【自由な家づくり】第2話:既製品を組み合わせながら。アイデアと工夫で叶えた理想のインテリア

編集スタッフ 野村

未完成の一軒家に住みながら、DIYをして進める家づくり。

そんな挑戦をしている、インテリアショップ「オルネ ド フォイユ」オーナーの谷あきらさんの家を訪ねています。

第1話では、現在の家へ引っ越しを決めた経緯と、DIYに挑戦するようになったルーツについてお話しいただきました。

第2話では、いよいよ始まった家づくりの話、そして谷さんがゆずれなかったスペースというリビングやキッチンについて詳しく伺っていきます。

第1話から読む

 

内装にこだわりたいけど、伝わらなくて

土地も決まり、いざ家づくりへと進んだ谷さん。しかし、建築家探しにも苦労をしたそうです。

谷さん:
「家の外装はそれほどこだわっていなくて、それより暮らす場所である内装にこだわりたいと思っていました。

自宅もインテリアショップやホテルのような、自分が居心地がいいと思える空間にしたくて、そうした理想のお店のインテリア写真をPinterestで集めて、こんなイメージにしたいんです、と建築家さんに会いにいきました。

お互いに意見を出し合いながら、家の設計ができたらいいなと思っていました。でも、僕たちの予算だと理想に近づけるのは難しいということもあったとは思うのですが、持って行ったイメージと出していただく提案の折り合いがなかなかつかないことが多くて。

方向性の違いで話がまとまらないまま、4名ほどの建築家さんを訪ねましたが結局どの方ともうまく話が進みませんでした」

谷さん:
「どうすればいいんだろうと結構落ち込んでいましたね。それで散々悩んだ結果、頭の中やイメージだけで考えていても分からないことや伝わらないことがあるな、と『住みたい家の模型』を作ることにしてみたんです。

模型といっても、ネットで買った模型用のスチレンボードという素材をカッターで切り貼りして、思い描く間取りに組み立てた簡単なものです。

その模型を持って行って、受け入れてくれるところが見つかるまでじっくり探そうと。

その後に連絡を取った建築家の方に、こんな家を作れますか?とお願いをしてみると、やりますよと快く引き受けていただけて、ようやく家づくりがスタート。

壁を白く塗る、棚板を付けるといった内装は自分たちでできるから、そこで予算を節約して、自分たちの理想を叶えていく方向で話が進んでいきました」

 

ゆずれなかったのは、窓と天井高

谷さん:
「模型を作ったことで、自分が家に何を求めているのか、想像以上にイメージできるようになったと思います。

窓際に模型を置いて、この間取りだと部屋にどんな光が入るかとか、ここに大きな窓があったら明るい家になりそうだなとか、どんどんイメージがつかめてきたんですよ。

模型で家の立体的なイメージや光の入り方もチェックできたので、設計時には、どこにどんな窓をつけていくかを最初に決めていきました。

まずはリビングには大きな窓を。それにキッチンからも緑が見えてほしいという妻の希望もあったので、キッチンにもなるべく緑が見える位置を計算しながら窓を多くつけました」

谷さん:
「家族みんな、リビングで過ごす時間が一番長いので、この場所の面積を広く取っています。その分、他の寝室などは必要最低限のコンパクトな面積にしていて。

だからたとえどの部屋にいる時も、居心地良くできればいいなと天井高を上げています。

天井高にこだわったのは海外で暮らしていた経験も大きいです。フランスで住んでいた家は狭かったけれど、天井が高かったので、窮屈さを感じなくて。

なので今の家もたっぷり天井高を取ろうと、3メートルの高さを設けました」

▲キッチンの窓から、庭に植えた大きなミモザの木が見える。「ぐんぐん成長して、外からの目隠しとして役立っていますが、お手入れは大変です……」と谷さん

谷さん:
「そうやってだいたいの間取りは決まりましたが、家の細かな間取りは、妻と喧嘩もしながら決まっていきましたね……(笑)

たとえばキッチンは、緑がたくさん見えることに加えて、壁をみながら台所仕事をしなくて良いアイランドキッチンがいい、という妻の要望がありました。

でも僕がリビングからキッチンが丸見えになるのが苦手だから壁で隠したいんだよね、と伝えて。緑が見える窓はなるべく多く確保しながら、キッチンは壁でほどよく隠す、という風にお互いの妥協点を探しながら今の形になりました」

 

アイデアと工夫が、愛着に育つといいなって

谷さん:
「キッチンは、水道やガスなどは通してもらい、作業台や棚、タイルなどは既製品を組み合わせながらDIYでほとんど作っていきました。

キッチン台は『IKEA』の引き出しに、知り合いの大工さんに頼んで塗ってもらった天板をつけたものです。そのままだと棚に取っ手がなくて使いづらかったので、木材を切って貼り合わせて取っ手も作りつけました。

システムキッチンで好みのものが見つけられなかったんです。それだったら、多少粗があったとしても自分たちで作れたら、それも味として愛着が湧くかなと思って作りました」

谷さん:
「キッチンの収納棚は、既製品の棚を壁に取り付けて使用しています。壁もこのシェルフのサイズに合わせて作ってもらいました。

もしかするとお金をかけて、オーダーメイドで頼めば納得いくものを楽に作ってもらえたのかもしれません。

でもまずは自分たちの手を動かしながらアイデアや工夫を凝らすことで、より愛着が湧くものが出来上がることもあるなぁという気持ちもあって。既製品を組み合わせることで自分たちの欲しいものが作れたらそれがいいよね、と思うんです」

窓や天井高など、家の設計にこだわりながら、内装は自分たちの手を動かして、既製品も組み合わせながら工夫しながら作っていった谷さんのお家。

「建物の構造自体は後からいじるのは難しいけれど、内装は後からいくらでもいじれると思ったんです」と話す軽やかな姿勢がとても印象的でした。

続く第3話では、どうしてそんな視点で家づくりに臨めたのか、そしてインテリアを楽しむ秘訣についてもお話を伺います。

(つづく)

【写真】吉田周平

 


もくじ

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谷あきら

東京・不動前のインテリア雑貨店「オルネ ド フォイユ」のオーナー。1994年に渡仏、14年間パリで暮らす。フランスで家具の買い付けとネットショップでの販売を経て2004年に東京に店舗をオープン。フレンチスタイルをはじめ、各国のインテリア雑貨や日用品を紹介している。


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