【私のワンルーム】第2話:家具選びのマイルールは? 生活感をなくすちょっとの工夫と隠し方の話
編集スタッフ 藤波
インテリアは大好きなのだけれど、だからこそ理想がどんどんふくらんで、今の自分の暮らしに物足りなさを感じてしまうことがあります。
賃貸のコンパクトな部屋をもっと好きになるべく、8.3畳の1Kで一人暮らしをしている遠藤美南(えんどう みなみ)さんを訪ね、部屋づくりのヒントを探っています。
第1話では、はじめての家探しや部屋づくりの過程を聞きました。第2話では、家具の選び方や賃貸ならではの小さなキッチンについてお伺いします。
家具は全部ネットで。だからこそじっくりイメージ
賃貸のインテリアでの悩みの種が、家具の選び方です。
1Kのコンパクトな空間ながらサイドボードやソファ、スチールボックスなど大きめの家具が充実している印象ですが、選び方に何かコツはあるのでしょうか。
遠藤さん:
「部屋づくりをしていたのがコロナ禍ということもあって、家具はほとんどネットで買ったんです。だからこそ、色々なサイトを見比べて、時間をかけて悩みました。
ヴィンテージ家具を扱う『Rocca』というサイトや、『IKEA』や『IDEE』、フリマサイトもよく見ていましたね」
▲奥のサイドボードは『Rocca』、ソファは『Re:ceno』で購入
遠藤さん:
「このくらいの広さの家だとサイドボードやソファなど大きめの家具を置く方は少ないですよね。やっぱり大きすぎると圧迫感が気になりますし、すぐに通路がなくなってしまうので、見た目や大きさは吟味しました。
サイトに載っている寸法通りの長さにマスキングテープを切って、床と壁に貼って、遠くから眺めて実際の高さと幅と奥行きを想像するんです。ここに置くとこんな感じになるのね、というふうに。そうすると、今のところ届いてみたら大きすぎたという経験はありません。
あとは、ネットならではかもしれませんが、購入者のレビューに投稿されている写真も参考にしました。普通の家の照明でぱぱっと撮った写真に一番リアルさが出ると思うので、いいと思ったけどこの部分だけ惜しいな、なんてことに気がつけるんです」
遠藤さん:
「あとは、気になるアイテム名をSNSで検索して、実際に暮らしの中で使っている様子も見ています。
サイトの写真と、実際に使っている写真と、自分の部屋とを何度も往復して見て、この家具が部屋にあったらどうかな?というのをじっくり検討しています」
夏はTシャツ、冬はニットを積み重ねて収納します
▲洋服の見せる収納に使っているラックは『IDEE』のワラビー ハンガースタンド
そんな一つ一つ吟味された家具が並んだ遠藤さんの部屋は、物が少ないわけではないのにどこかすっきりと、お店みたいな雰囲気があります。
遠藤さん:
「本当は全然そんなことなくて、季節ものの洋服や使っていないラグなどは備え付けのクローゼットにぎゅうぎゅうにしまっているんです。
外に出している洋服はなるべく色味を少なくして、ハンガーラックもびっちりかけるのではなく厳選すると、少し生活感が薄れるかもしれませんね。
今は夏なので主にジーンズとTシャツ。ハンガーラックにはシャツ類。なんとなく分類してそれぞれ収納するとすっきりする気がします。冬には大きめのニットを平たく畳んで積んでおくのが定番。見た目もかわいいし、ニットが伸びないので一石二鳥です」
遠藤さん:
「他にも生活感を出してしまうものは、なるべく隠しています。洋服コーナーの足元に置いているシェーカーボックスには、毛玉とりやアイロンなどのお手入れグッズを。
すぐ手に取りたいものだけど、出しておきたくないものって色々ありますよね」
遠藤さん:
「サイドボードには、趣味のビーズやコード類、薬など細々したものを収納しています。小さな部屋だからこそ、収納力がある家具が一つあると重宝しますよ。
下の隙間には『Found MUJI』で購入したコシャー箱を重ねて、書類の整理に使っています。コシャー箱はフランスの公的機関などで文書を保管するために使われているファイルボックスなのだそうですが、この綿の紐の雰囲気がたまらなくかわいいですよね。
その隣にあるピクニックバスケットには、エコバックや布トート、ポーチなど長年集めた小さなものをガサっと入れています。ついつい集めてしまって、なかなか捨てられないものがたくさんあるんです(笑)」
小さなキッチンには、小さな道具を
続いては、賃貸ならではのコンパクトなキッチン。私自身一人暮らし時代に調理スペースの少なさに困った経験があるのですが、遠藤さんはいかがでしょうか?
遠藤さん:
「自炊は好きで、忙しい時期以外は毎日料理しますが、特段困っていることはないかもしれません。
2口コンロなことと、壁に磁石がつくキッチンだったことが便利で。マグネットボードやフックで収納すると、少ないスペースでも色々置けますよ」
▲ランチによく作るというツナのサンドイッチ。小さなスペースを効率よく使ってあっという間に完成しました
遠藤さん:
「調理器具を買う際に気をつけたのは、このキッチンに合うよう、一般的なものよりひとまわり小さめを選んだことです。鍋やフライパン、まな板やナイフも小さなサイズにしたことで、このスペースでも効率よく料理できる気がします。
大きめのまな板も持っているのですが、結局毎日出番があるのは小さい方だけなんですよね」
▲電子レンジ横には『IKEA』のキッチンクロスをリメイクしたポリ袋用のケースが。「合うサイズがなくて作ってみました」
ここでも生活感のあるものは隠せるように工夫がされていました。
遠藤さん:
「電子レンジやケトルなどを置いているスペースは、『ジャンヌ・バレ』で購入したクッションケースと、100円ショップの突っ張り棒とクリップで簡易的なカーテンを作りました。
普段一人でいるときは基本的に開けっぱなしなのですが、来客があったらささっと隠せるのがけっこう便利です」
家はただただゆっくりする場所だから
遠藤さん:
「仕事の衣装製作は基本的に外でするので、私にとって家はただゆっくり過ごす場所です。
休みの日は、家でコーヒーを淹れてお菓子を用意してのんびり漫画を読んだりして、外の気温が落ち着いたらようやくスーパーをウロウロして、という過ごし方が幸せで。
そんな暮らしの中に欠かせないものの一つが香りものです。ディフューザーや、フレグランスマッチ、パロサントなど、その時々で楽しんでいます。
夜寝る前だったり、気分をリフレッシュしたいときに使うのですが、家に帰ってきて好きな香りがふわっとした瞬間もすごく嬉しくて。『家に帰ってきたな』と安心します」
***
撮影中に見つけた、壁際にひっそりと隠れていたインターホン。黄ばんできてしまったので、気に入った仕事の資料を印刷して上に貼っているのだとか。
「インターホンが鳴ったら、毎回チラッとめくらないといけないんですけどね」と笑う遠藤さんを見ていたら、なんとなく疎かにしていた細々アイテムの収納や隠し方を、こんなふうに自由に探ってみたいと思いました。
続く第3話では、部屋中に飾られたアイテムのもの選びのこと、飾り方について詳しく伺います。お楽しみに。
(つづく)
【写真】メグミ
もくじ
遠藤美南
都内在住。フリーランスで舞台や映像、広告の衣装製作を行う。インスタグラムでは、ワンルームでインテリアを楽しむ様子を発信。感度の高い物選びの視点が多くの人の心を掴んでいる。@mnmii___
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