【自由な家づくり】第1話:作り始めて2年。「オルネ ド フォイユ」店主・谷さんが住みながらDIYする一軒家を訪ねました

編集スタッフ 野村

「家づくり」は、一生に一度の買い物。憧れはありながらも、一度決めてしまうと後戻りができない、というイメージもあり、ハードルの高さを感じてしまいます。

でももし、そんな家づくりとの距離を近づけられたなら、もしかすると憧れが憧れのまま終わらずにいられるかもしれません。

そこで今回訪ねたのは、未完成の一軒家に住みながら、DIYをしている真っ最中という、インテリアショップ「オルネ ド フォイユ」オーナーの谷あきらさんが暮らす家です。

2年ほど前に引っ越しをして、今なお手を加えながら家づくりを進めているという谷さん。そんな自由な向き合い方があるんだと興味は尽きず、あれこれじっくりお話を伺いました。

 

引き渡し当初は、天井が塗られているだけでした

緑に囲まれた小高い坂道を登り、突き当たりの階段を上がった先にある、白塗りの壁が印象的な2階建ての一軒家。

窓から気持ちいい自然光が差し込むこの家に、谷さんは妻と子ども、2匹のオス猫と暮らしています。自宅の2階に居住スペースを集約し、1階はお店の商品撮影用のスタジオとして整えている途中なのだそう。

谷さん:
「建築家の方と、自分たちらしい家づくりをしてみたいと話していたので、天井を白く塗ってもらった以外は、内装も未完成のまま、家を引き渡してもらいました。

壁を白く塗ったり、玄関のタイルを貼ったり、棚板を削って作り付けたりと、妻と2人でヘロヘロになりながらDIYして整えた家です。素人仕事だからよく見ると粗だらけなんですよ」

リビングから奥へ進むと、そのまま水回りと寝室へと周遊できる間取りに

谷さん:
「階段を登った先に建てた家なので、自宅ではなるべく登り降りする必要がないように暮らしのスペースはワンフロアにまとめました。

2階の面積は目一杯使いたかったので、デッドスペースができないように、なるべく廊下は作らずひとフロアをぐるりと周遊できるような間取りにしています」

 

パリでの暮らしで、やむなく始まったDIY

ほぼ未完成の状態からDIYで家の内装を作り上げていくのは途方も無く大変なことだと思います。自らの手を動かすようになった谷さんのルーツはどんなところにあるのでしょうか?

谷さん:
「んー、そうですね……。DIYを始めたのは、パリで暮らしていた頃からですね。少し遡りますが、パリに渡るまでのことも一緒に話しますね。

僕の実家は、家具屋を営んでいたんです。

はじめは家具のみを取り扱う業態でしたが、新しく雑貨を仕入れたいという話が出て、母から雑貨をどこから仕入れてきたらいいか分からないと相談を受けました。

その時僕は就職した会社を1年で退社して、正直自分が何をしたいかもはっきり分からないままフラフラと過ごしていたこともあり、このまま何をすればいいのか悩んでいた時期で」

谷さん:
「それで、仕入れの勉強にと雑貨屋さんと花屋さんでアルバイトを始めました。雑貨や花は個人的にも好きなものだったので、ここなら勉強しながら働き続けられそうだなと思ったんですよね。

アルバイト先で、仕入れのこと、お店をどんな風にやるかを自分なりに学んでいた時、親戚がパリで営むお店の手伝いに声をかけられて、これもいい機会かもと24歳でフランスに渡りました。

6年ほどそのお店で働いていたのですが、業績不振で人員整理をするということで僕もその対象になってしまって。でも、いつか自分が好きだと思う雑貨の販売ができたら、と思っていたタイミングでもありました。

暮らすためにはお金が必要だし、それならば自分で仕入れた雑貨を並べるお店をやってみようと思い、パリの蚤の市に店を構えることにしました」

谷さん:
「何軒も探し回って、安く借りられる物件を見つけたのですが、内装は床も壁もボロボロで、自分たちで整える必要がありました。なので友人たちと一からDIYで内装を整えて、お店をオープンしました。

それに妻とパリで最初に暮らしていた家も、入居時に大家さんから『補償金はいらないから、代わりに自分で内装を色々直していいよ』と言われて。家に入ってみると、壁や床は修繕しないといけないし、電球も残っていない抜け殻状態でした。

それから人に聞いて、ホームセンターで道具を集めて、見よう見まねで壁紙を貼り替えてペンキを塗って、と整えていきました。

そうやって何度も、何もない場所に手を加えていく経験が積み重なっていったから、自分たちでいちから好きな色を足していけるんだ、という自信につながっていったのかなと思います」

 

Googleマップで始めた、土地探し

フランスと日本を行き来しながら、自身のお店「オルネ ド フォイユ」を始めた谷さんは、鎌倉での暮らしを経て、現在のお家を建てました。

谷さん:
「帰国した当時、山や海など自然と近い場所で暮らせたら、と鎌倉で中古の戸建てを購入しました。

鎌倉の家でも床や壁を塗り直して、内装は自分たちで手を加えながら住んでいましたが、間取りを変えたいとか、天井をもっと高くしたいといった大きなリフォームは制約もあって難しい状況でした。

それに仕事も忙しくなっていたし、もっと仕事場の近くに住みたいという気持ちが強くなっていたタイミングでもあって。

より自分たちらしい家づくりをするには、新しい場所で新しく建てるのも選択肢のひとつとしてあるよね、とだんだんと気持ちが固まっていきました」

谷さん:
「新居を建てると決めたら、鎌倉の家は売りに出して、賃貸住宅に住みながら土地探しを始めました。

新居の土地も緑が多いことは優先したいなと思って、まずはGoogleマップの航空写真で緑が多そうな場所を検索していました。

でも場所の目星がつけられても、そこからいい条件の土地にはそうそう出会えませんでしたね」

谷さん:
「土地探しに1年ほど時間をかけてようやく出会えたのが現在の土地でしたが、実は一度購入は諦めました。

というのも同時期に、ビルの耐震工事の影響で退去となっていたオルネ ド フォイユの移転先の物件も見つかって。お店と新居、両方のローンを払いながら暮らすのは難しいなと、その時はお店の土地を優先したんです。

でもその半年後も、この土地はまだ売りに出されている状態で。要は売れ残りの土地だったのですが、これはもう何かの縁だなと手に入れられた土地でした」

 

「緑が見える」を最優先にしたくて

谷さん:
「緑が見える場所を最優先にした土地選びは、もしかするとあまり一般的ではないかもしれませんよね。

パリで暮らしていた頃に、引っ越したばかりの我が家を訪れたフランス人の友人に、『あの窓から緑が見えるからこの部屋に決めたんだよね?』と言われたんです。

当時は、そんなわけないよと笑っていたんですけど、今ならその感覚がよく分かるなぁと思います。

緑に囲まれた別荘地で暮らす、なんてことは叶わなくても、窓から緑が見えることにこだわってみるとか、家の中に植物を置いてみるとか、そうしたちょっとの工夫で暮らしの中での気分を少しあげることはできるんじゃないかなと思っているんです」

続く第2話では、そんな谷さんの自宅を細かく拝見していきます。

(つづく)

【写真】吉田周平

 


もくじ

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谷あきら

東京・不動前のインテリア雑貨店「オルネ ド フォイユ」のオーナー。1994年に渡仏、14年間パリで暮らす。フランスで家具の買い付けとネットショップでの販売を経て2004年に東京に店舗をオープン。フレンチスタイルをはじめ、各国のインテリア雑貨や日用品を紹介している。


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