【飾ってみる?つくってみる?】02:最小限のわたしの城。ミニマムで頼れるマイテーブルづくり

ライター 小野民

大きな変化でなくても、家の景色は見違える。自分の手を動かして、ささやかなお気に入りスペースをつくるシリーズの2話目です。

今回は、自分専用のテーブルがあったら……という希望を叶えるアイデアと、DIYの小さなミニテーブルの作り方をお届けします。

教えてくれるのは、インテリアスタイリストの岩佐知布由さん。いちから設計を考えてくれたテーブルは、自作だからこその今までになかったデザイン。置いてあるだけで部屋がオシャレな雰囲気になりますよ。

まずは、身近にあるものでできる工夫から。トレーを小さなテーブルに見立てるアイデアは、すぐにやってみられそうです。
第1話から読む

 

トレーが、好きを並べたテーブル代わりに

▲トレーはインテリアショップ『ROUND ROBIN』で購入

家での仕事スペースの確保には頭をつかうものですが、それ以外の自分の時間のこととなるとどうしたって置き去りになりがちです。

でも、やること・やりたいこと別にトレーにスペースを作ってしまえば、思い立ったらすぐに始められるし、今しっくりくる場所に置いてそこを自分の居場所にできます。

岩佐さん:
「ゆっくり本を読んだり、何か書いたりする時間は大事です。そこで今読みたい本とノートや便箋をセットにしました。好きな香りの精油も一緒にしておいて、リラックスもできれば。

書いたりするには大きなトレーがいいけれど、ハンドケア用品をセットするならコンパクトなものでもいいですよね。どんなものに載せるかはもちろん、自分ならではセットを作るのが楽しい作業です」

▲コルクトレイはブルックリンのブランド『Craighill』のもの

トレー1枚、しかもいつでも移動できるとなれば、ハードルはぐんと下がります。小さくともライフスタイルや空間の有無に左右されずに、したいことができる。子どもの頃の気ままなおままごとの楽しさを思い出しました。

そんな気持ちで家を見回してみると、テーブルに見立てられるものは意外とあるもの。食事用のトレー、割れないお皿、とっておいたきれいな缶はさながら収納つきで……と夢が膨らみます。

でも、こんなテーブルがあったらと思い描くなら、「自分で作る」も選択肢のひとつ。岩佐さんがデザインを考えてくれた一本足の小さなものなら、使う材料も工程も最小限で完成しますよ。

 



2つの色を楽しめる
ミニマムで頼れるMYテーブル

材料

・12mm厚ラワンベニヤ板…直径280mm × 2枚

※購入するホームセンターなどのカットサービスで指定のサイズにカットしてもらい、がさがさしている部分は荒い目のヤスリをかけておきます。

・直径23mmの丸棒…460mm×1本
・ナゲシねじ(太さ4.5mm×長さ90mm)…2本
・水性塗料…好みの色を適量
・穴うめパテ…適量
・水性ウレタンニス(屋内木部用)…適量

用意する道具

電動ドライバー、定規、はけ、えんぴつ、ヤスリ、床の上に敷くシート

岩佐さん:
「今回作るものは電動ドライバーが必要ですが、ひとつあるとぐんとDIYが楽になるし、幅も広がります。わたしも、電動ドライバーを手にしてから、自分がほしい用途やサイズぴったりに作れるDIYが好きになりました。

作業は、がんばれば1人でやれないこともないですが、手助けがあった方が断然スムーズなので助っ人を頼んで作業するのがおすすめです」

 

作り方

【下準備と色塗り】

1. ビスが通りやすいように、テーブル板に穴を開けておく

それぞれのテーブル板には、中心から4cmのところに印をつけ、電動ドライバーで穴を開けて貫通させておきます。

このとき、必ず使用するビスより小さいサイズのドリルを使います。床に穴をあけてしまわないように、本を重ねた上に置くなどして板を浮かせて作業するのもポイントです。

2. 丸棒の両端も、同じドリルで中心に穴をあける

板と接続する部分に、ビスを打ちやすいようにしておきます。

3-4. 板に色を塗る

テーブル板は好みの色で塗ります。それぞれの表になる部分は、あとでビスを埋めてもう一度塗るので1度塗り、それ以外の部分は2度塗りしておきます。

岩佐さん:
「両方同じ色でもいいですが、せっかくなので違う色にすると気分によって使い分けられて楽しいですよ。部屋の家具の色となじむように意識するといいかもしれません。色を自分で作れるのもDIYならではなのでペンキを混ぜてみるのもおすすめです」

塗った面が床につかないように、安定感のあるコップのようなものの上に置くと塗りやすいです。ペンキが乾くのには少し時間が必要ですが、「DIYの一番のコツはとにかく焦らないこと」と岩佐さん。ペンキが乾くのを待って、次の作業に移ります。

【板と棒をつなげる】

5-6. テーブル面の穴にビスを打つ

床に穴を開けてしまわないように、高さを出したところに置いて押さえながらビスを打ち込み、裏の様子を見ながら、先がちょっとだけ出るところまでで一旦止めます。

7-8. テーブルと棒を固定する

先を穴を開けておいた丸棒に押し当てながら、板が少しくぼむくらいまでしっかり固定します。もう一色の方の板も同様にビスで固定すれば、形はできあがりです。

【仕上げ】

9-10. パテでビスの穴を埋める

板の上のねじが完全に隠れるくらいのパテをつけ、凸凹した部分は細かな目のヤスリで削って平らにします。

11. ペンキを塗る

パテの上からペンキを塗ります。テーブル板の表面は、工程を見越してまだ1度塗りなので、全体を塗っておきましょう。もう片方の色の方も同じように色を塗れば着色は完成。再び乾くまで待ちます。

12. ウレタン塗装で仕上げ

ひと手間はかかりますが、テーブルの表裏、丸棒まですべての部分にウレタン塗装をすれば、水に強くなり傷もつききにくく、長持ちする仕上げになります。水拭きもでき、ぐんとテーブルとしての使い勝手がよくなりますよ。

岩佐さん:
「DIYのいいところは、自分の家のサイズや自分の気持ちにぴったりのものを作れること。手を動かすことを楽しみながら、自分の好みや欲しいものを自らの手で作り出せる魅力も味わっていってほしいです」

***

次回のテーマは「本棚」。お気に入りの1冊を飾るアイデアから、自分だけの本棚を作るDIYまで、部屋の景色を少し更新したい気持ちを叶えます。

 

【写真】メグミ

もくじ

 

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岩佐知布由

インテリアスタイリスト。インテリアデザインを学んだのち、会社員やアパレル販売等を経て、フリーのインテリアスタイリストに師事。2018年に独立し、雑誌、広告、カタログなどでインテリアや雑貨、暮らしに関わること全般のスタイリングや、ショップのディスプレイ、住宅などの空間コーディネートを行う。


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