【素の自分、わたしの眉】前編:背伸びせずにそのままの自分で。鏡の前で「なんだかいい感じ」と思える眉が知りたい

編集スタッフ 岡本

ここ数年で、朝の身支度にかかる時間が徐々に短くなっている気がします。メイクは大体10分くらい。

子どもに急かされてそうせざるを得なかった時期もあったけれど、習慣となった今は、だんだんとシンプルなものへと変化するこの流れに自然と身を任せられるようになりました。

これから歳を重ねていくなかで、自分が自分のままで心地よくいるための選択をしていきたい。

そう思うと同時に、削ぎ落とされたゆえに気になり始めたところも。すっぴんでいるときもメイクをしているときも、鏡に映る自分の顔を見るたびに、なんだか眉毛だけ浮いているように感じてしまって。

「眉毛は、印象を左右する大事なパーツ」

どこかで聞いたこの言葉を、シンプルなものを求め始めた今、改めて思い出しています。

背伸びをせず私のままで、でもちょっといい感じ。毎朝の身支度でそう思える自分を叶えたくて、似合う眉毛について考えてみる特集です。

 

「流行りと似合う」のバランスを模索して

お話を聞いたのは、ヘアメイクアーティストの池田奈穂(いけだなほ)さん。これまで当店の商品ページに登場するモデルさんのヘアメイクをたびたび担当してくださいました。

スラリと背の高い池田さんを見かけては、そのオーラにどきっとしつつも話すと柔らかな人柄が伝わってきて、あっという間に心を掴まれてしまった私。池田さんが手がける、その人自身のよさ部分を引き立てるようなヘアメイクに惹かれて、眉について、そして池田さん自身のことについてもお話を聞いてみたいとずっと思っていました。

まずはメイクの面白さに気付いた学生時代のことから聞いていきます。

池田さん:
「自眉は色が濃くしっかりと生えている方なのですが、学生時代は流行りに合わせて、細眉にしていました。初めてメイクをしたのは高校生だったかな。

友達がみんな同じアイラインを持っていたので、真似して買ったりつけまつげをしてみたり、色々試すのが楽しかったです。でも中には、『これは自分に合わないな』って感じるものもあって。あの頃は流行りを意識しながらも、自分に似合うものを模索する練習をしていた気がします」

池田さん:
「18歳で大阪の美容専門学校に進んでからは、髪色を明るくしたりマツエクをしてみたり、できることが一気に増えて世界がぐんと広がりました。

でも研修で訪れたサロンでの業務が自分に向いていないように感じて、『本当に美容師になりたいのかな』『服飾の方が合ってたかも』と迷うこともあって。この道でいいんだろうかと悩んでいたときに参加したヘアメイクショーで、今もお付き合いのある東京のサロンオーナーと出会ったんです。

美容師だって、美容のことだけじゃなく、幅広い分野を学んでほしいという姿勢に惹かれて、卒業後はそのオーナーのサロンで4年半勤めました」

 

内面が顔つきに現れてきた30代

人見知りゆえ接客に難しさを感じながらも、恩師の思いを受けて、ファッションやアートなど美容以外の場にも積極的に足を運んだ池田さん。サロンワークにやりがいを見出していたものの、世界のヘアメイクも見てみたいという思いから、27歳でロンドンへ渡りました。

池田さん:
「ワーキングホリデーの選考に5回も落ちて、やっと受かったのが27歳。でも行ってみたら、ヘアメイクで呼ばれてもギャラの出ない仕事が多くて、実際は日本食レストランでのバイト三昧でした。

働き詰めなのにお金もなくて、あれ?私ロンドンに来た意味あるのかなって常に焦りを感じていましたね」

池田さん:
「どうしようって思いながら過ごしていたら、コロナ禍になってしまって。自然と家にいる時間が増えたんです。

不安だし大変なことも多かったけれど、働けず何もできないのは自分だけじゃないっていう状況が気持ちをラクにしてくれました。ロンドンに来てから初めて自分の暮らしやこれからのことを考えられる時間がつくれたんです」

美容師やヘアメイクアーティストという仕事柄、休みが少なく朝から晩まで働く生活を20歳から8年間続けていた頃でした。高速で進んでいた時間の流れがゆっくりになったことで、見えるものも変わってきそうです。

池田さん:
「定期的に長めの休暇を取ったり、仕事が終わったら残業はせず自分の好きなことをして過ごしたり、ロンドンは自分のために休むのが上手な人が多い。それまでは時間もお金もないって焦って目に入らなかったけど、落ち着いて今いる環境を見回してみると、その場所ならではのいいところが見えてきました。力の抜き方を教えてもらったような気がします。

ヘアメイクに関しても、自分自身に至ってはかなりシンプルになっていましたね。欠かさずするのは、日焼け止めに眉とリップくらい。

そう思うと、本当に必要なものって案外少ないんじゃない?って思い始めて。収集癖があったので割と物の多い暮らしをしていたけど、自然と手放す習慣が身についていきました」

池田さんと同世代の私。お話を聞いていて分かるなあと感じる瞬間が何度もありました。

今私の手元にあるものを把握していること、身の丈を分かっていることは、素の自分にとって心地よいものを選び取る大事なヒントになるはず。

池田さん:
「眉毛もその延長で、細くしたりカラーリングしたり色々試したけれど、今は基本的に生えたままにしています。普段のメイクでは、パウダーとマスカラで整える程度。

人見知りでしゃべるのが苦手だった学生時代に比べると、オープンマインドになったかな。

その内面の変化が顔つきにもきっと現れていて、そのままがいいって思うのかもしれないですね」

 

長年、眉毛に悩んでしまうのはどうして?

眉毛の話をしていたら、実年齢よりも大人びた印象を持たれることが多かった学生時代を思い出しました。太くてきりっとした自眉のせいでは?と思い、自己流で整えたら、余計にきつさが強調されてしまったことも。

自分自身が思う内面と、しっかり者と判断される外見とのギャップにもどかしさを感じていた当時。思えば、ずっと眉毛について迷っていたことに気付きます。

池田さん:
「眉毛を少し整えただけで、顔の印象そのものが変わる。そこが面白さでもあり難しいと感じる部分ですよね。

そういえば私も最近、自分の眉毛で発見がありました。

数年前に今と同じような金髪ボブヘアにしたときがあったのですが、そのときは髪に合わせて眉も金に染めていました。黒のままだと眉毛の主張が強くて違和感があることを覚えていたから、今回も髪と一緒に眉毛を染めて。

そしたら、金色の眉毛が全然似合わなかったんです。年齢に合わせて似合う眉毛が変わっていくことを痛感しました。

たとえ正解を見つけたと思っても、似合うものが変わっていく。だからみんな眉毛に迷ってしまうのかもしれないですね」

池田さん:
「でも印象に大きく影響を与えるパーツだからこその面白さもありますよ。

手軽に流行のメイクに寄せたり、なりたいイメージに近付けたりできるのは眉毛のいいところ。最近はピンクのアイブローパウダーが人気ですね。

太めに仕上げてあたたかい色味をのせるだけで、一気に今っぽいメイクになるので、私もその日の気分で楽しんでいます」

***

眉毛についてこんなに深くおしゃべりするのは初めて。でも気になることが次々に浮かんできて、「やっぱり眉毛って奥深い」としみじみ感じました。

つづく後編では、眉メイクの実践編をお届けします。

これさえあればなアイテムや、自眉が薄めさん濃いめさんそれぞれの描き方など、明日からさっそく試したくなるコツをご紹介しますよ。

(つづく)

【写真】濱津和貴

 

もくじ

 

池田奈穂(いけだなほ)

1992年生まれ、大阪府出身。美容専門学校を卒業後、美容師として東京のサロンで働き始める。27歳のときにロンドンへ行き、ワーキングホリデーで1年3カ月滞在。現在はフリーランスの美容師・ヘアメイクアップアーティストとして活動する傍ら、アンティーク花器を販売する「THE PEAR」(Instagram:@__thepear__)も運営。Instagram:@naho__ikeda

 


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