【素の自分、わたしの眉】後編:毛流れを整えると、似合う眉が見えてくる。薄め・濃いめ2タイプの眉毛レッスン
編集スタッフ 岡本
ストレスフリーな日焼け止めに、気分が上がるリップ。気付けば朝のメイクは、両手で数えられるほどの限られたアイテムで済ませるようになっていました。
シンプルって心地いい。そう思うと同時に、削ぎ落とされたからこそ気になり出したのが、眉毛のこと。
どのメイク本を開いても「眉毛は大事」と書かれています。そうなのだろうなという意識はありつつ、ちゃんと考えてこなかったこれまで。シンプルなものを求め始めた今、改めて自分に似合う眉が気になっています。
背伸びをせず私のままで、でもちょっといい感じ。そう思える自分を叶えたくて、似合う眉毛について考える特集です。
アイブロウパウダーだけで似合う眉に
お話を聞いたのは、ヘアメイクアーティストの池田奈穂さん。さっそく普段使っているものを見せてもらうと、その数の少なさにびっくり。小ぶりなペンケースほどのポーチにブラシが3本とアイブロウパウダーが2つと、厳選されたアイテムがぎゅっと納められていました。
池田さん:
「ペンシルやマスカラなど、アイブロウメイクのアイテムは色々ありますが、個人的にはパウダーだけでも似合う眉毛を描けると思います。あると便利なのは、太さの違うブラシ。
付属のものでもいいけれど、毛先が細いものや柔らかい毛質のものなどいくつか持っていると、微調整がしやすいですよ」
▲この記事では薄め・濃いめどちらとも、3色あるうちの1番明るい色のみを使ってメイクをしています。
池田さん:
「選ぶ色は、髪色よりも明るめを選んで。薄い色なら、色を重ねながら形を模索できて失敗しにくいんです。
お手入れのときのポイントは、ハサミで切るのではなく、シェーバーを使って根本から剃るのがおすすめ。切ると断面がはっきりと出てチクチクと硬い印象の眉に見えてしまいます。
毛抜きで抜く方法もありますが、安易に抜くとその後生えてこない可能性もあるので、始めのうちはシェーバーで剃って、形が定まってきたら抜くといいかもしれないですね」
池田さん:
「似合う眉を見つけるヒントは、自眉と骨のラインです。
やはりもともと生えている眉毛を生かすのがその人の顔に一番しっくりくるので、ブラシで毛流れを整えて自眉をガイドにしながらメイクするのがおすすめです。
他にも、目周りの骨の位置もヒントのひとつ。基本的に、眉毛は骨に沿って生えているものなので、一度触りながら眉の位置が骨と一致しているか確認してみるといいかもしれません。
例えば、眉尻が上方向にずれていたら、本来よりも上がり眉になっているということ。眉山を調整したり下側に書き足したりすると、顔全体とのバランスが取れると思います」
— 薄めの自眉さん向け —
「輪郭をぼかして、やさしく垢抜けた印象に」
スタッフ 齋藤
「これでいいのかな?」という気持ちを抱えながら
メイクをしてきたこれまで。
40代を前にパーマをかけたり好みのリップを見つけたりして、
メイクに対してポジティブな思いを持っている。
理想の眉は、自然で柔らかい雰囲気。
▲使用アイテムは左から:osajiブロウシャドウ パレット、やわらかい毛質のブラシ、細めのアイシャドウブラシ、アイブローコーム、シェーバー
01:まぶたの上などに生えている産毛をシェーバーで剃る
02:コームで毛流れを整える
毛流れを整えることで自眉がガイドとなり、足すべきところが見えてきます
03:アイブロウパウダーを眉頭から眉尻まですーっと描く。何度か繰り返す
一度ブラシは使う前にティッシュオフして、意図せず濃く書いてしまうことを防ぎましょう。
04:眉毛から1mmくらいはみ出すようにパウダーをのせていく
輪郭をぼかすことで自然な太さになり垢抜けたやさしい印象に。細めのアイシャドウブラシを使うと簡単です。
池田さん:
「アイブロウパウダーを使って理想の眉を “描く” というよりも、今生えている眉毛の上に “ふわっと色を乗せていく” イメージ。
自眉が薄いとペンシルを使ってしっかりと描きたくなるかもしれないけれど、パウダーで太さと濃さを微調整していく方が似合う眉を模索しやすいと思います。
目尻の描き方で全体の印象がかなり変わるので、やわらかく見せたいのであれば目尻はぼかすのがおすすめです」
— 濃いめの自眉さん向け —
「眉マスカラ後にパウダーをオンでふんわり見せ」
スタッフ 岡本
自眉が濃いので普段は明るめの眉マスカラで薄く見せているが、
逆に強調されているように感じてイマイチしっくりきていない。
また右は並行眉、左は上がり眉と左右の差も気になっている。
▼使用アイテム左から:アイブロウパレット、アイブロウコーム、osajiブロウシャドウ ペンシル、やわらかい毛質のブラシ、アイブロウマスカラ
01:コームで毛流れを整えたら、アイブロウパウダーで眉頭から眉尻まですーっと描く
濃い眉を薄く見せたい場合、眉マスカラだけだとどうしても自眉の黒い部分が残りやすいため、最初にパウダーで眉全体の色味を整えるのがおすすめ。その上で眉マスカラを塗ると、より馴染みやすくなります。
またパウダーは1番明るい色をとり、やわらかい毛質のブラシでふんわりのせていきます。
02:左右差を整えるため、足りない部分を明るい色のペンシルで描き足す
目周りの骨の位置を確認して、眉毛の位置がずれていないかチェック。
左眉のみ骨の位置に比べて上がっているので、今回は左の眉尻の下側を描き足して、上がり眉の印象を和らげます。
03:眉マスカラを使い、明るくする
毛流れとは反対方向にブラシを動かし、表面だけでなく奥の毛にも色をのせる
04:太く柔らかいブラシを使って明るい色のパウダーをふんわりのせたら、コームで毛流れを整える
最後にパウダーで仕上げると、べたっとせずよりやわらかい印象になります。
池田さん:
「実は毛流れを整えるだけでもだいぶ印象が変わるんですよ。眉頭から中心辺りまでを上方向に整えると今っぽくなります。
自眉がしっかり生えている方の場合は、特にその変化が分かりやすいかも。
マスカラをしたあとにコームでとかすことで毛流れをキープできるので、ぜひ一度試してみてくださいね」
今日もいい感じ。自分仕様の眉が心を軽くして
似合う眉の基準や普段使っているアイテムのちょっとしたコツなど、新しい気付きにたくさん出合えたこの日の取材。
「何をどうしたらいいか分からない」状態からようやく脱した今、毎朝迷わずに眉を描くことができています。
まるでお直しに出した服がピッタリサイズで戻ってきたときのような嬉しさを感じて、ずっとそばにあるものが自分仕様になることの心地よさを感じる日々。
眉毛の整え方を変えたと聞くと本当にささいなことのように思うけれど、その効果は想像以上に大きかったようです。
(おわり)
【写真】濱津和貴
もくじ
池田奈穂(いけだなほ)
1992年生まれ、大阪府出身。美容専門学校を卒業後、美容師として東京のサロンで働き始める。27歳のときにロンドンへ行き、ワーキングホリデーで1年3カ月滞在。現在はフリーランスの美容師・ヘアメイクアップアーティストとして活動する傍ら、アンティーク花器を販売する「THE PEAR」(Instagram:@__thepear__)も運営。Instagram:@naho__ikeda
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