という思いに縛られて、時間に振り回されていたように思うんです。

私の母は専業主婦でとても器用な人でした。知らず知らずのうちにその姿を理想として、私も母のような母親にならなくちゃと思い込んでしまったんですね。

人は割り当てられた役割に応えようと、ついあるべき姿を目指そうとしてしまいます。でもそれは、本当に自分のやりたいことなのか、やらなくちゃいけないことなのかと考えてみてもいいかもしれません。

一分一秒の積み重ねが暮らしになって、人生そのものになるのですから」

 

時間と上手に付き合うコツは、
「自分の取り扱い説明書」を作ること

自分らしく時間を使いこなす。改めて言葉にしてみると、今の私には難しいことのように感じてしまいます。具体的にはどうすればいいのでしょうか。

鈴木さん:
「時間を上手にコントロールするためには、自分の取り扱い説明書をつくるといいですよ。

日々のTODOを見直すことも大切ですが、自分はどうありたいかというTOBEをまず考えてみると、おのずと時間の使い方に変化が出てくると思います。

『私が大切にしたいこと』から逆算して、毎日のTODOを考えるイメージです」

鈴木さん:
「取り扱い説明書の作り方は簡単で、とにかく話すこと。家族や友人とでもいいですし、自分自身とのセルフトークもいいですね。

私はどんな人で、どんなことをしていると気分がいいんだろう、どんなものに囲まれていると嬉しい? といった感じで自分を知っていく。それが自分の取り扱い説明書になります。

頭で考えているだけだとごちゃっとしてしまうので、書き出すのがおすすめ。自分の思いを言葉にして、整理して、客観的に捉える作業が、書くことでできるからです」

鈴木さん:
「とはいえ、面倒だったり時間を作れなかったり、難しいと感じる人も多いですよね。でも答えはきっと自分の中にあるはずなんです。本やSNSなど、外からの情報に解決策を探してしまいがちですが、それは自分をよく知ったあとに得ることで本当に役立つものだと感じています。

なので一度2時間くらい、ノートとペンを持って気持ちのいいカフェへ行って考えてみてはどうでしょうか。自分を構成している要素を分解して理解することが、時間と上手に付き合う初めの一歩になると思います」

 

日々の会話から、自分を知って相手を知る

鈴木さんのお話を聞いて、自分のことについてじっくり考える時間なんて、もう久しく作れていないことに気付きました。家族のことや仕事のことを中心に考えていたここ数年のうちに、私のなかでどんな変化があったのか、なんだか気になってきました。

4歳と1歳の子どもを育てている私にとって、子育ての先輩でもある鈴木さん。お母さんがやりたいことに時間を使うためには、家族の取り扱い説明書も持っておくと安心だと話します。

鈴木さん:
「私は働くのが好きなタイプなので、どうしても家族の協力は必要でした。でも子どもとの時間もちゃんと取りたいという思いもあって。

そういうなかで、夫にとっての心地よい暮らしってどういうものなのか、娘が楽しいと感じるのはどんなときだろう、息子は? というように、家族についてもよく知りたいと思うように。意外と家族なら大丈夫と思ってその関係に甘えてしまうんですよね」

鈴木さん:
「家族との時間の使い方を考え直したいと思ったきっかけは、今でも覚えています。娘がまだ小学2年生の時に何気なく将来の話をしていたら、『私は子どもはいいかな。だってママすごく大変そうだから』と言われてしまったんです。

それを聞いて、子どもがいることで私が大変だと思われているのはまずいぞと、日々のちょっとした過ごし方を変えました。

子どもたちが食事をしている間に別の家事をすすめる日課をやめて、ご飯の時間は一緒に椅子に座って子どもたちの話を聞いたり、目を見て相槌を打つことを心がけたり。

数年後にまた同じような将来の話をすると、今度は『子どもは二人くらいいたらいいな。私がそうだから』と、答えが変わりました」

それからというもの、家族と話すときに心がけていることについて教えてくれました。それは、遮らない、否定しない、ジャッジしない、ということ。あなたはどう思う? と、意識的に投げかけて、その答えで取り扱い説明書を作っていくのだそうです。

鈴木さん:
「家族が大切にしたいこと、私自身が大切にしたいことをお互いに理解しておくことは、暮らしをよりよくする手助けになるはず。

自分が言葉にできることはきっと叶うと思って『私はこうありたい』と自分にも周りにも伝えていくことは、時間の使い方を変えるヒントになる気がしますね」

日頃感じていた時間のもやもやを話してみたら、家族や人生そのものと密接に関わり合っていることを肌で感じました。

続く第2話では、スタッフアンケートで集まった時間にまつわるお悩みを鈴木さんに相談してみました。優先順位の付け方や、時間がなくても焦らずに過ごすための工夫についてお届けします。

(つづく)

【写真】鍵岡龍門


もくじ

 

鈴木 尚子

出産後、苦手だった片付けを克服したのち、2011年ライフオーガナイザー®︎として「SMART STORAGE!」を立ち上げる。整理収納事業と並行してアパレルでの経験を生かしたパーソナルスタイリストとしての活動や、片づけのプロの育成、子育ての失敗からの親子関係メソッド提供など幅広いサービスを展開。2022年には今までの経験を活かし起業をプログラム化した「BeProfessional」と、セルフケア講座「BEYOU」を開発。女性がもっと楽しく美しく暮らすための生き方デザインを伝えるLSCアカデミーの校長として、女性の起業・メンタル・片付けなど数々のスクールを開講。自分自身の半径5Mを幸せにすることができれば日本の幸福度はあがる、が信念。


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